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超合金なんかいらないやい!

合体駄玩具大集合

「超合金」という玩具の出現は、当時、衝撃的であった。

自分では絶対買えない高価格。ブリキ玩具とちがい、持ち重りのする重厚な存在感。

プラパーツを多用してソフビ以上のディテールと、ミサイル発射などのギミックを備え、

玩具箱に君臨したものだった。

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・・・が、子供だましの宇宙戦艦アニメや、ヒーローものじゃあるまいし、

たった一機のモビルス○ツが戦況を変えることもないことはないけど、

それで最終的な勝利が手に入るほど甘くないことを知ってしまったtadatako少年は、

「兵力の集中や柔軟な戦略・戦術なんかが大事なんだ!」と、

沢村君にもらったタコチュウと、ロボコンの超合金にハマッた山本君が呉れたピコタンで、

日々、艦隊戦に明け暮れたのであった。

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人気商品だった、たこちゅうやピコタンも、その販売期間は短く、

当時ちょうど小学校の低学年であったため、多くを買うことは出来なかった。

その後、明治製菓から「明治合体チョコボール」という商品が発売された。

UFOやSFがブームになり、グリコのオマケにもにもロケットや宇宙船が多く入れられた頃のことである。

一応、お小遣いを貰えるようになって、駄菓子屋に行くようになったtadatako少年は

数を揃えるために、「パチモンの合体チョコのオマケ」をチマチマ買い始めたのであった。

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・・・・・・・・・・・・・・前置きが長くなって、普通のサイトならこれだけでワンコーナーになるところだが、

ウチのサイトでは飽く迄前置き。こっからが本文なのである。

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.明治合体チョコボールのオマケには、当時から複数の系統のパチモンがあることが知られていた。

パチモンバリエーション明治合体チョコボール軍装備識別図説より抜粋)

純正「明治合体チョコボール」

パチA型「合体基地」

パチB型

パチC型「ミニUFO 遭遇消しゴム」

パチD型

パチE型「ドッキングステーション」

※パチA型「合体基地」には小台紙にブリスターをホチキス留めした、大1個小7個を入れた別バージョンが存在する。
※パチC型は「ミニUFO 遭遇消しゴム」というゴム製のものと、販売形態・名称不明のプラ製がある。
※パチD型は合体基地ブロックという名称であったことが後に確認された。詳しくは「合体基地ブロック」を参照されたい。

純正
「明治合体チョコボール」 チョコボールのオマケ。一箱50円か60円で一個入っていた。

パチA型
「合体基地」 台紙に、タグ付きで12袋ついていた。一袋には小14個か、大1個小3個が入っていた。

パチB型
(不明) 台紙にタグつき袋入りで売られていた。(12袋?)内容数は覚えていない。

パチC型
「ミニUFO 遭遇消しゴム」 プラ製とゴム製があり、ゴム製は台紙つき小台紙入り袋に7個入っていた。プラ製は不明。

パチD型
(不明) 少数しか残っていず、販売形態は不明。

パチE型
「ドッキングステーション」 台紙にタグ付きで12袋ついていた。一袋には小13個が入っていた。

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当時は一袋50円がなかなか買えず、タグつき袋もすぐ捨ててしまっていたため、

駄菓子屋で売られていたときの状態は記憶だけでしかわからなかったが、最近になって台紙ごとの完品を入手できた。

50円で12袋。600円。今となっては「たった」600円だが、当時は台紙ごと買うなどということは夢のまた夢であった。

タイトルは「合体基地」。いかにも当時の宇宙船というイラストのタイトルには、

「明治合体チョコボール」のパッケージの文字と似た書体の「合体基地」の文字と、

「基地とロボットの合体だよ」「いろいろな基地を集めて合体させよう!!」の文字がある。漢字には全てルビが入っている。

「明治合体チョコボール」の箱の裏面には、基地の絵が描かれていたので、

「合体基地」という名称は、今ならいいわけ出来ない位の丸パクリであったわけである。

アメリカのSFの挿絵にでもありそうな2段階ロケットの先端には、大気圏突入用と思われるコムサイのような飛行機がついている。

船外作業をしている宇宙飛行士は、アポロ計画の写真を参考にして描いたようだし、円錐形のカプセルも月の周回軌道を回る探査船を思わせる。

円形に四つの羽根のついた宇宙基地は、60年代の宇宙ステーションのイメージで、販売当時に見ても古くさい絵だったと思う。

右上の大型円板は、大サイズの2種類のうちの一つである。

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純正に大変良く似ているパチA型にあって特長的なのが、この2個の大型基地である。

小さな突起を追加するなどして多少は工夫してあるとはいえ、ほとんど丸パクリのA型だが、

この大型は、サイズからしても純正にはありえない巨大さで、パチモンオリジナルである。

当時は気が付かなかったが、インターネットで調べてみたところ、それぞれ、

「UFOロボ グレンダイザー」(1975/10/05〜1977/02/27)のスペイザー、

「鋼鉄ジーグ」(1975/10/05〜1976/08/29)のビッグシューターをもとに

デザインされたものであると推測できることがわかった。(※イメージ検索で調べてみてください)

駄菓子屋で売られている「合体基地」シートには、この大型が各1個と小3個入りの袋が8つと小14個入りが4つの他に、

12袋全てが小14個入りの2種類があり、この大型を含むほうが後から出てきたように記憶している。

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最近になって、この「合体基地」の別バージョンを発見した。

小さな台紙に大1個、小7個が透明プラスチック製のブリスターで固定されている。

前述の合体基地と似たデザインの書体で「いろいろ合体できるよ!」の文字がある。

タイトル左下の「2-B」の文字は、この販売形態を示す品番ではないかと推測される。

左下にSTマーク、右下にはメーカーのロゴマークがある。

これが留められていた下の台紙は、「7面にスライドするナンバーセブン」と書かれており、他の商品の台紙を流用したものと思われる。

その台紙には、このロゴマークと一緒にマルコー産業の文字がある。

このロゴはピコタンを2パーツ化した大型のロボくんブロックの台紙にも入っていた。

両方とも台紙の上部に穴が開けてあり、ここにフックを引っ掛けて吊るして売られていたことが考えられる。

合体基地の袋入りが50円だったことから、この「合体基地別バージョン」も「ロボくんブロック」も

比較的高価で、駄菓子屋よりも玩具屋や地方のお土産屋等で売られていた可能性が高い。

ロボくんブロック」は「おはよう!!ポコタン」や「人間ブロック」(パチモン顔ありC型)、

さらに小型ピコタン(パチモン顔ありC2型)と顔等が同じデザインであることから、

どれもがこのマルコー産業の製品であった可能性が指摘できる。

(※その後、ロボくんブロックと同じ大型ポコタン型が「ポーズブロック」という名でタグ付き袋入りで売られていたことが分かった。

このタグにも同様なマルコー産業のロゴマークが入っていた。)

左からロボくんブロック、ポコタン、顔ありパチモンC型、C2型

また、これらのマルコー産業の商品に共通する特長として、タグや台紙に商品をもとにしたイラストを書起していることがあげられ、

これは他のパチモンの台紙が「○○トーイ」などというタイトルで汎用に作られているのと区別できる。

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次にパチモンB型に注目したい。

左:純正、中央:A型、右:B型

上の写真からわかるように、上段の爆撃機は、A型では翼端ポッドに小さい補助翼を追加し、

上部接合部のキャノピーを小さくして、機体後部を太くしている。

B型は翼端の補助翼は省略したものの、キャノピーはその痕跡すらないほど省略され、機体後部は一層ぼってりしたシルエットになった。

下段の三日月型翼戦闘機は、A型で追加された翼後端の小突起がB型でも見られる。

これらのことから、B型は、純正のコピーであるA型をさらにコピーしたものであると考えられる。

タグの文字は記憶にないが、台紙にタグ付き袋入りで売られていた記憶がある。

台紙のタイトル部分は明確な記憶はないが、A型に見られたようなイラストはなかった様な気がする。

素材的にも安価といわれるクリア系が一部使われており、引けも多く造形はかなりラフであると言わざるをえない。

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次にC型・D型であるが、これはA型→B型の流れとは違うことがうかがわれる。

上段左:純正、右:A型、下段左:C型、右:D型

翼端にミサイルを持つ戦闘機だが、A型はその形態を忠実にコピーし、若干太くなった機首部に突起をつけてある。

これに比して、C・D型はキャノピーを涙滴型に変更し、翼端のミサイルからは羽根を省略してしまっている。

左:純正、中央:C型、右:D型

また、純正に見られる高速偵察機や重爆撃機はC・D型のみにしかなく、A型系列には見られない。

このことからも、C・D型は独自のチョイスで純正をコピーしたものであることがわかる。

D型は4種類しか見つかっていなず、そのデザインはC型に良く似ているが、全ての種類でC型との相違点をみることができるため、

敢えて別種と分類している。しかし、駄菓子屋売りかガチャガチャかといった販売形態は全くわからない。

ガチャガチャで取った様な気もするが、確定は出来ない。

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C型には、プラスチック素材のものと、全く同じ型を用いたゴム製のものが存在する。

ミニUFO 遭遇消しゴム」といい、台紙付きで発見された。

このシリーズのために作られたタイトル付き台紙に、タグなし小台紙入り袋に、7個ずつ入っている。

C型と全く同じ型を用いて作られており、素材だけがゴム製になっている。

スーパーカー消しゴム等と近い素材で消しゴムとしてつかうことはできない。

プラ製のC型には円板が一種類しか見つかっていないが、ゴム製のC2型には6種類(1種はC型と共通)の円板が入っており、

これは、この商品のタイトルとして、特にUFOの文字を使っていることから、円盤だけ追加されたものかのしれない。

両方とも右:C型(プラ製)、左:C2型(ゴム製)

タイトルイラストの右下には○にカタカナの「イ」のロゴマークが入っている。このメーカーについては詳細はわかっていない。

このC2型に入っている小台紙は黄色地にスミでタイトルと上から見た線画が書かれている。

この黄色地にスミの上面図というデザインが同じ小台紙が入っている駄玩具を発見した。

これは、スリーウォーズという、大きめのプラ製宇宙船の駄玩具である。

「合体基地」のオリジナル大型基地位の大きさの3種類の宇宙船を合体させるというもので、

「1号、2号、3号、をあつめて、いろいろ合体してみよう!!」と書かれている。メーカーロゴはない。

タイトルイラストは「合体基地」同様、ガッシュ系の水彩絵の具を用いているが、タッチは若干違っている。

右下の12ケ付と言う標記は「合体基地」と同じだが、メーカー名を特定することは出来そうもない。

台紙付き玩具の数量の標記は「12ケ付」と「1打付」という2種が見つかっているが、

同一メーカーと確認されているものがないため、メーカーごとに標記が統一されていたかどうかは今のところ断定できない。

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このスリーウォーズは、「スペースインベーダー」という、タコチュウのパチモン4個と、このスリーウォーズを各一個、

お土産屋などで見られるルーレット付きの車の玩具を一つにまとめたブリスター入り台紙付き玩具の参考として某氏よりいただいたものであった。

台紙には上掲の12ケ付台紙のタイトルと同じアングルで簡素化されたスリーウォーズのイラストと、

ルーレット付の車にタコチュウがくっついているイラストがあり、

「UFOに宇宙人がすいついて、追跡機は合体します」という説明が書いてある。この一文によって、それぞれの役割が的確に説明されている。

駄玩具にはセット内容のそれぞれをどう使うかという説明がされないことが多く、この説明文はその意味でも珍しいと言える。

「スペースインベーダー」は、駄菓子屋での販売というより、台紙の上部に穴が開いていてフックにかけて置けることからもわかるよう

玩具屋や地方のお土産屋等で売られていたものと思われる。内容物から考えて販売価格は当時でも500円前後ではなかったかと思われる。

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「スペースインベーダー」に付属していたタコチュウはK型・L型と分類したタイプで、

純正よりも大きくパチモンより小さい独特の大きさであった。

左からパチモン大型(J2型)、K型、L型、純正

材質はゴム製で水に浮く。後述の「UFO消しゴマ」に入っていたもの以外、水に浮くタコチュウはなく、その点でも珍しい。

顔については怒り目、泣き目、寝ぼけ目の3種が存在した。

タコチュウのパチモンで、もっとも純正に似た顔を持つC型には、泣き目と眠り目の区別がなく、

その他の系列のパチモンでも、泣き目と眠り目の区別はなく、どれも瞳を省略した形になっていることから、

このK・L型は、純正を元に作られた可能性が高いと思われる。(パチモンの分類に関する一考察を参照のこと)

顔が純正に似て、大きさも他のパチの基準としうるC型・H型

大きさが独特で泣き目、眠り目の区別のあるK型・L型と、同じ材質と色のG型

上掲の写真のうち、いちばん手前の5個は最近入手されたもので、前のオーナーはガチャガチャで出たものと覚えているとのことであった。

左の2個は大きさは純正と同じで、G型と分類されていた「UFO消しゴマ」に入っていたものと同じだった。

これはタグ付きの袋に、このG型タコチュウ一個と、ミニUFO 遭遇消しゴムに近いゴム素材のコマが6個入っているもので、

タグに台紙に固定した時に付く大きなホチキスの穴が無いことから、

この状態で文房具店や駄菓子屋で大きな箱等に陳列されて売られていたことが考えられる。

G型が一個入った「UFO消しゴマ」

このことから、K型とL型はG型と同系列で、販売形態もガチャガチャや、

ゴム製のコマやその他の駄玩具と抱き合わせで売られるなどさまざまに使われていたことがわかる。

また、「ミニUFO 遭遇消しゴム」、「スリーウォーズ」、「スペースインベーダー」、「UFO消しゴマ」は、

ゴム製素材の加工ができ、UFO関係の商品に強かった、メーカーによって作られた可能性が高い。

「UFO消しゴマ」にはマルコー産業のロゴが印刷されているので、これらの駄玩具は丸イとマルコー産業の密接な関係を示すものと思われる。

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明治合体チョコボールのパチモンのうち、さらに全く違う系統と思われるものを紹介したい。

「ドッキングステーション」と書かれたタグ付袋入りパチモン(E型)は、純正とは一層離れた造形になっており、

どちらかというとC型・C2型・D型の系列に近い。

左から純正、C型、D型、E型

「ドッキングステーション」って、「合体基地」の英訳?という非常に微妙なネーミングで、

台紙にはゆるーい戦隊モのヒーローのイラストが描かれており、タイトルは「デラックストイ」となっている。

メーカー名はわからないが、王冠とMの文字をあしらったロゴが確認できる。

右下のSTマークの番号部分にはメーカーロゴシールが貼られており、この台紙のデラックストイはSTマークを取得したが、

その台紙を流用して「ドッキングステーション」の台紙としたため、この番号部分を隠す必要があったのではないかと思われる。

合格番号はB1?10006と読める。

STマークの研究からBは「大阪玩具事業協同組合」。

次の3桁はメーカー名。

4桁目の「0」から昭和50年(1975年)の登録であることがわかった。

※1975年は明治合体チョコボールの発売された年である。

ゆるーいヒーローがブーメランを投げているように見えることから、プラ製のブーメランの台紙だったのではないかと推測される。

戦隊ヒーローの武器としてのブーメランといえば、「秘密戦隊 ゴレンジャー」(1975/04/05〜1977/03/26)のミドメランがある。

「合体基地」の大型基地が、「鋼鉄ジーグ」や「UFOロボ グレンダイザー」といった1975〜1976ころの番組から取材していることから、

「合体基地」と「ドッキングステーション」の流通時期はダブっており、多くのパチモンが同時に出回っていたことをうかがわせる。

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さらに、違う台紙の「ドッキングステーション」が見つかった。

タグは前掲の物と同じであるが、台紙の絵柄がちがっている。

左右にイヌを配した絵柄でアクセサリーとかかれている。

下段に英字で「NEW FASHION ACCESSORY」と書かれている。

王冠のロゴマークは同じで、それ以外の値段や数量の記載はない。

STマークがないことから、前掲のものよりも古いものであることが考えられる。

タグ付き袋が貼られている部分の赤、青、黄色のストライプデザインは共通しており、

男児用・女児用の様々な玩具のための汎用台紙が用意され、それらに適当にホチキス留めされて、

駄菓子屋の壁などに貼られていたものと思われる。

注目すべきは全てのパチモンが、純正と合体できるということである。

明治合体チョコは先端部のボールジョイントと後尾の凹部、上面の突起と下面の凹部で繋げることが出来る。

パチモンの方が若干小さいが、全てのジョイント部は有効に機能する。

これは明治製菓というメジャー企業の商品と、多分無断で互換性を持たせてしまったことを意味し、

意匠権・著作権でガチガチになっている今では、なかなか考えづらいことである。

合体チョコボールの「売り」が合体であったこと、更に超合金やその普及に一役も二役も買った合体巨大ロボットアニメの影響。

また、集めることによる大量購入の促進といった色々な要因が、この緩い共通化を生んだものと考える。

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この共通性が一層際立って見られるのが、ピコタンの各種パチモンである。

純正の前期後期はもちろん、顔あり13種、顔なし9種の計22種類ものパチモンが、

加工の精度によって多少の不具合があるとはいえ、合体させることが出来る。

現在の精巧な食玩と違って、ピコタン等のひとつ一つそれ自体は非常にチープな玩具である。

しかし、多くのジョイント部を駆使し合体させることで、ロボットになり、飛行機になり、無限の遊び方が出来る。

流通量の少ない高価な純正を補い、遊び方を拡大するためには、これらの大量のパチモンが必要とされていたということができる。

さらにピコタンは、2パーツ化した「ポコタン小型」、「おはよう!ポコタン」、「ロボくんブロック」、「ロボくんブロック改(仮名)」の系列と

膨らんだ胴体とピエロの顔を持つ、「ピエロ大型」、「ピンキーブロック」、ピンキーブロック同形の「ピエロA型」の系統がある。

また、ピコタン型ではあるが、大型の「ジャボタン」、中空大型、ガチャ売りと思われる小型のピコタン(パチモン顔ありC2型)もある。

これらは、拳の大きさで、ジャボタン・ロボくんブロック級の5mm、ポコタン・ピンキーブロック級の4mm、

一般的ピコタンのサイズである2mm、小型ピコタンの1mm半の4クラスに分けることが出来る。

1:純正後期

2:純正前期

3:パチモンピコタン各種

4:小型パチモン(顔ありC2型)

5:大型中空

6:ジャボタン

7:ポコタン小型

8:おはよう!ポコタン

9:ロボくんブロック

10:ロボくんブロック改

11:ピエロ小型

12:ピンキーブロック

13:ピエロA型

14:ピエロ大型

その後の研究の結果、ピコタン型人形ブロックの発生に関しては

新しい発見が多くなされた。

詳細は「徹底解明!ピコタンのできるまで

徹底解明!ピコタンのできるまでpart.2

徹底解明!ピコタンのできるまでpart.3」を参照されたい。

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明治合体チョコボール以降、各社のオマケは他パーツ化、可動ギミック等が盛り込まれ、

多くの巨大合体ロボや戦隊ヒーローモのに影響されて精巧なものになっていった。

その流れの中で、駄玩具も一層アニメを意識したものになっていったと考えられる。

最近になって入手したものだが、「合体基地」同様にイラスト入り台紙に12袋がホチキス留めされている。

タイトルは「合身戦隊 ミニ合体ロボット」になっている。ルビはない代りに「ガッシンあそび」の文字がある。

ジョイント部はただの棒状で、円形の穴にはめるようになっている。大型ロボット一個に小7個がタグ付き袋入りになっている。

メーカー名は「マルカ」。検索したら玩具メーカーがヒットした。このメーカーが作ったかは未確認である。

ネットでしたべた結果、このロボットは、「合身戦隊 メカンダーロボ」(1977.3.3-1977.12.29)であることがわかった。

番組の内容についてはわからないが、イラストにあるような戦闘機があったものらしい。

タイトルの「合身戦隊」は、番組タイトル丸パクリであったわけである。

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これと同じジョイント部を持った、「UFO戦士 ダイアポロン」(1976.4.6-1976.9.28)の駄玩具をがあった。

これは最近になって某クションで入手したものであるが、当時、やはりこのダグ付き袋りのものを買った覚えがある。

先のメカンダーロボと同じような大きさのロボットもあり、戦闘機が3種類あった。

このサンプルは大小各一個ずつしか入っていないが、タグのホチキス跡から見ると、小さいのを抜いている可能性があり、

当時の入り数は不明とせざるを得ない。

しかし、記憶ではやはり一袋50円で、大きいもの1個小さいもの3〜5個で一袋と、

小さいものだけで10数個入っているものがあったように覚えている。

タグ裏面

タグの裏にも表にも合身(ガッシン)の文字がある。

放送時期はダイアポロンの方が先のようであるが、ダイアポロンのなかで合身というワードが使われていたかどうかは不明だが、

使われていないとすると、先のメカンダーロボの駄玩具のシリーズとして、放送時期の近いダイアポロンを作ったと考えることも出来る。

さらにゴム素材で同じジョイント部を持ったタグ付き袋入り駄玩具も同時期に買った記憶がある。

これはもっとラフな造形で、何かしらのアニメのキャラを模したものだったと思う。

ピコタンや、明治合体チョコボールといった、ジョイント部に特長がある大手メーカーの商品が無くなったとき、

簡単な棒ジョイントを持ち、タイトルも形状もアニメから多大な影響を受けた駄玩具が出来てきたものと思われる。

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この方向性の流れに属するものと思われるが、駄玩具の中でも多パーツ化が起こったことを示す例を次にあげる。

タイトルは「合体(ドッキング) ジェットイーグル」。STマークがあり、メーカーロゴは「○に早」とある。

イラスト入り台紙には、小台紙にホチキス留めされたブリスターに本体と8個のパーツ、ビニール袋入りのジョイント棒4本が入っている。

小台紙が15cm×19.5cmと大きいので、台紙は細長く6個がついている。

本体部分の左右にエンジンポッド付きの翼がついているが、これをホバーやキャタピラに交換したり、

機首部の交換パーツを付け替えたりして、さまざまに組み替える。「いろいろくふうして合体ごっこして遊びましょう」とある。

黄色地にスミで上面図を入れるデザインは、「スリーウォーズ」に似るが、メーカーの違うと思われる「ミニUFO合体消しゴム」にも

見られるので、この部分のデザインでメーカーを区別することは難しいのかも知れない。

プラスチック製とはいえ、超合金の小さなもの位の大きさがあるので、それなりに超合金の代りに使われたのかも知れない。

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明治製菓の「ピコタン」や「明治合体チョコボール」は、ジョイント部に特長を持っており、

それと互換性を持たせることによって、パチモンは純正を数量的に補完する役割を果たしたものと思われる。

その後、大手メーカーがスナック菓子に力を入れ、オマケもシールや、他パーツ化して高い製造技術を必要とするようになると、

駄玩具は、当時流行っていた巨大ロボットものから直接的は影響を受けたものや、

限られたレベルの中で技術の他パーツ化する方向になっていたと考えられる。

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駄玩具を研究した出版物もなく、メーカーを特定することすらできないものも多いが、

多くの駄玩具を比較検討し考察していくことで、著作権・意匠権の縛りが緩い中で駄玩具業者が

一流メーカーが押さえた菓子屋というマーケットに入れないなかで駄菓子屋という間隙的ステージで工夫していた姿を想像してみることが

駄玩具の楽しみ方の一つであると考える。

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