附)ピコタン図鑑(パチモン顔あり一覧1)

ピコタンは当時かなり流行したらしく、多くのパチモンが作られた。純製の顔を真似たり、独自の顔を作ったりした、様々な種類が確認される。最近駄菓子屋のデッドストックを入手する機会に恵まれ、袋入りの状態のサンプルも見ることができた。駄菓子屋ではピコタンの名前ではなく、「ブロックマン」や「人形ブロック」という様な名前がついていたことがわかった。

以下に顔のあるタイプのパチモンを紹介する。

パチモン顔ありA1:純製後期と近いプロポーションだが、少し腰部がしっかりしている。顔は純製の「吊りズボンでか鼻」、「真珠のネックレスに近い女性」の2種類がある。純製との大きな違いは、表面のストライプが、純製の左上から右下ではなく、右上から左下に流れていることである。袋入りの状態を入手したが、緑・青・ピンク・黄色・赤の各色4個、「吊りズボンでか鼻」、「真珠のネックレスに近い女性」の2種類・20個が入っていて、商品名のタグは無かった。また、ぜんまい太郎氏から、各色が一個ずつ5個入った袋入りのものを提供された。個数からいって大きめなガチャガチャのハズレだったのではないかと思われる。また、注射器に封入されたものも見つかり、さまざまな販売形態で便利に使われたパチモンであることがわかる。後に他の種類のパチモンと一緒に入手した中に、オレンジが見つかった。(右上から左下にストライプのある別種が発見されたことからA型からA1型に呼称を変更した)

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(左から純正後期、顔ありA1型、顔ありA2型2色)

パチモン顔ありA2:表面の斜線が純正と違って、右上から左下に流れているものをA型としていたが、プロポーションや斜線の角度が違うことから別種とした。色は青と赤の2色、「星のペンダント」、「拳銃を腰に挿した野球帽」の2種が見つかっている。注射器の駄玩具に、顔ありD型と一緒に封入されているのが見つかっている。パチモンの中でもっとも純正のデザインに近い。某クションでこのA2型が53個まとめて入手されたが、顔の種類は2種類のみであることが確認された。色は緑、青、黄色、ピンク、赤の5色であった。まとまった数が得られたため、A1型に比べて硬質な素材で、腰回りの膨らみが少ないことが、このA2型の特徴であることが確認された。コロナ明けのフリマで、顔ありB型と一緒に詰められた、「手芸用リング」という商品名のタグ付き袋入りが見つかった。

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パチモン顔ありB:割りと造形がラフでバリが多い。表面は一面の突起が作られている。顔は「怪獣被り物」、「おじいさん」、「学生服」、「潜水服」、「ズボン吊りブタ鼻」の5種類がかなりラフに真似されている。「ズボン吊りブタ鼻」が、顔だけのものとズボン吊りまでが再現されたもの2種がある。「潜水服」のベルトの線の数や、「怪獣被り物」のからだのドットの位置など、数種類の亜種があることがわかっている。袋に入ったままのデッドストック品を入手したが、各色4個ずつ入っており、タグには「人形ブロック」と印刷されている。光沢のある青と赤が見つかり、緑・青・光沢のある青・白・黄色・オレンジ・赤の7色がある。コロナ明けのフリマで、顔ありA2型と一緒に詰められた、「手芸用リング」という商品名のタグ付き袋入りが見つかった。

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パチモン顔ありC:サイズ的には顔無しAと同じ位の大きさで比較的しっかりとした造形である。顔は「スマイル」、「二重目スマイル」、「怒り顔」、「泣き顔」、「帽子」、「真ん中分け」、「七三分け」、「おかっぱ」の8種類がある。顔だけで、腹部に3本の縦線がある。足の湯抜き穴が大きいものと小さいものの2種類がある。人間ブロックという商品名のケース入りを入手したが、これには72個も入っていたことから、駄菓子屋ではなく玩具屋や観光地のお土産屋で売られていた可能性が高い。また、台紙貼り、タグ付き袋入りのものが「人間ブロック」という名称で見つかっている。

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パチモン顔ありC2突起付き:マルコー産業の「メリーゴーランド」に付属するC型の派生種である。台座に9個の歯車が付いており、歯車には1個の穴がある。足に追加された突起を穴に差し込み、歯車を回転することでパチピコが踊る様に回転する。パッケージには5色が2個ずつの計10個がブリスターパックに入れられている。色は6色、顔は「スマイル」、「二重目スマイル」、「怒り顔」、「泣き顔」の4種類が確認されている。

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パチモン顔ありC2:極端に小さいサイズのパチモン。純製と比較してもわかる通り全長が6割にも満たない。5種、5色が見つかった。顔はパチモンC型をもとに作られたと思われ、非常によく似ている。「泣き顔」、「帽子をかぶった丸眼鏡」、「怒り顔」、「スマイル」、「二重目スマイル」があり、目がC型は点、C2型は○である違いはあるが、殆ど同じ。プロポーションもC型に大変良く似ている。最近になって一度に40個入手したので、袋入りなどの販売形態があったことも考えられる。当時このパチモンを入手した方の情報によると、ガチャガチャのカプセルに数個が入っていたということだったが実際にカプセルに8〜9個が入ったものを発見した。サイズ的にもガチャガチャ用にリサイズされた可能性がある。

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(左から純正、ポーズブロックマン、ポコタン、ポーズブロック、マンガ人形ブロック)

2パーツパチモンタイプ:腰部にボールジョイントがあり、上半身と下半身の2パーツからなる、非常に特徴的な形状を持つパチモンである。ポコタンポーズブロックロボくんブロックの名でも売られていた)とは形状が大変似ており同一メーカーの製品と思われる。マンガ人形ブロックは、扁平な頭部にアニメキャラのシールを貼ってあり、胴体部が肉抜きされているなど、形状に違いが在り、メーカ−がちがうことがデッドストックの発見からわかった。ポーズブロックマンは比較的ラフな造形なので、ポコタンをもとに作られたパチモンの可能性がある。2パーツで可動することに関する意匠権は、ロボくんブロックを作ったメーカーに在ることが分かっている。

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