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駄玩具の派生学的考察

パチモンピコタン新種発見

オークションで、デッドストックの袋入りパチモンピコタンが出てきた。

出品説明の写真を見たかぎりでは

パチモン顔アリのページでも紹介したが、ピエロ型と命名した少し大型のパチモンに似ていた。

ピエロ型は最近になって先輩から貰ったもので、どのように入手したか不明だそうで、

駄菓子屋モノかどうかもわからない。

店売りの袋入りの状態が判ればと思って入手したが、開けてびっくり!

サイズの違う別のものであった。

デッドストックということで、タグのパンチ穴も開いてなかった。

これは店頭の梁に付けた鉤に吊るして一袋単位で売っていたことが判る。

タグは「SAFETY TOY」と書いてあり、

この手の売り方をする玩具に共通に使える汎用的なものの様である。

内容は緑、青、ピンク、黄色、赤の5色が各4個ずつ。それに赤と白の台が各1個。

この台に差し込んで立たせるようにする。

顔は前後に同じピエロの絵がある。

前面は材料節減のためか、成型時の変形を少なくするためか、肉抜きされている。

手足には穴が有り、ここに糸を通して遊び方に工夫ができそうである。

胴体中央部の穴は省略されている。

(左から)今回発見のピエロ大型、ピエロ型、純製

大きさはピエロ型よりも1.5倍ほどで、純製の倍の高さがある。

ピエロ型は団子鼻や、左右デザインの違う服、首や足の飾りの襞を模した模様など、

かなりピエロの服に合わせた絵柄になっているが、今回の大型は

ピエロ型をもとにかなり簡略化されたデザインになっている。

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ピコタンは、純製の2タイプのほかにも、顔アリ、顔無しの多くのバリエーションが確認されているが、

下図の様に色々な派生型が確認されている。

ネット上の書込みには、「先にピコタン型の駄玩具があってそれを製菓会社がオマケに

採用したのが最初である」という主旨の説もあるが、これは非常に少なく、

殆どが菓子のオマケと、それのパチモンという認識で集められ遊ばれていたことがわかる。

販売方法は駄菓子屋や玩具屋が主で、ガチャガチャでも売られていた可能性がある。

(※2パーツ化の意匠権はポコタン型大を作った会社が持っていたことがわかった)

まとめてみると以下の様になる。

ピコタン純製 明治製菓のチョコレートのオマケ
パチモンピコタン タグ付き袋入り。台紙にホチキスどめ。ガチャガチャで売られていた可能性あり。沢山の種類がある。
パチモン小 不明。サイズからガチャガチャの可能性が高い。
パチモン大 不明。クジの当たりとして引き換えに貰えたという説がある。合体基地の場合のように、タグ付き袋入りに大一個と普通サイズ数個で一袋になっていた可能性もある。
ピエロ型 不明。サイズからタグ付き袋入りの可能性がある。(その後、台紙付き袋入りであったと思われるものが発見された)
ピエロ型大 タグの穴からタグ付き鉤にかける袋入りと思われる。
ポコタン型 タグの穴からタグ付き鉤にかける袋入りと思われる。
ポコタン型大 ビニールのチャック付き袋入りの記憶がある。駅売店で御土産として売られていた。(※その後タグ付き袋入りや、台紙にブリスター付きのモノなどが発見された)
ポコタン型大B 不明。多数を同時に入手したことからビニールのチャック付き袋入りであった可能性がある。
ポコタン型小 不明。分解すれば20円ガチャカプセルにも入る可能性はある。

ポコタン型は顔が一種類しかないが、ポコタン大型は数種類の顔のバリエーションがあり、

同時期か、あるいは、ポコタン型のほうが後に作られた可能性が高い。

ピエロ型については、今回の大型のほうが模様の簡略化から見て後に作られたと考えられる。

パチモンについては、どこで、どのように売られていたかは資料もなく、メーカーの特定も出来ない。

当時は意匠権、著作権等についても注意されず、様々な駄玩具業者が作っていたようで、

ピエロ型、ポコタン型といった、オリジナルデザインを離れ、一捻りした形態のものが、

更にサイズを変え、販売形態を変え、様々に流通していたことがうかがえる。

オークションを見ていると、これらの他にも形態の違うパチモンが存在するようで、

ピコタンの全貌を把握することはまだまだ難しいようである。

その後の研究の結果、ピコタン型人形ブロックの発生に関しては

純正ピコタンから他の型が派生的に進化したのではないことがわかった。

詳細は「徹底解明!ピコタンのできるまで」を参照されたい。

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