.

台紙モノさまざま

合体基地別バージョン

子供の頃、50円は大金だった。

ピコタンのパチモンも、明治合体チョコのパチモンも、

駄菓子屋で袋入りで10数個入って50円だった。

1シートに12袋。今考えたら、たった600円の金がなくて、シート買いなんかできなかった・・・。

.

某クションで以前、明治合体チョコのパチモン「合体基地」のシートを発見した。

当時、50円玉を手に一袋ずつ中身を確かめながら買ったものと全く同じだった。

..

今回、発見したのは、この「合体基地」の別バージョンである。

ボール紙にカラー印刷された台紙に大1個・小7個が入っている。

上のタグつきビニール袋入りの場合は、大1個に小3個で50円だったことから、今回のモノは100円以上の値段だったものと思われる。

今回入手したのは6パックだが、この手のモノは1ダースが単位の様であるので、上半分は売りきれたものとも考えられる。

ただ、6パックがホチキス留めされた下の台紙は、

「(上部欠)ーカー」「回転すると画面がかわる?」・「7面にスライドするナンバーセブン」等の

コピーが印刷されているため、他の玩具の台紙を流用した可能性もある。

この台紙には製造会社と思われる「マルコー産業K・K」の文字とロゴが刷られている。

この台紙の上部に丸い穴が開いているのは、玩具屋や土産屋でフックに引っ掛けて吊るすこともあったと思われる。

「合体基地」という名前のほかには、「2−B」、「いろいろな合体ができるよ!」といった文字と、STマーク。

それに右下にロゴマークがある。下の台紙と同じマルコー産業のロゴマークがある。

.

イラストはクレーターだらけの星の上空で大型空母から艦載機が発進しているところである。

バックになぜか敵役っぽい角の生えたロボットの顔が書いてある。

右下にロボットモノのアニメに出てきそうな宇宙服を着た人物が書いてある。

この配置で思い出すのはガンダムなどのプラモで、登場人物の専用機の場合、人物イラストがこの位置に入ることが多かった。

以前の合体基地の台紙のイラストに比べ、アニメ調の画風がより濃くでているので、こちらの方が新しいのではないかと思われる。

左下に降下中の飛行機の塗装は、ウルトラマンなどの特撮実写に近い特徴を持つ。

大型母艦はマジンガーZ以降の大型ロボットヒーローモノに出てきそうなデザインになっている。

.

カラーバリエーションは、小は緑・青・ピンク・白・黄色・赤の6種類で、大は金色と青である。

以前の合体基地に銀の小があったこと、金銀以外の色の大があったことから、

金の小や、青以外にも他の色の大型の存在が考えられる。

青は当時買ったものや、この前の合体基地に入っているものよりも色が濃い。

左が今回の入手品

(右の銀色のものは持っていたもの、左のは後にタグ付き袋入りで発見されたもの)

.

なお、この大型は純正にはない独自のもので、インターネット等で調べてみたところ、

双胴の母艦は鋼鉄ジーグのビッグシューターに、

大型円盤はUFOロボ グレンダイザーのスぺーザーに酷似していることが判明した。

しかし、大きさにしても、多くの接合部を効率的に配置してあることにしても、

非常によく出来た造形で、大型母艦としての機能を十分に果たした優れたデザインである。

高価な超合金や組立のムズカシイプラモデルなどが手に入れられない駄菓子屋小僧連が

宇宙戦争ごっこをするのに最適な駄玩具であった。

.

同じタグ付きの袋入りで、大型の色違いを発見した。

イラストバージョンの青よりも若干薄いがほとんど同色である。

このバラで入手した袋入りのタグを良く見て新しい発見があった。

裏面に「あそびかた」のイラストがあることに気が付いたのであるが、

それに描かれていたものに注目した。

タグ裏面

このイラストのロボットは、真っすぐ延ばした腕と頭部後方の羽根状の突起から空挺型と分類したものであることがわかる。

空挺型は、純正とこのパチモンA型に見られるものである。

空挺1型(純製前・中期)
落下傘バンドが太く、胴体後部にも続いている

空挺2型(純製前・中期)
胴体に落下傘バンドの様な線がある

空挺3型(パチモンA型)
純製1型のコピーで、若干小さい

空挺4型(パチモンA型)
純製2型のコピーで、若干小さい

しかし、一緒に描かれた戦闘機は、樽型の胴体と翼の形状から、純正にはあるが、A型にはない軽戦闘機であることがわかった。

軽戦闘機1型(前・中期)
大きな補助翼を持ち格闘戦性能の高い戦闘機

軽戦闘機2型(前・中期)
1型に似るが機首前面のラインの幅が狭い

軽戦闘機3型(パチモンC型)
主翼の形を変更し翼端に対空ミサイルを装備している

このことは、マルコー産業が合体基地を作るにあたり、純正を非常に強く意識してコピーしたことを示す。

この戦闘機はパチモンC型(メーカー名不明)にも似たモノがあるが、このことは、それぞれの駄玩具メーカーが、

純正を元に別個に同時進行的にパチモンを作っていった事を示すものであると考えてよいであろう。

※マルコー産業について

台紙に印刷されていた「マルコー産業」を検索したところ、ジャンピングトーイという、吸盤とバネを使った教材用玩具を扱っている企業がヒットした。

とりあえず電話してみたところ、以前は駄菓子屋向けのプラスチック玩具の製造をしていたが、現在はやっていなく、当時の型も全て廃棄したということで、あった。

一切の内容の無断転載、流用を禁止する。

戻る