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見れば見るほど

人間ブロック

ピコタンには多くのパチモンがあり、駄菓子屋でのタグつき袋入りや、ガチャガチャなどで販売されていた。

今回、玩具屋売りされていたことの証拠とも言えるモノを御提供いただいた。

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3ピースに別れた透明な林檎型をしたケースに、パチモンピコタンの顔ありC型が72個も入っている。

駄菓子屋で売られていた袋入りは多くの場合20個入りなのでその3倍以上の数が入っている。

このことから単純計算しても売価は200円以上、ケースの値段を考えると300〜500円はしたと思われる。

この価格は子供のお小遣いで賄える金額ではないので、玩具屋か、観光地等の土産物屋で売られていたと予想される。

商品名は「人間ブロック」。

ケースの中蓋には「いろいろな形につないであそびましょう」と書かれていて、

その左右には横につないだり縦につないだりしたピコタンが描かれている。

以前、駄菓子屋売りのデッドストックで入手した「人形ブロック」にも同様なイラストがついている。

極端に寸詰まりで手が水平になっていて非常に似ている。人形ブロックの方は胴体の穴が一個であるが胴体部分の

デザインは正確に写してある。「ブロックマン」というパチモンも存在しており、

どのパチモンが先かを判断することは出来ないが、

命名にしても、イラストにしても、ある程度の共通点を見いだすことができ、

多くの業者が互いに影響しあい多種のパチモンを作ったことが想像される。

顔の種類は「帽子」、「真ん中分け」、「七三分け」、「おかっぱ」の4種でカラーバリエーションは6色。

赤とピンクは少し色の薄いものもある。黄色は純正と同じくらい濃い色であった。

パチモン顔ありC型には他に「スマイル」、「二重目スマイル」、「怒り顔」、「泣き顔」の4種があるが、

「人間ブロック」には入っていなかった。

今回、顔無しパチモンを2個一緒に譲っていただいたのだが、このパチモンを仔細に検討したところ新たな発見があった。

左からパチモン顔無しA、今回の顔無し、パチモン顔アリC、「人間ブロック」

今回の顔無しは、形状はパチモン顔なしAと殆ど同じだが、色は「人間ブロック」のものと同じであった。

パチモン顔なしAは色が違うが、湯抜き穴の場所から型は同じであると思われる。

パチモン顔ありCは表の湯抜き穴の位置がパチモン顔なしAと同じであるが、裏面に顔がある。

「人形ブロック」は材料の色こそ今回の顔無しと一緒だが、足の湯抜き穴の位置が下がっていて小さく、

頭の湯抜きも首まで下がっている。

パチモン顔無しA 今回の顔無し

パチモン顔アリC

「人間ブロック」

材質の色 濃い青 若干薄い青
足の湯抜き穴 小・下
頭の湯抜き穴 口の辺 口の辺 口の辺 喉の辺
なし なし あり あり

ここで、今迄あったパチモン顔無しAとパチモン顔アリCを全数当たってみたところ、下記のことがわかった。

1、パチモン顔無しAにも、足の湯抜き穴が小・下、頭の湯抜き穴が喉の辺のものがある。

今回の顔無しはパチモン顔無しAの色違いと考えられる。

2、パチモン顔アリCにも、足の湯抜き穴が小・下、頭の湯抜き穴が喉の辺のものがあり、

このタイプは8種類の顔、全てが見られた。

足の湯抜き穴が大、頭の湯抜き穴が口の辺のものは

「スマイル」、「二重目スマイル」、「怒り顔」、「泣き顔」の4種しかない。

人間ブロックに入っていたものは、全てが足の湯抜き穴が小・下、頭の湯抜き穴が喉の辺のものであった。

つまり、パチモン顔無しAとパチモン顔アリCはそれぞれに、湯抜きの位置が違う2パターンがあり、

パチモン顔アリCは、足の湯抜き穴が小・下、頭の湯抜き穴が喉の辺のものの方が顔の種類が多く、

新しい顔が追加されたものと考えられる。「人間ブロック」はその後期の追加分のみで構成されていると考えられる。

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どちらが後か先かは、これだけの資料では断定できないが、良く見直してみるとまだまだ新しい発見が

見つかる可能性があることがわかった。

今回の発見も新しいサンプルを提供していただいたことによって可能になったことで、

御提供いただいたぜんまい太郎氏にあらためて感謝する次第である。

その後の研究の結果、ピコタン型人形ブロックの発生に関しては

純正ピコタンから他の型が派生的に進化し他のではないことがわかった。

詳細は「徹底解明!ピコタンのできるまで」を参照されたい。

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このパチモン顔アリC型には、小さいサイズのものが見つかっており、これを顔アリC-2型と命名した。

顔は「泣き顔」、「帽子をかぶった丸眼鏡」、「怒り顔」、「スマイル」、「二重目スマイル」の5種が見つかった。

他のパチモンと一緒に少数が見つかっていたが、某クションで一度に40個がまとまって発見されたことがあるので、

袋入りやケース入りの形で売られていたと思われる。

ガチャのカプセルに入っているものも見つかった。

半分が透明で半分が柔らかいプラスチックの古いタイプのガチャのカプセルに、9個の顔アリC-2型が入っていた。

カプセルには50の刻印があり、直径がやや大きいようなので、20円ガチャではなく、

50円の設定のものだったかも知れない。

中には9個が入っていたがデッドストックだッた確証がないため、入数は確定できない。

ただ、このサイズのカプセルに9個前後が入れられていた可能性を示すものと考えた方がよいと思われる。

中身は泣き顔以外の4種があった。

たこちゅうにしろ、ピコタンにしろ、ガチャでパチモンが売られていた記憶は有るが、

実際にガチャのカプセルに入っていたサンプルは貴重といえる。

カプセル入りのC−2型がまた発見された。

中身は黄色5個、青3個の計8個で、前回見つかったものより少ない。

これは、入り数にばらつきがあったのか、保存されている間に無くなったものかはわからない。

カプセルは細身の20円で売られていたタイプのようである。

顔は「泣き顔」、「帽子をかぶった丸眼鏡」、「怒り顔」、「スマイル」の4種であった。

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ま、見つけましたので、一応お知らせしておきます。

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