附)明治合体チョコボール軍装備識別図説
タコチュウにとって明治合体チョコボール軍は情報が少なく、その識別のために各種の識別資料を作成していた。この度、その識別資料をここに公開して敵機識別の参考に供するものである。
明治合体チョコボールは、明治製菓のピーナッツチョコボールで、当時60円。箱の大きさは森永のチョコボールの箱と同大か少し大きかった様に思われる。オマケは一箱に一個入っていた。頭の球形ジョイントとその受け部、また上下に合体用の凹凸をもつのが特徴になっている。(一部上下の凹凸がないもの、球形ジョイントのみの人形タイプもあった)
明治合体チョコボールは、ピコタン同様、発売時期によって前期(・中期)・後期・最晩期に分類することが出来る。前期はパチモンの見本とされた最もオーソドックスなシリーズで、24種類がある。この前期シリーズの中でも、顔の表情が違ったり、機体のパネルラインが違うものが見られる。これを前期のバリエーションと考えるか、中期のシリーズと分類するかは、専門家の間でも今だに意見の分かれるところである。また、最近の研究ではじめて前期と中期と見られる違いが確認されたものも多く、どちらが前期か中期かわからないものも多い。
※明治製菓の「きのこの山」の発売30周年記念ページに、合体チョコボールが1975年に発売され、新発売時のおまけの種類が24種であったことが明らかにされた。(トピックス「明治合体チョコボールは30歳!」参照)
その後、後期版として新しいデザインが10数種類追加された。この中には上部の突起がなかったり、デザインを重視するために上下の凹凸が省略されたりしたものが見られる。後期と中期はその出現時期がかなり重複していたように思われる。
最晩期は球形ジョイントが頭に付いた、リアルな人形タイプのオマケがラインナップに加わり、その人形タイプの足にある小さな突起を差し込むための穴をもつのが特徴である。この人形タイプは自立させることが出来ず、普通のオマケ同様に一箱に一個だったので、はっきり言ってハズレ感が強く、60円でハズレをつかまされるよりは、50円で10数個入っているパチモンで数を揃えることを目指したため、残っている数は少ない。
前期と中期と思われる2つのパターン
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操縦席の形状と車体後部の線の間隔の違い |
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操縦席の形状の違い |
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後部の角状突起の有無 |
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顔の表情 |
カラーバリエーションは、水色・緑・黄色・オレンジ・赤の5種類で、材質は純製ピコタンと殆ど同じと思われる。
純製カラーバリエーション
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純製のカラーバリエーションは上記の5色で、
色調のブレはほとんど見られなかった。
これは、薄いオレンジや緑、濃い青等があったピコタンとの違いとして指摘している。
しかし、某クションで前期〜最晩期までのまとまった数のサンプルを入手した際、
薄い黄色の後期の装甲車が見つかった。
左上がピコタンの薄黄色、
左下が薄い黄色の合体チョコボール
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ピコタンのバリエーション程ハッキリとした差異は見られないが、
他のモノに比べて明らかに色が薄い。
後期のモノは保存状態が良いものが多いことももあり、比較的鮮やかなものが多いが、
これ程の明確な差異のあるものは珍しい。
これが、色材の配合に拠るばらつきなのか、基本の5色以外にもあるのかはわからない。
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<パチモン各種解説>
この手のオマケは駄菓子屋売りのパチモンが作られたが、明治合体チョコボールのオマケも、「ドッキングステーション」や「合体基地」と言う名前で数種類のパチモンの存在が知られている。どれも前期(・中期)の純製を模して作られている。以下、パチモン各種の特徴を紹介する。
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パチモンA型:「合体基地」の名前で売られていた駄菓子屋系パチモンで、前期(・中期)型の忠実なコピーになっている。飛行機の羽根に小さな突起を付け足したりしているが、最も純製のデザインに似ているパチモンである。これはタグ付き15個入り(大サイズ入りの時は3個)が12袋、大台紙に付いていた。先日入手した台紙付きは、小15個入り袋が4つ、大1個・小3個入りの袋が8つ付いていたが、12袋がすべて小15個入りの台紙もあったと記憶する。カラーバリエーションは緑・青・黄色・赤・白・銀色の6種(大は銀色のみ)だった。16種類ある。その後同じ「合体基地」の名前で、大1個と小7個が入ったブリスターパックをかぶせた台紙つきを発見した。台紙にはマルコー産業のロゴが描かれている。カラーバリエーションは緑・青・黄色・赤・白・ピンクの6種で、大には金色と青の2種類があった。タグ付き袋入りでは、赤と青の大が入っているものも見つかった。ブリスターパックに入った青よりも若干色が薄く、小の青よりは水色味が強いが、これも原料の調合の微妙な誤差と考えていいように思う。大型のプラスチックケースに、大2個、小40個入りの「UFO基地合体セット」という商品名のセットも見つかった。
タグの裏面のあそびかたには、パチモンA型にはない、純正の戦闘機の絵が描かれており、純正の影響が非常に濃いことがわかる。
タグの裏面
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パチモンA型カラーバリエーション
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パチモンA型別タイプカラーバリエーション
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パチモンA型大のカラーバリエーション
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純製 |
パチモンA型 |
パチモンB型 |
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風防が半球形で大きい |
翼前縁に機銃を持つ |
風防が細長く垂直尾翼が簡素化されている |
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全高が高い |
円窓の後に突起がある |
船体が薄くなり円窓と突起が低い |
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パチモンA-2型:某クションのゴム素材でできたでA型が発見された。機首・翼前縁の突起があり、A型の特徴を表している。
戦闘機2種、緑とピンクのクリア素材が使われている。大きさは硬質タイプとほぼ等しく同じ型で作られたと見られる。
パチモンA-2型タイプカラーバリエーション
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パチモンB型:タグの名前は忘れてしまったが、A型同様に駄菓子屋で大台紙にタグ付き袋入りをホチキス留めして売っていた。純製前期(・中期)を模していたが、A型にあった羽根の突起などがそのままコピーされているため、A型の簡略タイプと見られる。カラーバリエーションは黄緑・クリア緑・青・黄色・赤の種で、10種類あった。
パチモンB型カラーバリエーション
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パチモンC型:最近になってオマケを集めている人から交換でもらったパチモンで、純製前期(・中期)を模している。パチモンA型には無かった種類を真似しているものもあり、造形はラフで、かなり改変が為されている。例えば純製の6輪装甲車は左右の中間車輪が廃され4輪に簡易化されていたり、飛行機の翼下面に鋲打ちを示す小さな突起が多数あったりする。カラーバリエーションは緑・青・黄色・赤・白・ピンクの6色で独特の鈍い光沢のある素材を使っている。プラスチックケース入り40個セットの「宇宙のなぞ?合体ブロック」という商品名で、お土産屋で売られていたと思われるものも発見された。20種類が見つかっている。
パチモンC型カラーバリエーション
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パチモンC-2型:某クションで、前記のC型の型を使い、ゴム素材で作られたものを台紙付きで入手した。商品名は「ミニUFO 遭遇消しゴム」である。形はC型と全く同じだが、スーパーカー消しゴムに使われたような、字を消すことには全く使えないゴムを使っている。カラーバリエーションは緑・青・黄色・赤・黒・ピンクの6色である。20種類が見つかっている。
パチモンC-2型カラーバリエーション
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パチモンD型:パチモンC型に似た素材で、デザインも非常に似ている。最近になって入手した、「ドッキングステーション」と言うシリーズ(パチモンE型)と、かなり共通するデザインがある。「合体基地ブロック」という商品名で、台紙貼りタグ付き小袋入りの完品を入手したが、パチモンC型を元に作られたものである可能性が高いことがわかった。緑・青・黄・赤・白の5色、17種類が発見された。パチモンC型を元に独自解釈を追加してデザインされ、パチモンE型の手本になったと考えられる。小袋に付いたタグが、マルコー産業のA型に使われたものと同じイラストが使われており、このパチモンD型もマルコー産業で作られた可能性がでてきた。
パチモンD型カラーバリエーション
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パチモンD-2型:某クションで、D型のゴム素材で作られたものを入手した。形はD型と全く同じだが、C−2型と同じような、スーパーカー消しゴムに似たゴム素材を使っている。カラーバリエーションはC−2型と同じ緑・青・黄色・赤・黒・ピンクの6色である。9種類が見つかっている。ゴム素材が見つかり、カラーバリエーションも一緒だったことから、C型系とD型系の類似が一層目立ってきた。パッケージが見つかっていないので断定はできないが、C型とD型は同じ製造メーカーの製品であった可能性が指摘できると思われる。
パチモンD-2型カラーバリエーション
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純製、C型、D型、E型のデルタ翼の機体デザイン。
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パチモンC型 |
パチモンD型 |
パチモンE型 |
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風防が涙滴型になったが翼の後退角、機首のラインが2本なのが純製に似ている |
C型に似るが機首のラインが1本に減っている |
D型に似て機首のラインが1本だが、風防回りに鋲状の突起がある |
参考画像
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純製戦闘機
砲弾型の機体で側部から機首にラインが入っており、両翼にはミサイル状のドロップタンクと思われるポッドを持つ
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パチモンD-2型:某クションで、D型のゴム素材で作られたものを入手した。形はD型と全く同じだが、C−2型と同じような、スーパーカー消しゴムに似たゴム素材を使っている。カラーバリエーションはC−2型と同じ緑・青・黄色・赤・黒・ピンクの6色である。9種類が見つかっている。ゴム素材が見つかり、カラーバリエーションも一緒だったことから、C型系とD型系の類似が一層目立ってきた。パッケージが見つかっていないので断定はできないが、C型とD型は同じ製造メーカーの製品であった可能性が指摘できると思われる。
パチモンD-2型カラーバリエーション
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パチモンE型:最近になって駄菓子屋のデッドストックを発掘している人から譲り受けたもので、「ドッキングステーション」のタグが付いた袋入りで、14個入っていた。デザインはかなり独特でボールジョイントと上下の突起以外はかなり自由に独自の解釈を加えたものとなっている。細かい鋲状の突起が見られ、ほかのシリーズと区別できる。カラーバリエーションは緑・青・濃い青・ベージュ・ピンク・ライム・黄色・クリーム・白・赤の10種で、15種類がある。
パチモンE型カラーバリエーション
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パチモンF型:某クションで入手した「UFO宇宙セット」という射的セットに入ってた大型の円盤と双胴宇宙船で、マルコー産業のパチモンA型にある大型パチモンに似ている。台紙には藤田屋商店のロゴがあるのが確認されている。カラーバリエーションは白のみで、大型の2種類が確認されたが、純正と同じくらいのサイズのパチモンがあるかどうかは不明である。
パチモンF型カラーバリエーション
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不二家型:某クションで入手したオマケや駄玩具のセットに入っていた。不二家の刻印があり、明治合体チョコボールと同様の球状ジョイントを持っている。板状ジョイントがなく、代りに球状ジョイントと直径が同じ棒状ジョイントを持っているロボットが3種、自立しない恐竜戦車と球状ジョイントを左右に持つ宇宙船が見つかっている。色は赤と青、黄緑の3色が見つかっている。どのような商品に付けられたものかは不明である。
不二家の宇宙モノおまけ
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