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同型異素材の恐怖

ミニUFO 遭遇消しゴム

タコチュウにしても、ピコタンにしても、純製と呼ばれる、チョコのオマケだけでなく

駄菓子屋で様々なパチモンが売られていたことは繰り返し紹介した。

今回発見されたのは、同一の型を再利用したと思われる、違う素材を使ったパチモンである。

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このサイトを立ち上げてから、オモチャサイトをやっている人からいただいた、

C型と分類した明治合体チョコボールのパチモンがある。(参考:明治合体チョコボール軍装備識別図説

このC型の「掃射兵4型」は当時から持っていたが、C型と同じような特徴を持つD型のひとつと思っていた。

しかし、新たにC型と一緒にこの「掃射兵4型」を入手したこと、今回の台紙付きにも入っていたことから、

「掃射兵4型」はC型の一種であることを確信することが出来た。

D型の台紙付きを発見し、研究した結果、この当時から持っていたものはやはりD型で、

C型とD型の密接な関係性を表す証拠であることが後にわかった。

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タイトルはミニUFO 遭遇消しゴムで、台紙に12袋が付いている。一袋には、緑、青、黄、赤、黒、ピンク2個の

7つが入っている。種類は19種類。形はC型と全く同じ。

C型はいまのところ17種類が確認されているのであと2種類の存在が予想される。

これがタイトル部分のアップであるが、「未知との遭遇」からのパクリと思われる発光体の写真と、

アメリカの砂漠地帯と思われる岩山の写真、手前の照明に照らされた屋外の公園か室内の写真。

それから月の写真を合成したと思われる。

駄菓子屋モノのカードやブロマイドに良く見られるが、少年雑誌の挿絵や、各地の観光地の絵はがき等を

無断使用しているのを欲見掛けるが、これもその延長にあると思われる。

「1打付」の文字は1ダースを表すのであろう。

右下隅には3重丸の中にカタカナのイ(マルイ?)を書いたメーカー名が入っている。

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それぞれの袋には小さな台紙が入っていて、トップのタグはない。

ゴム素材のため、このような台紙がないと歪んでしまうため入れたモノと思われる。

この、ゴム素材であるが、消しゴムといっても鉛筆の線を消すことは出来ない。

スーパーカー消しゴムがはやると、消しゴム素材であること自体がセールスポイントのひとつとなり、

それまでプラスチックで作られていたこのパチモンも、改めて名称に「消しゴム」を入れて

再発売したモノではないかと想像できる。

怪獣消しゴム等のものよりも、曲げ弾性に優れ、かなり曲げても壊れなさそうである。

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どちらも右側がC型、左側がC-2型

形状は殆ど同じで、ライン等の微妙な曲りも同様で、同じ型を使用したことがわかる。

このゴム製のパチモンはC-2型と分類することにし、戦力増強に役立てることにする。

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駄玩具卸業者のデッドストックとして、このC型のプラケース入りセットを落札した。

中央に2枚の小型円盤と、カラーバリエーション6色、18種(2ケースで)、40個入りだった。

先に紹介したミニUFO 遭遇消しゴムが7個入りで、50円前後であったと思われる事から、

今回のプラケース入りは300円〜500円程度の価格設定がなされていたものと考えられる。

ケース中央の円盤が入っているところの底面には、ロゴマークが入っている。

これは、ミニUFO 遭遇消しゴムの台紙に見られたものと同じで、三重丸にカタカナのイの字がかかれている。

これによって、プラ素材のC型と、ゴム素材のC-2型が同じメーカーで造られたものであることが確認された。

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このC型の人面型宇宙船5型には、垂直尾翼の取り付け位置の違うバリエーションが確認されていたが、

今回、沢山のサンプルが入手できたのを機に再調査した結果、複数の種類でバリエーションが確認された。

人面型宇宙船5型

垂直尾翼の取付位置がちがう。

高速偵察機3型

右側の方が主翼が厚く、中翼になっている。

艦上戦闘機4型

左側の風防が若干左にオフセットしている。

爆撃機5型

機首と翼の鋲状突起の位置とフラップの幅がちがう。

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ざっと調べたところ、以上の機種で2種類のバリエーションが発見された。

現在、C-2型は20種、C型は18種が見つかっているが、

20種を一度に作る大きな型が2個あったか、20種を2個づつ40個を一度に作る型があった可能性がある。

C-2型にも両方の種類が見られることから、素材を変えながら、長期間使われた事が推測される。

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駄菓子屋売りの小袋入りと、お土産屋・玩具屋で売られていたと思われる40個入りセットが

両方見つかったことで、このC型というシリーズのパチモンも様々な販売方法があったことが確認できた。

駄玩具製造メーカーは同じ型を活用し、色々なターゲットに向けて多彩な販売形態を工夫したことが察せられる。

ぜんまいの自動車やキーホルダーとならんで、このケース入りパチモンが、

温泉街のお土産屋に並んでいた当時の光景を想像すると・・・、そんな時代もあったね、と、

しみじみ思うのである。

別にどうでもいいことですけどね。

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