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パチモンのパチモン?

ロボくんブロック”改”

明治製菓の「ピコタン」は、一時かなりの流行をみたようで、多種多様なパチモンが作られた。

その多くは純正品と繋げることが出来る大きさであり、形であった。

しかし、そのうちにガチャガチャ用と思われる小さなものや、お土産屋で売られたであろう大きなものも見られるようになった。

(ピコタンのパチモンについては「ピコタン大図鑑」を参照されたい。)

.さらに、腰の部分にボールジョイントを仕込んで2パーツ化し、動きを付けられるようになったパチモンが作られるに至った。

それが以前紹介したポコタンであり、ロボくんブロックであった。

その後の研究の結果、ピコタン型人形ブロックの発生に関しては

純正ピコタンから他の型が派生的に進化し他のではないことがわかった。

詳細は「徹底解明!ピコタンのできるまで」を参照されたい。

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今回、この2パーツパチモンの新種であり、ロボくんブロックのパチモンと思われるものを発見した。

使い込まれた駄菓子屋の陳列ケースのようなフタにガラスがはまっている木製のケースに入っていた。

色は、青、茶、赤、黄、緑の5色で、顔のキャラクターは9種類であった。

一見するとロボくんブロック(ポコタン型)と背格好が似ているが、

1、頭がポコタン型のように丸くなく円板状で、キャラクターシールが貼ってある。

2、胴体上部が肉抜きされていて、体の中心の穴を支柱で支持している。

3、足がポコタン型とちがって、前後両方に突起がでている。

と、いった違いが見られる。

右側が今回のパチポコタン型、左側はロボくんブロック

写真を見てわかることは、背の高さはほとんど変らないが、パチモンポコタン型のほうが足が長い。

頭はパチモンポコタン型のほうが円板状で大きく、頚の脇の凹部がなくなってしまっている。

これではピコタンやポコタンのように腕同士を組ませて環状に繋げることが出来ないということである。

以前より注目している拳の直径は、約5mmで、ポコタン型やピエロ大型と等しい。

腰のボールジョイントを被うスカート部が、ポコタン型のほうが下に広がっているが、

パチモンポコタン型のほうは広がっていない。

側面から見た場合、ポコタン型のほうが、パチモンポコタン型よりも倍近い厚みがある。

これは球状の頭部を持ったポコタン型のほうが、より本体と頭部の連結面を多く取らないと

合体・分離時の強度を保てないからではないかと思われる。

右側が今回のパチポコタン型、左側はロボくんブロック

足については前述の通り、ポコタン型は踵があり、ポコタンパチモン型のほうは突起が前後にでている。

ポコタンは踵があることにより重心が前方に移動してしまい、立たせるには若干前のめりにしなくてはならない。

それに比してパチモンポコタン型は重心が中心にあるため、垂直に直立させることが出来る。

ポコタン型には、尻部に穴があるが、パチモンポコタン型は、この穴が貫通している。

踵部の穴もポコタン型は貫通してないが、パチモンポコタン型は貫通している。

ポコタン型は体の中心の穴の直径が十分大きいので、足を刺すことが出来るが、

パチモンポコタン型は大きさが十分でないために刺すことが出来ない。

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次に、頭部に添付されているキャラクターのシールに注目してみる。

インターネットでそれぞれの番組の放送時期を調べてみた。

キャラクター名 放送時期
アルプスの少女ハイジ 1974(昭和49年)01.06〜1974(昭和49年)12.29
がんばれ!ロボコン 1974(昭和49年)10.04〜1977(昭和52年)03.25
ウルトラマンレオ 1974(昭和49年)04.12〜1975(昭和50年)03.28
仮面ライダー ストロンガー 1975(昭和50年)04.05〜1975(昭和50年)12.27
秘密戦隊 ゴレンジャー 1975(昭和50年)04.05〜1977(昭和52年)03.26
アクマイザー3 1975(昭和50年)10.07〜1976(昭和51年)06.29
巨人の星(?) 1968(昭和43年)03.30〜1971(昭和46年)09.18(再放送多数)
タイガーマスク(?) 1969(昭和44年)〜1971(昭和46年)(再放送多数)
怪人(?) 不明

このようにしてみると.正体不明の怪人を除外すると、巨人の星とタイガーマスクは放送されたのは早いが、

その後何度も再放送をされているため、我々の代でも夕方のアニメの時間に何度も見た記憶がある。

それ以外は昭和49年から50年にかけて放送されたもので占められていることが判る。

これはピコタンが流通したころで、当時の人気キャラクターを借用したものであると考えられる。

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このパチモンポコタンが入っていた箱には、インベーダー消しゴムが入っていた。

インベーダーゲームは1978年にでたので、時代的には少し後のものになる。

また、83年の記載のあるコカコーラのノベルティがあることから、70年代後半から80年代までのものが

前述の古い箱には入っていたことがわかる。

ロボくんブロックにもインベーダー消しゴムがついていた。

これは、インベーダーとピコタンがこの時代の流行の一面を伝えていることの証左であるといえる。

また、一歩進めて、前後に足の出っ張りのある直立しやすいパチモンポコタンは、

インベーダーのように、「的」の性格が強くなり、沢山居る敵を打ち倒していくという遊びが、流行ったものと考えられる。

これは、怪獣や怪人との一対一の戦いでなく、個対多数という戦い方が取り入れられていったことを現すものと思われる。

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昭和49年、50年のキャラのシールが貼ってあるパチモンポコタン型のほうが、

78年以降にできたインベーダー消しゴムと抱きあわされていたロボくんブロックを比較して、

パチモンポコタンのほうが古いのではないかという疑問があるかと思うが、

頚の穴が無くなっていること、体の中央の穴が小さく足が入らないこと等、

ピコタンの最大の特徴である合体性が強いほうが「オリジナルに近い」と考えられる。

そのため、時期的にダブっているとしても、ロボくんブロックよりもパチモンポコタンの方が

「オリジナルに遠い」、より、亜流なものであると考える。

この2パーツ人間型ブロックが、

マンガ人形ブロック」という駄玩具であることが判明した。

製作したのは、「ロボくんブロック」のマルコー産業ではなく、

ツヤマという玩具会社であることがパッケージからわかった。

詳細については、「マンガ人形ブロック・ロボットパズル」を

参照されたい。

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