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タコチュウに新サイズが!!

スペースインベーダー

1978年に登場した「スペースインベーダー」は大流行し、

どこの喫茶店にもこのゲーム機が置かれ、100円玉を積んだ兄ちゃんたちが背を丸めて高得点を競っていた。

当時、松山千春がこのゲームに嵌り、かなりの腕前であったとさだまさしが言っていた。

100円・・・。

小学校3年前後の我々には100円玉を湯水のごとく機械に流し込むことなど考えられないことで、

50円の袋入り合体基地を買うにも、「あ、この袋には銀の戦闘機が入ってる!」と慎重に選んでいた。

吉田輝美だったかが、ラジオ番組で「最近流行っているゲームを紹介します。

画面上の方からインベーダーがならんでおりてきます。手前には壁があり、自分はその陰に隠れて銃を撃ちます。」

と言う解説に、後年の3Dゲームのような画面を想像して、実物を見て「こんなもんか」とがっかりしたのを覚えている。

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タコチュウが発売されたのが1976年〜1977年。

ゴム製の純製前期型、プラ製の後期型、新型のスッポリの前期・後期を経て、在庫整理の福袋状態に至り、

お菓子としての「たこちゅう」が姿を消していくのに一年もかからなかった。(純製新型の分類を参照のこと)

その間に多くのパチモンが作られた。

大流行したスペースインベーダーも、消しゴムやカードが作られ駄菓子屋で大量に販売された。

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そのような状況を背景に販売されたと思われるのが、今回入手したスペースインベーダーである。

車輪付きのUFOとタコチュウのパチモン4個、それに合体する飛行機のプラモ3機がセットになっている。

UFOは走らせると上部のドームの中の円板が回転し中に入っている小さな鉄球が回る。

駄菓子屋というより、観光地の御土産屋や田舎のオモチャ屋で見掛けるようなUFO.である。

合体する飛行機は、「スリーウオーズ」という名前で、台紙に1ダースつけられて駄菓子屋で売られていたものである。

それにパチモンタコチュウが4個という組み合わせである。

タコチュウは宇宙人ということで、UFOにくっつけて遊ぶらしい。

台紙の左上にはUFOにタコチュウが乗っているイラストがついている。

台紙下には「UFOに宇宙人がすい付いて、追跡機は合体します。」と言う説明がついている。

台紙上部には、店頭のフックにつり下げるようにビニールヒモが付いている。

UFOのイラストの上に「00」という数字が読め、左側が剥がされた値札シールがついている。

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駄菓子屋玩具にあまり見かけない遊び方の説明と、ビニールヒモと百円単位の値段から

駄菓子屋玩具を組み合わせて、少し高額の価格設定をして、御土産屋か玩具屋で販売したモノではないかと想像できる。

子供が自分で買うのではなくて、大人に買ってもらうための商品ではなかろうか。

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この追跡機の駄玩具を御提供いただいたので紹介する。

タイトルはスターウオーズではなくてスリーウオーズ。三機集めて前後に合体させて遊ぶものである。

台紙に描かれた合体状態のイラストは、上記のスペースインベーダーに模写されている。

追跡機のバックの黄色い台紙は、色合いといい、線画の上面図といい、

明治合体チョコボールのパチモンである「ミニUFO 遭遇消しゴム」の台紙に酷似している。

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注目すべきは、宇宙人として入っていたパチモンタコチュウである。

素材、大きさ、顔のどれもが今迄見つかっているパチモンと趣を異にするものだったのである。

まず、水に浮かぶ素材で作られていた。純製前期、未確認のスッポリ前期以外、

水に浮く素材はG型と命名したパチモンしか見つかっていなかった。

今回発見されたパチモンタコチュウを水に入れて実験してみたが純正同様に水に浮くのが確かめられた。

次に大きさであるが下の写真の様にパチモンJ型(いわゆる大型のタコチュウ)と純正後期(一般的な大きさ)の

中間を埋めるサイズであることである。足の長さや吸盤の大きさに多少の変動はあるが、

胴体部分の直径はあまり変化が無いものと思われていたが、

今回発見されたモノ(仮にUFO大・小型と呼ぶ)は、独特なサイズである。

左からパチモンJ型、UFO大型、UFO小型、純正後期型

最後に顔であるが、UFO大型が怒り顔、UFO小型が泣き目と眠り目である。

多くのパチモンで泣き目と眠り目は区別がなくなって行ったのに反し、純正の顔に近い特徴を残している。

他のパチモンが大きさを同じにすることに意を用い、顔は比較的いい加減に真似たのに比べ

大きさは全く純正と違えても、顔を似せようとしているところからも、独特の考え方が出ている。

後になって、大きいものに3色2種が見つかった。

UFOケシゴマに入っていた純正サイズのG型の赤と一緒に、この中途半端なサイズの

パチタコがガチャガチャで売られていたという証言を得た。

UFO小型は赤の一色しか見つかっていないが、この3サイズがそれぞれ3色2種の

同一のシリーズである可能性が非常に高くなった。

大型にも小型にも眠り眼があるが、大形の方は横線がつながっていず、

これは、眠り眼が純正と純正太目で見た目が大きく異なることから、それぞれを見本にしたために

同じ眠り眼にも違いが出た可能性が高い。その点からも純正をもとに作られた可能性が高いと考えられる。

左からUFO大型、小型、純正、純正太目

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今回発見のUFO大型をK型、UFO小型をL型と呼称することとする。

後にこのK型・L型がUFOケシゴマに混入されていたG型と一緒に発見された。

素材・デザインともに非常に共通点が多く、同一のシリーズであると考えられる事がわかった。

UFOケシゴマの台紙にはマルコー産業のメーカーロゴが記されていることから、

このG・K・L型の一連のパチモンは、ポーズブロック合体基地といったパチモンを作ったメーカーの製品であることが判った。

一緒に入っていたスリーウォーズは、上記の台紙付きサンプルに、マルコー産業のロゴは発見できず、

この、スペースインベーダーは他メーカーの駄玩具をセットして、台紙を新造して販売したものであると思われる。

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その後もこのタイプは続々と見つかり、

K型は怒り目と眠り目の2種、青、赤、黄色の3色、

L型は泣き目と眠り目の2種、青、赤、オレンジの3色、

G型は普通目と笑い目の2種、青、緑、赤、黄色、オレンジの5色が見つかった。

※帽子型プラケース入りの「たこちゅうセット」という商品が見つかり、

青、赤、オレンジ、黄色、白の5色で、3種がそれぞれ見つかった。

他に、K型、L型、G型のセットの中からG型の緑が、

後に見つかった「スペースインベーダー」のブリスターパックの中に、

大型のK型に緑が見つかった。

後列からK型、L型、G型

先日新たにスペースインベーダーを入手した。

UFO玩具の本体カラーが違う他は特に珍しいものではないが、

宇宙人として入っていたパチモンタコチュウK型に緑が見つかった。

K・L・G型には緑が少なく、この他にはG型が3個見つかっているだけである。

新たに入手されたスーペースインベーダー

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今回、このパチモンを入手するにあたり、パチパチ大王様からの情報に助けられた。

タコチュウという文字が全く無かったため、検索に引っ掛からなかったので、情報を戴かなければ

この新しいパチモンと出会えなかったことは間違いない。

パチパチ大王様に感謝するとともに、同好の士のもたらす情報の有用性を改めて認識した次第である。

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