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まんまその名前かよ?!

たこちゅうセット帽子ケース

「たこちゅう」とは、1976年〜1977年に発売されたロッテ製菓のチョコレート菓子のおまけである。

いや、ロッテお客様相談室に問い合わせて、御回答いただいたことなので、

現状で最も確からしい情報だと思いますよ、マジで。(ロッテ様、有り難うございました。)

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当時は大流行し、ウチの近所のお菓子屋では品薄で買えなかった記憶がある。

そうなると、パチモンが蔓延るようになることは、意匠権意識の低かった当時としたら

当然と言えば当然の流れで、今までに確認されただけでも、

9系統、21種類が見つかっている(吸盤4個で本体が立方体のカクチュウを除く)。

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当時はお小遣いも少ない上に、集め出したのが遅かったことから、ほとんど自分では買えなかった。

小学校当時の友人のS村君や、なぜか高校に入ってからW辺君からまとめて譲ってもらった他は、

ほんの数個を自分でガチャガチャ等で入手しただけであった。

そのために、形状に特徴的な差異があるものが数種類あることはわかったが、

どれとどれが同じ系統なのかと言う基本的な情報も確認できなかった。

パッケージから出した状態でもらったために、販売形態や商品名等もわからなかった。

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2002年にこのホームページを作りはじめた頃、某クションやネットでの検索を使いこなすようになり、

コンビニによる駄菓子屋の駆逐とタイミングがあったこともあり、デッドストック状態のパチタコを大量に入手出来るようになった。

その結果、系統の確定や、販売当時の商品名等もわかるようになってきた。

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たこちゅうの販売形態や商品名はほとんど全くわからなかったが、

たまたま「別冊太陽 子供の遊び集-明治・大正・昭和-」(平凡社1985)に掲載された

「東京・台東区立下町風俗資料館内に復元されている関東大震災前の駄菓子屋の店先。

置かれているのは現代でも観られる駄菓子、おもちゃの数々」という写真に写りこんでいるのが発見された。

某クションでこの写真と似ている大台紙付きのパチタコを発見した。

入っていたパチタコは、H型、C型と命名した昔から見慣れたタイプで、

大(H型)が2個、小(C型)が3個が、小台紙入りのビニール袋にホチキス止めされていた。

これに先立ち、全く同じ小台紙と、クリアーな軟質素材で作られたH・C型が見つかっていた。

このクリア素材で作られたものを、それぞれH2型、C2型と命名した。

左からH2型、H型、C2型、C型

どちらの型も顔の模様は全く同じだが、口の吸盤の付け根の長さが若干異なっており、別の成形型で作成されたと思われる。

この大型パチタコには、さらにもう一つ、顔の位置が口と足の間にあるエラー品が見つかっていた。

このエラー品は素材はH2型に近い柔軟な素材だが、色はH型に近いもので、H3型と命名した。

近年、このエラー品が、C型と一緒に、小台紙付きで入手された。

中央の大型がH3型

H3型が2個、C型が4個一緒に見つかったが、これが一袋分なのか、何袋か買ったものの内に、たまたま残ったこの個数なのかはわからない。

一緒に見つかった小台紙は、保存上の色褪せと思われる程度の色調の変化はあるが、同一の版で印刷されたもののようで、

H型の大台紙にホチキス留めされたもの、H2型と一緒に見つかったものそれぞれと著しく高い類似性が認められた。

H型やC型は青系、緑系で色のばらつきが見られ、素材の軟度もバリエーションがある。

C型の寒色系カラーバリエーション。

これらの観察から、H・C型系は、同じメーカーの商品であることがほぼ確実と思われる。

商品名は書かれていない。このことは、西日暮里の駄菓子屋問屋街が残っていた頃、

パチモンタコチュウを持って調査した際、(その段階でさえ20年くらいが経過した後だったが)

商品名では認識されていなく、「吸盤」という呼ばれ方をしていたことに関連すると思われた。

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某クションでのデッドストック入手で、パチタコの商品名がわかった事例もある。

大型パチタコは当時、上記のH型の他にJ型と命名した吸着力の強いタイプと、

それに似た素材のものをJ2型と命名したものが見つかっていた。

このJ型とJ2型は、見つかっていた素材色(黄緑と赤)、素材の柔らかさが似ていたが、

吸盤の側面形状が違い、無き眠り目のみのJ型に比して、J2型は顔の作りがラフであったため、

別のタイプであると考えていた。

左側からJ2型、J型

パチタコは、大型のものとオリジナルのたこちゅうにほぼ等しいサイズの2種類が同じ系統を構成している。

このJ2型に対応すると思われるオリジナルサイズのパチモンは、顔のラフな作りからF型と命名したタイプであると思われた。

しかし、このF型は1個しか見つかっておらず、確信を得るには至らずにいた。

左からJ2型、F型

だが、この2種類が同系統であることを表す証拠が相次いで見つかった。

商品名は「チュチュタコ」と書かれている。

台紙に大(J2型)2個、小(F型)3個が入ったブリスターがホチキス留めされている。

この発見でJ2型とF型が同系列であることが確認された。

さらに、大台紙にホチキス留めされた完ピンが発見された。

チュチュ たこちゃん チュ!

商品名は「チュチュ たこちゃん チュ!」となっている。

大台紙のイラストを、先に紹介したH・C型の大台紙と比較するとデザイン的に共通点が見られる。

大きなタコに吸い付くタコチュウ。一列に繋がっている小型タコチュウの行列。

キスしているカップルタコチュウの右側は目を瞑っている。(目を瞑ったデザインはオリジナルにはない。)

揺らぐ背の高い海藻。魚のイラスト。

(H・C型のイラストは明らかに「泳げ!たいやきくん」の影響があり、

チュチュタコの泡もジャケットのイラストに同様の処理が見られる)

以上の事から、素材の類似からJ・B型の影響があったと考えられたJ2・F型は、

顔の種類の多さ、大台紙イラストの影響から、H・C型から派生したものと考えることにした。

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また、某クションで入手した新種のパチモンの販売形態もわかった。

多数のC型や、顔のないことが特徴的なJ4型やB2型等と一緒に入手された3個のいびつなパチモンがあった。

上段右から3個

顔は普通目の1種類のみで、本体は球形ではなく、ラフなタマゴ型で口吸盤はいびつで小さい。

足は付け根部分がほとんどなく、円錐形をしている。足には放射状のモールドがあるが、これは純正に見られる特長に類似する。

このタイプをM型と命名した。

この新種発見(といっても当時モノなので、存在を確認したという意味で)から数年経って、

某クションで大台紙付きの完ピンを入手できた。

これにより、商品名は「たこチュー」であることが判明した。

1袋は4色各1個、50円で、30袋も1シートにホチキス留めされていたことがわかった。

色は先に見つかったものの他に、赤の存在を確認できた。

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J2型・F型は「チュチュ たこちゃん チュ!」、O型は「たこチュー」と、

たこ+ちゅう(→チュウ・チュ)のもじりであった。

H・C型は名前がなく、どれもロッテの「たこちゅう」という名前を直接パクったものではなかった。

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で、これだけでも十分、一つのコンテンツだが、ここまでが前置き。

ここからが本題なので、覚悟するように。

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先述のように、パチモンタコチュウは当時、まとめて譲り受けたので、

パチモンの分類はほとんどわかっていなかった。

たった1個しかなかった種類が4種あり、漠然と大小が1セットであろうと考えていたが、

どれとどれが同じ系列なのかの確信をもつこともできなかった。

その中で、特に異様だったのが、パチモンG型と命名したタイプであった。

パチモンG型

純正前期以外には見られない水に浮く素材でできており、顔はエンボスで、

普通目のような縦長の中に三日月型の笑った目が描かれている。

エンボスか彫り込みかの差はあっても、ほとんどのパチモン(ラフなJ2型・F型を除く)が

純正の顔の真似であるなか、独特な新しい顔を持つことは非常に特異な特長であると言える。

ホームページを開設して暫くした時に、某クションにUFOの消ゴムに1個だけタコチュウが入っている駄玩具が見つかった。

「UFO合体消しゴマ」という商品名で、中に入っていたパチタコに、先述のG型と同じ笑い目があった。

素材も水に浮く素材で、口の付け根の長さに長短があるが、これらはG型と同じタイプであると判断した。

左がUFO消しゴマ、右がG型

色は青と黄色、顔はエンボスで普通目と笑い目が見つかった。

左からG型普通目・笑い目

タグにあるロゴマークは、同じものがピコタンや明治合体チョコボールのパチモンからも見つかっており、

「マルコー産業」のものであることがわかっている。

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水に浮く素材の、エンボス顔のパチモンが、他にも見つかった。

ブリキのUFO駄玩具と、合体する宇宙船玩具3点セット、それに宇宙人としてパチモンタコチュウが4個入っていた。

このパチタコも顔はエンボスで、水に浮く素材を使っている。その点は先のG型に共通する。

大きさは2種類が見つかり、純正たこちゅうよりも大きく、先に確認されていたH型やJ型、J2型、I型よりも小さかった。

大きい方をK型、小さい方をL型と命名することにした。

左からH型、K型、L型、純正

顔はK型が、怒り目と眠り目、L型は眠り目と泣き目の2種類ずつであった。

左からK型怒り目、眠り目、L型眠り目、泣き目

H・C型、J・B型、A型、D型等、ほとんどのパチモンは、泣き目と眠り目の区別がなく、

「泣き眠り目」と称することにした、純正とは異なる目になっている。

左からH型、C型、J型、B型、D型、A型の泣き眠り目

この点からもK型、L型は泣き眠り目を持つ多くのパチモンとは系統を異にすることがわかる。

まとめて入手される時にG・K・L型の3種が一緒に入手されたことがあること、

エンボスで、純正の影響を強く受けているの目の表現と、

水に浮かぶ素材であることから、「UFO消しゴマ」に入っていたG型と、

「スペースインベーダー」に入っていたK・L型が同じ系列であると考えることができたが、

その証拠になるサンプルを入手することができた。

その名を「UFO軍団」という。

「スペースインベーダー」と同じ大きさの台紙に、大小のブリキのUFO玩具と、

G型黄色が1個入った「UFO消しゴマ」が一袋、ブリスターパックに封入されている。

注目すべきはSTマークの数字が同じことで、どちらも「M2592005」である。

左が「UFO軍団」、右が「スペースインベーダー」

STマークについては稿を改めて説明するが、概略を記すと、

最初のアルファベットは、日本玩具協会との使用許諾を締結する際に経由した団体を表している。

Mは東京玩具工業協同組合を表す。次の3桁は東京玩具工業協同組合のメーカーを示す番号である。

次の1桁は年号を表し、和歴の下一桁を記す。

「2」とあるから、昭和52(1977)年と考えられ、この年は純正たこちゅうの発売時期に合致する。

次の3桁は合格の際の認証番号ということで、同じ番号と言うことは、

「ブリキのUFOと駄玩具のセット」といった括りで申請したと考えられる。

さらに、G型とK・L型が同一の系列である事を示す、証拠となるサンプルを見つけた。

G型が入っていた、「UFO消しゴマ」に、L型が入っているサンプルを発見した。

以上の事から、G型とK・L型とが一緒に入っているパッケージは無かったが、

同一のSTマークが付与されていることからも、同じ商品にG型とL型の入ったサンプルが見つかったことからも、、

同じ系列であると、ほぼ結論付けられたと言える。

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なんだ、G型とK・L型が同じ系列だったってことをまとめただけじゃないか。

それも、一緒に入っているパッケージは見つかっていない、ってことだろ?!

そんなこと、前の記事を丹念に読めばわかるよ、という、優秀なお客さん。

ここからが、イイとこなんだって!

ここからが、本物の本題なんだってば!

例えるなら・・・。

夕食の前の軽ーいお食事、みたいな。

おやつじゃなくて、ちゃんとおにぎり3個にコロッケとミニサラダかなんか付けたみたいな。

さぁ、では、メインディッシュの始まり、始まりぃ!

・・・もうお腹いっぱい?まぁ、そう言わずに。

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G型とK・L型がほぼ確実に同じ系列出ることはほぼ確実と思われていたが、、

ついに、それを示す証拠が見つかった。

例によって、何時もお世話になってるぜんまい太郎氏のフリマでの発掘品である。

帽子型のプラスチックケースに沢山のパチタコと大型中空ピコタンが入っていた。

商品名は、なんと、まんまの「たこちゅうセット」。

なんとも潔いそのまんまのネーミングである。

帽子型ケースのトップにシールが貼られている。

「すいついて合体します」のコピーにある「合体」というキーワードは、

明治製菓のチョコ菓子であるピコタンや、明治合体チョコボールのパチモンにも多用されている。

「特250」の値段シールが貼られているものがあった。

 イラストはチューをするたこのカップルである。

この絵柄、どこかで見た記憶がないだろうか。

そう、先に紹介したH・C型の大台紙と、J2・F型の「チュチュ たこチャン!チュ」の大台紙にも見られた、

絵柄に類似しているのである。

左からH・C型系大台紙、J2・F型大台紙(部分)

特にH・C型系大台紙のイラストは、泣き目の赤に、両方の目を閉じた黄色に赤いリボンがついていると、酷似している。

目を閉じたデザインは、純正のウインクに見られるが、両方の目を閉じたのは、これらのイラストのみの独自なものである。

イラストのみにしかない顔のデザインが、すべてのイラストに共通しているということは、

実物のタコチュウを元に絵を描いたわけではなく、実物にない両目閉じでイラスト化したものを真似たと考えることができる。

たこちゅうセット(部分)

J2・F型のイラストはリボンが省略されていることや、泣き目の斜線が眉に変更されていること、

顔の種類が多くラフであることから他の2種よりもオリジナルから遠いと考えられる。

では、H・C型系大台紙と、今回のG・K・L型のケースシールとどちらがオリジナルに近いのかであるが、

これはなかなか確定的なことが言えない。

今までは、それぞれの系列の泣き目・眠り目に注目した。

先に紹介したようにG・K・L型系列にはK型に眠り目、L型に眠り目と泣き目が確認されている。

それに比して、H・C型は泣き目と眠り目の中間のデザインの泣き眠り目と命名した顔になっている。

オリジナルへの忠実度でいえば泣き目と眠り目が見つかっているG・K・L型系列のほうが高いと思えるが、

G・K・L型系列にはウインクがなく、笑い目という独自の顔が存在している所は、忠実度が低いとも見える。

H・C型は目が掘り込みで、純正に良く似ているが、泣き眠り目という中間型が新しく作られてしまっている。

純正からパチモンを作成する時の忠実度としては、一長一短と言うことができる。

上段左から純正太目泣き目、眠り目、純正後期泣き目、眠り目、純正最後期泣き目

下段左からK型眠り目、L型泣き目、眠り目、H型泣き眠り目、C型泣き眠り目

今までは当時から見慣れていたH・C型を起点にして、泣き眠り目に注目してパチモンタコチュウの派生進化を考えて来たが、

実はその前にG・K・L型系列があった可能性がある。

このことをたこちゅうの派生図に反映することにした。

この変更は、純正からパチモンを作る際の派生を、形状が特異で足のモールドのあるM型、泣き目・眠り目の違いがあるG・K・L型系列、

泣き眠り目があるH・C型系列からの一連の派生系と、3つの分化が行われたと考えたが、

M型と、G・K・L型系列の2つに分化し、さらにH・C型系列以下が、G・K・L型系列から生まれたと考えることにした。

左が今までのパチモンの派生図、右がG・K・L型系列をH・C型の上位にしたもの

パチモンタコチュウの派生の詳細は、

タコチュウ派生一覧表」を参照されたい。

この帽子型ケースには、STマークのシールが貼られている。

番号は「P.5441200」であった。

この番号を分析すると、Pは日本プラスチック玩具協会を示す。

次の3桁、544はメーカーを表す。メーカー名の後の1桁は昭和の年号の下一桁を表すので、

ここでは昭和51(1976)年を表すと考えられる。

この3桁の番号は明治合体チョコボールのパチモンA型が四角いプラケースに入ってい「UFO合体基地」の「P.5440150」、

先に紹介した「スペースインベーダー」に入っていた3種類の宇宙船駄玩具をパッケージ化した、

合体333(スリー)」の「P544」にも見られた。

合体333(スリー)」はマルコー産業のロゴも入っていた。

UFO合体基地とそのSTマーク

合体333(スリー)とそのSTマーク

UFO合体基地」のSTマーク許諾は右から4桁目が「0」なので昭和50(1975)年。

これは明治合体チョコボールの発売と同じであり、オリジナルの発売から時を空けずにパチモンを作りSTマークの許諾を受けたことがわかる。

STマークのアルファベットと3桁の数字は、組合とメーカー名を表すコードであるが、

一社につき、コード番号は1つかと漠然と考えていた。

しかし、先に紹介した「UFO軍団」はM259であった。これにはマルコー産業のロゴのある「UFO消しゴマ」が入っていた。

合体333(スリー)」はP.544で、これにもロゴマークが入っている。

同じマルコー産業のロゴの入った商品に2種類のコード番号が振られており、

そのコード番号を持つ「スペースインベーダー」と「たこちゅうセット」にG・K・L型系列が入っているということは、

G・K・L型系列はマルコー産業製と考えて間違いないと言える。

余談だが、この合体333(スリー)には、別バージョンが見つかった。

合体333(スリー)別バージョンとそのSTマーク、メーカーロゴ

メーカーロゴがアルファベットになっているが、同じマルコー産業であると考えられる。

STマークのメーカーコードは、K541になっている。

年号は昭和52(1977)年になっている。

このK541のコードは、2パーツ大型パチピコに、追加パーツを付与して、

ロボダッチのスポーツロボットを真似た、「スポーツ大将」にも見られる。

スポーツ大将とそのSTマーク、メーカーロゴ

STマークのメーカーコードは、K541になっている。

年号は昭和53(1978)年で、さらに1年遅くなっている。

v

ケースの中身は、G・K・L型が各7個、計21個が入っている。

色は、青、オレンジ、赤、黄色、白の5色がG・K・L型それぞれに見つかった。

一つのケースには、G型の緑色の普通目と笑い目が一つずつ入っていた。

緑色は数が少なく、G型に1個が見つかっているだけであり、

これだけ大量に入手されているが緑色は明らかにわりあいが少ない。

顔は今までの発見例と同じで、K型は怒り目と眠り目、L型は眠り目と泣き目、G型は普通目と笑い目が見つかった。

後列からK型、L型、G型

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ここで、非常に興味深い発見があった。

デッドストックで未開封、シールが貼られていた帽子型ケースの中に、

たった1個、純正後期の黄色が1個だけ混入しているのが確認された。

前列左端の矢印で示したのが混入していた純正

以前に、ガチャガチャに純正前期の眠り目が入っているのが、ガチャガチャ研究家のワッキー氏のサイトから発見されたり、

販売終了後に純正最後期型がハズレとしてガチャガチャに入れられていたと考えられる例を紹介した。

これらの例は状況証拠であり、今回の未開封新品への混入は、製造段階でなんらかの理由で入ってしまったことを示している。

サンプルとして入手した純正を出来上がった製品の中に入れてしまったのか、

同じ大きさのものということで、誰か従業員が持っていたものを、製造ラインでは区別されずに入れてしまった可能性もある。

どのような意図で混入したかは推測の域をでないが、純正もパチモンも一緒くたに認識されていたことの証左であると考えられる。

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ちょっと脇道にそれるが、K型・L型・G型系列は、現在入手された中では緑色が少なく、

この系列がまとまって入手された際に入っていたG型1個、今回発見されたG型2個でG型ばかり3個しか見つかっていない。

しかし、最近K型にも緑が発見された。

以前にも紹介した、「スペースインベーダー」が再度発見され、その中に緑色のK型が1個見つかったのである。

今回入手されたスーペースインベーダー

スペースインベーダーにはK型、L型が2個ずつ入っている。

現状保存のためブリスターパックから出していないが、G型を含むオリジナルサイズのパチタコよりも

吸盤が明らかに大きなものと、さらにほんのすこし大きなパチタコが写っている。

左からL型の赤、K型(眠り目)の緑

この発見によって、数は少ないかも知れないが、G・K型に緑色が見つかり、

なんらかの理由で少ないかも知れないがL型も存在する可能性が増えた。

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話を「たこちゅうセット」にもどす。

このケースにはK型・L型・G型が各7個の他に、中空の大型パチピコが入っていた。

大型中空パチモン

色は緑、黄色、白、赤が確認された。形は以前から持っている大型中空パチモンと同型だが、

今回の発掘品には顔があることがわかった。

顔は長円形に三本の横線が入って、ビックリして目をつぶっている。

胸にいびつなハートマークがある。

大型中空パチモン

先日やはり某クションで、動物ピコタンを大量に入手した。

その際、この大型中空顔ありタイプも一緒に見つかった。

右上が大型中空パチモン

この時に一まとまりになっていたのは以下の通りであった。(右上から)

大型中空(普通目3、笑い目1、つぶり目4)。

ピエロA型白、赤。

ピエロA型黄色。

ピエロA型青、ピエロB型緑、青。

(左に移って)サルの釣り下げ。

動物ピコタン(いぬ、うさぎ)、スポーツピコタン(すもう)。

動物ピコタン(たぬき、くま)。

動物ピコタン(ねこ)、純正ピコタン前期。

パチピコ顔ありA1型、純正ピコタン後期。

パチピコ顔無しC型、パチピコ顔無しA型(破損)。

中空顔ありは、以下の3種が見つかった。

左から普通目、笑い目、つぶり目

この長楕円の中に表情を入れたデザインは、パチモン顔ありC型に似ている。

左から顔ありC2型・C型スマイル、C2型・C型二重スマイル

このC型は純正の影響を受けた4種類が林檎型のケースに入って売られていたことがわかっている。

帽子型ケースとケースの素材も似ている。

人間ブロック林檎型ケース

この玩具にはSTマークのシールが貼られていた。

林檎型ケースのシール

P527はメーカー名で、0は昭和50(1975)年の登録を意味する。

この年はピコタンの発売された年にあたる。

P257は他にも、2パーツ大型パチピコの「ロボくんブロック」にも見られた。

これにはマルコー産業のロゴが右下に、STマークが左下に入っている。

「ロボくんブロック」のSTマークとロゴ

この2パーツパチモンの顔も、つぶり目とパチピコ顔ありC型と似た二重丸の普通目のデザインで

「たこちゅうセット」に入っていた中空大型パチピコのデザインに似ている。

左からロボクンブロックつぶり目、普通目、ポコタン

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このように見て行くと、マルコー産業が有名菓子メーカーのパチモンを多く作っていたことがわかる。

STマークも、M259(スペースインベーダー、UFO軍団)、

P544(合体基地四角ケース、合体333)、

K541(合体333別バージョン、スポーツ大将)、

P527(人間ブロック林檎型ケース、ロボくんブロック)っと、4種類もあることがわかった。

K541はロゴマークがアルファベットになっているのでこれが一番新しく、

前の3つは詳細は不明だが、合併や参加団体に変遷があったものと思われる。

リンゴ型ケースにパチモンタコチュウが入っているものも発見された。

帽子型ケースと同じシールが貼られており、

K・L・G型が各10個、計30個入っていた。

内部にマルコー産業のロゴとメーカー名、「オリジナルTOY」と刷られた紙が入っていた。

外面にはSTマークがあり、パチモンピコタンの入ったリンゴ型ケースと同じ番号であった。

左が「人間ブロック」、右が「たこちゅうセット」

番号からすると、申請は1975年になり、ロッテのたこちゅうが発売された1976年よりも早くなる。

同封された紙にあるように、たこちゅうがマルコー産業のオリジナルであると考えるよりは、

リンゴ型のケースに駄玩具を入れて発売するスタイル自体が、STマークの申請要件であり、

中身についての都度の確認がなかったという緩い管理がなされていたと思われる。

某クションで帽子型ケースが発見された。

開封されており、3種類のパチモンが入っている。

中空の大型ピコタンは入っていなかった。

シールは汚れているが、同じものが上面に貼られている。

外面にはSTマークがあり、パチモンピコタンの入ったリンゴ型ケースと同じ番号であった。

中身はK型8個、L型6個、G型は8個入っていた。

開封状態なので、大型ピコタンのないことも含めて、定数は不明である。

色は青、黄色、赤、オレンジ、白の5色で、顔はどのタイプも2種類が揃っていた。

G型の黄色とオレンジには、笑い目の足の長いG2型と命名したタイプが入っていた。

背面にはSTマークのシールが剥がされた痕跡が見られた。

入手にあたっては、いつものD女史の手を煩わせた。

毎度有り難うございます。

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ぜんまい太郎氏から御提供いただいた「たこちゅうセット」が引き金になり、

最近結果が出たSTマークの表示内容の研究が相まって、駄玩具研究がまた大きく進展した。

特にSTマークの団体+メーカーコードが解読の鍵になって、

マルコー産業によって多くの駄玩具が作られたことが確かめられた。

STマークに関しては、直接、日本玩具協会様に直接電話取材させていただいた。

お忙しい中、昔のことを教えてくださったことには大変感謝している。

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しっかし、あるもんですねぇ、フリマ。

もっとも毎週末通い詰めていらっしゃるぜんまいさんのアンテナにだからこそ

引っ掛かったんでしょうけど・・・。

おかげさまで30年来の謎が次々と解けて行くこの感じ!

わっかるかなぁ、わっかんねぇだろうなぁ。

こーんなに詳細に説明してみても、ぜーったい、わっかんねぇんだろうけどなぁ。

((((((((((^^;)

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