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そうそう!こんなの欲しかった!

UFO基地合体セット

明治製菓から「合体チョコボール」が発売されたのは1975年であることが、

明治製菓のホームページ、明治製菓 きのこの山・たけのこの里のサイト内、資料室のページから判明した。

明治合体チョコボールは一箱60円で、オマケ一個とチョコボールが入っていた。

しかし、駄菓子屋で売っているパチモンは、50円でひと袋に十数個入っていた。

幼稚園の所の坂を登り切って、信号渡った蕎麦屋と酒屋の間の道を入ったことろにあった駄菓子屋には、

タグ付き袋入りのパチモンが売られていた。

たこちゅう艦隊との接触が増えつつある合体チョコ軍は、パチモンだろうとなんだろうと構わず

買い食いを我慢しては軍備拡張に励んだのであった。

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当時、爪に火をともして一袋ずつ買ったパチモンを、30年以上の時を経て台紙でまるまる入手した!

中に入っているのは、パチモンA型と命名したオリジナルに非常によく似せられたタイプであった。

件の駄菓子屋の右側の壁にぶら下がっていたものと同じであった。

当時は一袋ずつ買い、タグも袋も捨ててしまっていたため商品名はわからなかったが、

合体基地という名称で売られていたことが判明した。

上段の4袋は純正と同じくらいの大きさのものが14個(まれに15個)入っている。

下の2段はこのシリーズのみに見られる非常に大きな宇宙船1個と普通サイズが3個入っている。

当時買った時には、大型船と同じ銀色の素材で作られた普通サイズもあったが、これには入っていない。

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暫くして某クションで、このA型のパッケージ違いを入手した。

小台紙にブリスターパックで、大型1個と普通サイズ7個が入っている。

大型はブルーと金色で、普通サイズにピンク色が入っているのが珍しい。

小台紙には丸に白抜きの「産」と書かれたロゴが発見された。

これだけを見てもメーカー名はわからなかったが、意外なところにヒントがあるもので、

これらの小台紙がホチキス留めされていた台紙には

「(上部欠)ーカー」「回転すると画面がかわる?」・「7面にスライドするナンバーセブン」等と

合体基地とは違う商品コピーが印刷されており、他の商品の台紙を流用したと思われるのであるが、

そこに、ロゴマークとメーカー名が印刷されていたのである。

中に「産」と書かれた丸の外側に三日月(?)があるマークは、「マルコー産業」という会社のものであるとわかった。

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で、まずここでこのページの一つ目のテーマを御紹介しよう。

いつもの言うところの本題・1である。

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このパチモンA型の新しい販売形態を発見した。

名称は「UFO基地合体セット」である。

プラスチックケースに大が2個、小が40個入っている。

中身のA型の数量と、「合体基地」の一袋が50円だったことから、

250円〜300円程度で売られていたのではないかと思われる。

上部の小が入っているとろこは銀色の厚紙、下部には金色の厚紙が入っている。

中央には商品名と「夢をつなげる」のコピー、STマークが書かれた仕切が入っている。

メーカーロゴはない。

仕切の側面には「いろいろ合体してみましょう」のコピーが入っている。

台紙にタグ付き小袋入りの合体基地には「いろいろな基地をあつめて合体させよう!」とあり、

小台紙にブリスターパックの合体基地には「いろいろな合体ができるよ!」と書かれている。

この「いろいろ」と「合体」のキーワードが共通していることは、

この3つの商品に非常に深い関係性が存在することを示唆していると言うことができる。

イラストは比較的正確にパチモンA型を描き出している。

人面型宇宙船の船体左右の小突起や、戦闘機型の翼端ミサイルの上下の小翼、

三角翼戦闘機の翼前面の突起といった、A型の識別点はしっかり表現されている。

大型宇宙船には、独自の規格の上下ジョイントがあるが、これを使った合体状態もイラスト化されており、

描き手が商品をよく理解して描いたことが伺える。

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STマークの合格番号は「P.5440150」である。

大型は赤の円盤と青の双胴船が入っていたが、

以前、合体基地のタグ付き袋入りでも発見されている。

金色や銀色の素材が高価なのかどうかは不明であるが、

基本の5色(緑、青、白、黄色、赤)が多く使われている。

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某クションで、たこちゅうやピコタン、明治合体チョコのパチモンをデッドストックで入手することが増えた。

そうすると、このマルコー産業の特徴的なロゴがよくみつかることに気が付いた。

まず、ロッテの「たこちゅう」のパチモンが入った「UFOケシゴマ」のタグにもロゴが見つかった。

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明治製菓の「ピコタン」のパチモンが入っていた「メリーゴーランド」という駄玩具にもロゴが見つかった。

この歯車で回転させるギミック自体が明治製菓の他のオマケの真似であったようである。

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明治製菓のピコタンのパチモンに関しては、腰部にボールジョイントを追加した2パーツ進化型パチモンが見つかっている。

この2パーツパチモンはマルコー産業から意匠登録がだされている。

この2パーツパチモンは、意匠権を申請した時期に発売された「ポーズブロック」と、

登録されてから発売されたと思われる「ロボくんブロック」が見つかっている。

ポーズブロック」は18個の2パーツパチモンが入っていた。

ロボくんブロック」は2個の2パーツパチモンとスペースインベーダー消ゴムのセットになっている。

この「ロボくん」という名称は、同時期に明治製菓から発売された「ロボクン」というチョコレート菓子の名前をパクった可能性がある。

中野の某ショップのホームページでは2種類のロボクンが紹介されており、どちらをパクったかはよくわからない。

明治製菓の「ロボクン」の人間ブロック型の方が某クションで落札した駄玩具の中に混じっていた。

明治製菓「ロボクン」

このロボクンは腕と首にボールジョイントが入っており、足は左右がそれぞれ独立して動く。

箱状の胴体にそれらが装着され、様々なポーズを取ることができる。

腰のジョイントがある「ロボくんブロック」は、本家の「ロボクン」よりも少ないパーツ数で、

動きを表現しており、パチモンとはいえ、非常に優れたデザインであると言える。

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この2パーツパチモンに、さら帽子などの小道具を追加した、スポーツシリーズが見つかっている。

商品名は「スポーツロボの合体ダッチ」

名前からわかるように、今井科学のロボダッチのスポーツロボから4種類を取り、

2パーツパチモンにパーツを追加したものであった。

左が合体ダッチ、右が今井科学のロボダッチ(プラモデル)

多くの種類のあるロボダッチシリーズからスポーツ関係の4種をピックアップしたのは、

明治製菓のピコタンの新規格「ピコタンうんどうかい」にちなんだものと思われる。

明治製菓のオマケと、今井科学のプラモデルを意識して、単体で見たら気が付かないほどの

完成された駄玩具を作ってしまった力量は評価に値すると思われる。

合体ダッチ

小台紙にブリスターパックで右下にロゴが入っている。

合体ダッチに使用されたスポーツパーツを追加した2パーツパチモンは、

スポーツ大将」という名称でも販売されていたことが某クションでの落札品からわかった。

スポーツ大将 パッケージ裏面

合体ダッチのパッケージイラストに比較して、スポーツ大将のほうがロボダッチシリーズとの類似性を薄めてある。

種類数は重量挙げが減って、3種になっている。

ロゴがアルファベットになっており、バーコードが入っていることから、1980年代になってからの商品と思われる。

STマークの調査から、4桁目の数字が、昭和の年号の下一桁になることがわかた。4桁目は「3」なので、昭和53(1978)年を表すと考えられる。

ピコタンの発売は昭和49年。この2パーツものの意匠登録がマルコー産業から出されているのが昭和50年なので、一渡り売ったあと、新しいパーツを追加してのてこ入れが昭和53年であったということだと思われる。

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マルコー産業は、ロッテのたこちゅうや、明治製菓のピコタンをはじめとする各種のチョコレートのオマケを正確にコピーし

さらにデザインを工夫して新しい駄玩具の世界を展開していたことがわかった。

意匠権だとか著作権だとか、今のようにうるさく無かった当時だからこそ可能だったとは思うが、

おかげで駄菓子屋でしかなかなか買い物できなかった我々も

随分豊かな気持ちにさせてもらったものであった。

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※マルコー産業について

電話してみたところ、以前は駄菓子屋向けのプラスチック玩具の製造をしていたが、現在はやっていなく、当時の型も全て廃棄したということで、あった。

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