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文献学的考察

パチモンタコチュウの販売形態

製菓会社の菓子のおまけに付いてきたものを純製と称し、

それ以外の駄菓子屋などで売られていたものをパチモン(ニセモノ、駄菓子屋版)などと称して、

これまでも扱って来た。

パチモンの主な入手先は、ガチャガチャ(ガシャポン)と駄菓子屋であった。

駄菓子屋では厚紙の台紙に、数個から20個弱が入ったタグ付きの袋に入れて

ホチキス止めされたのを、自分ではずして買っていた。

台紙には名前と古くさいイラスト、タグには名前が書いてある。

その名前が、ピコタンのパチモンは「人形ブロック」「ブロックマン」、

合体チョコボールのパチモンは「合体基地」「ドッキングステーション」などという

如何にもパチくさい名前に変えられている。

タコチュウも駄菓子屋で買った記憶があり、ガチャガチャで出てきたことも覚えているが、

タグ付きの状態のパチモンは、いまだに見つかっていない。

しかし、台紙付きタコチュウパチの存在の証拠とも言える画像を発見することが出来た!

「別冊太陽 子供の遊び集-明治・大正・昭和-」(平凡社1985)

この写真は、「東京・台東区立下町風俗資料館内に復元されている関東大震災前の駄菓子屋の店先。

置かれているのは現代でも観られる駄菓子、おもちゃの数々」というキャプションが付いている。

この白い矢印の部分を拡大したのが下の写真である。

この写真をよく見ると、台紙には名前がなくキャラクターとタコチュウの絵が確認できる。

台紙には9袋が付いていて、中には大2個、小2個入っているようで、

カラーは黄色、赤、オレンジ、緑、黒(?)がある。

非常に透明度の高いクリアー色から、パチモンI型と分類したものに形状的特徴が似ていると思われていたが、

最近になって、この小台紙とともにクリアオレンジのC型が発見され、

このC型、H型が素材違いの新種であることが確認され、それぞれC2型・H2型と命名された。

(※タコチュウ分類一覧表を参照のこと)

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そして、ついに、この画像に写っている台紙と同じものが発見された!

台紙は同じだったが、中に入っているのはH型だったことから、

H型系は全て同じメーカーの物である可能性が高まった。

同じメーカーが、何故、何度も高価な型を作ってパチモンタコチュウを製造したのか?

疑問は深まるばかりである。

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下町風俗資料館には行ったことがあり、この駄菓子屋のジオラマも見たが、

この雑多な雰囲気は無くなっており、もっと古い菓子のみを体裁よく並べた感じになって、

すっきりした展示になってしまっていた。

開館が昭和55年(1980年)で、この本が出たのが1985年。

壊れやすいパッケージの駄菓子屋玩具が10数年の間に段々と失われて行ったものと思われる。

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