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一枚の写真から
純正タコチュウの流用の可能性について
タコチュウは「たこちゅう」というロッテのチョコ菓子のオマケであった。
※「タコチュウとは・・・」を参照のこと。
ゴム素材のものからプラ製へ、形状の違うスッポリダコができ、販売された期間は、
一年前後と短かったが、一時はかなり流行したようで、多くのパチモンが存在する。
それらのパチモンは、ピコタン等のようにタグ付き袋入りや、
当時流行ったUFOの宇宙人として「UFO消しゴマ」や「スペースインベーダー」などの
駄玩具に入って売られていた。
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それ以外で重要な販売方法として、ガチャガチャがあった。
実際にパチモンI型やD型を、たぶん20円くらいのガチャガチャで入手した記憶がある。
先日入手した多数のパチモンのオーナーも、ガチャガチャで入手したと言っており、
その際、顔や材質、色などのバリエーションが多くなったと証言している。
ということは、パチモンは純正とは違った独自の素材や型で作られていたということになる。
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.しかし、ネット上に上記の説を覆す、衝撃的な写真を発見した!
この写真はワッキー貝山氏のサイトの趣味コーナーにあるガチャガチャコレクションの一点である。
ワッキー氏の解説には「カプセルの中に卵が!開けると、吸い付きタコ(懐かしい)ローラースケートとパイナップル。」とある。
30円用か50円用と思われるちょっと大きめのカプセルに、玉子が入っていて、さらにその中にタコチュウが入っている。
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ここに入っているタコチュウが問題なのである。(いや、一部の人にとってはさ、大問題なんだって。多分・・・。)
カプセルの中の玉子に入るということは、スタンダードサイズのタコチュウであると思われる。
写真から色はオレンジ。顔は眠り目である。下の写真の中段、左から2個目と全く同じ顔をしている。
また、写真からはわかりづらいが、吸盤が比較的厚く、下の写真の下段にあるプラ製のシャープな吸盤とはちがう。
ワッキー氏に連絡を取り、確認していただいたところによると、このタコは水に浮く(ゴム素材)だそうで、
水に浮く素材のパチモンにはK型があるが、K型はスタンダードサイズよりも若干大きく、顔がエンボスになっていて、
色は赤・青・黄色の三色しかない可能性が高いことから、この玉子の中に入っているタコチュウとはちがう。
<玉子入りタコチュウの特徴>
1、色はオレンジ。 |
2、眠り目の彫り込み。 |
3、水に浮く。 |
4、吸盤に厚みがある。 |
これらの条件を全て満たすタコチュウは、純正初期型しかない。
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そこで、ワッキー貝山氏に問い合わせたところ、貴重な、そして意外な証言を得ることができた。
まず、素材の確認のため水に浮くことを確かめてくださった。このことから、ゴム製であることがわかった。
ワッキー氏のおばあさんが駄菓子屋をやっていたそうで、「たこちゅう」が大量に売れ残ったとき、
これをカプセルに入れて再利用した可能性もあるということであった。
ワッキー氏はもっと硬いタコチュウが直にカプセルに入ったものも実見しているそうで、
こちらはI型やD型のパチモンであると考えられる。
確かにカプセルは機械の脇の箱に無造作に捨てられていたし、菓子が返品できないとしたら、
そのオマケだけを抜いてカプセルとともに再利用した可能性はあるであろう。
杉村典行氏の「駄菓子屋の前の等身大文化ガチャガチャ」(「日曜研究家」連載)に
20円のアタリカプセルは玉子型をしていたという記載がある。
このことから、30円用のカプセルと20円用のアタリカプセル、それとタコチュウの
「三個一」だった可能性もないこともない。
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ただ、製菓メーカーのオマケが、他社の菓子のオマケとして売られたり、
駄玩具に流用されてたことは実際にあったことのようで、
(※ぜんまい太郎氏の「昭和の少年冒険日記」の「手のひらの怪獣館」参照のこと)
.タコチュウが余ったため、これがガチャガチャ用駄玩具業者に流れて、使用された可能性も捨てきれない。
また、純正の型を譲り受けた駄玩具業者がガチャガチャ用に生産した可能性もある。
どちらにしてもこのような形で純正タコチュウがカプセルに入っていたという事実は、
純正タコチュウがロッテのチョコのオマケ以外の売られ方をしていたことがある可能性を示すことになる。
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※画像の使用及びリンクは、ワッキー貝山様に許可を得てあります。
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