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そんな名前もあったんだ!

タコチュープラケース

「たこちゅう」とは、1976年〜1977年に発売されたロッテ製菓のチョコレート菓子のおまけである。

当時は大流行し、入手困難な純製品に代わって、多くのパチモンが流通した。

意匠権の保護に関心が低かった当時、単純なデザインであることもあって、今までに確認されただけでも、

9系統、22種類が見つかっている(吸盤4個で本体が立方体のカクチュウを除く)。

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実はこのたこちゅうのパチモン。いくつもの系統があることはわかっていたが、

具体的な販売形態や商品名は最近までわかっていなかった。

当時、タグ付き袋入りで、大台紙にホチキス留めされていたり、ガチャガチャに入っているのを見た記憶はあるが、

沢村君や渡辺君にごっそりもらった時には、販売形態がわかるものは付属していなかった。

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インターネットが使用出来るようになり、某クションやショップから入手出来るようになってもわからないままであった。

多くのパチモンを収集し、系統や分類に関してはかなりの確度をもった分析が可能になったが、

それでもデッドストック状態で、販売形態がわかるサンプルにはなかなか行き着かなかった。

そんななか、たまたま見たムック本に、販売形態がわかる写真が載っているのを発見した。

「別冊太陽 子供の遊び集-明治・大正・昭和-」(平凡社1985)というムック本に掲載された

「東京・台東区立下町風俗資料館内に復元されている関東大震災前の駄菓子屋の店先。

置かれているのは現代でも観られる駄菓子、おもちゃの数々」という写真であった。

大台紙に、小台紙をビニール袋で被い、中に大型2個、小型2個が入っているのがわかった。 

この写真からは、中身のパチタコがどのタイプかは判別できなかった。

その後、この台紙と同じものを某クションで発見した。

大台紙のイラストは非常によく似ており、小台紙の数が写真では9個、このサンプルでは12個ホチキス留めされている。

これは、最下段の3個を販売した後、台紙の不要部分をカットした可能性がある。

このサンプルで中に入っていたのは、パチモンC型(小型)・H型(大型)と命名したタイプであった。

一つの小台紙には、H型が2個、C型が3個入っていた。

、前列がC型、後列がH型

このタイプは、普通目、ウインク、怒り目、泣き眠り目の4種で純正同様に彫り込みになっている。

(他のほとんどのパチモンでは、顔はエンボスになっている。顔の造形は純正とは似ていない。)

小型のC型は純正とほぼ同じ大きさで、大型のH型は、J型系やI型等の大型パチモンと同じ大きさである。

純正の泣き目と眠り目の区別がなく、両方の特長をもつ泣き眠り目という独特の顔があるが、

これは他の多くのパチモンにも見られる。他のパチモンではエンボスであるので、

このC・H型系は、多くのパチモンの基になったタイプである可能性が高い。

後列左からJ型、C型、前列左からA型、A2型、B型、C型、D型

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この大台紙完品のC・H型と前後して、「別冊太陽 子供の遊び集-明治・大正・昭和-」の写真に似ているクリアタイプが見つかった。

左からH2型(2個)、C2型

小台紙は前述のH・C型のものと同じで、同じ系列であることがわかる。

しかし、素材はH・C型よりもクリアで柔らかく、足の長さがH・C型よりも短かった。

顔は大型のほうが、怒り目と泣き眠り目の2種、小型は普通目が確認された。

このために、それぞれを左からH2型、C2型と命名した。

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さらに、このH型の系列で、顔の付く位置が口吸盤と足吸盤の間になってしまっているエラー品が見つかった。

小台紙はC型・H型、C2型・H2型のものと同じであった。

材質はH型よりも軟らかめで、吸盤の付け根の長さはH型、エラー品、H2型の順に短くなっていた。

左からH型、エラー品、H2型

小台紙と一緒に、エラー品2個、C型が4個見つかった。これが1セット分なのか、どうかはわからない。

このエラー品をH3型と命名した。

このように、共通な小台紙と一緒に、C・H型のバリエーションが見つかり、これらが一つのグループであることが判明した。

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ここまでC・H型の分析をおさらいしたところで、今回の発見品を紹介する。

タコチュープラケースである。

円筒形のプラスチックに、上面にシールが貼ってある。

中にはC2型が、緑、紺青、赤、ピンク、オレンジが合計11個入っていた。

セロハンテープが貼ってあった跡があり、ぴったり詰まっていることから、

当初から11個という半端な入数だったと思われるが、しっかり詰めれば12個入れられないこともない。

当初の入数は11個〜12個であったと幅を持たせたい。

(後述の様に、基本的には緑2個、紺青2個、赤2個、ピンク2個、オレンジ2個、黄色1個の11個で

色ごとの数は多少揺れはあったが、入り数は11個だったことがわかった。)

緑色はC型でも見つかったことのある黄緑色で、黄色味が強いものとそうでないものがある。

左からC型、C型黄緑色、C2型、C2型黄緑色

ピンク色はB・J型に見られたが、他にはない珍しい色だが、今回見つかったC2型のほうがクリアである。

左からB型、C2型

11個もまとまっており、色も5種類もあるのに、顔はウインクと普通目しかないことから、

C2型には、この2種類の顔しかない可能性がある。

先に発見した大型のH2型には、怒り目と泣き眠り目がみつかっていることから、

C2型にはウインクと普通目、H2型には怒り目と泣き眠り目のそれぞれ2種しかない可能性がある。

(その後、複数のサンプルを入手し、C2型にも4種類のデザインが全てある事がわかった。

大型のH2型にも4種類の顔がある可能性が高まった。)

左がH2型、右がH型

H3型も今まで怒り目しか見つかっていない。先の紹介したH3型と一緒に見つかったC型も普通目とウインクだった。

C型に比べて、C2型は本体球状部が丸く若干大きいように見えるが、

H3型と一緒に見つかったC型も丸みが強いように見える。

C型系は経年劣化による収縮が見られるので、これらの差が保存状態に起因することの可能性も捨て切れないが、

C2型でありながらC型に近い色をしたものが存在した可能性もある。

H型・C型は多数見つかっており、顔の種類はそれぞれ4種類が見つかっているが、

同じ顔の型で素材や型を変えつつ作った別のロットと思われるH2型やH3型では、顔の種類を減らしていった可能性が指摘出来る。

その後、同じ出品者の方から、同様のケース入りタコチューを入手したが、

入数は11個、色数はほぼ同じで、顔は4種類全てが見られた。

先に入手したものがたまたま2種類の顔しかなかったということがわかった。

大型のH2型についても、他の2種類の顔が見つかる可能性が出てきた。

複数サンプルを入手してわかったことは、色の安定性が良く無いことである。

緑系は2種類あるが、濁った色の方は特に違いが大きかった。

黄色も、色調に違いが大きかった。

左からオレンジ、それ以外は黄色のカラーバリエーション

オレンジ色とあまり変わらないものが多いが、黄色味が濃いものもあり、以前、小台紙と一緒に発見されたクリア素材のH2型よりもクリアな色調の物も見つかった。

左からH2型、C2型

タコチュープラケースをいくつも出した出品者は、最後にそれらがまとめて入っていた

大箱も出品してきた。早速入手した。

タコチュー大箱

箱は厚紙で仕切られ、2ダース(24個)のプラケースが並んでいたことがわかった。

「タコチュー」大箱の中身

詳細については「パチモンタコチュウC型・H型系の再検討 Part.2」を参照されたい。

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以前、H2型とC2型が発見された時、小台紙がC・H型と同じ台紙が一緒に見つかった事から、

非常に強い関係性の存在を指摘した。

しかし、H2・C2型は、材質的にはC・H型より柔らかい、クリアカラーが使用されている事、

形態的には本体がより球体に近く、吸盤の付け根が短かいことで、C・H型とは別種とした。

左からH2型、H型

H型と比較してH2型の口吸盤の短い事は明瞭で、本体も少し大きい。

他のH型や、箱入りの「キッスだこ」も確認したこの差は歴然としていた。

この時に見つかったC2型をみて、C2型の特徴として、クリアな素材であることと、

C型よりも脚吸盤の付け根が短いことを指摘した。

確かに、今回見つかった「タコチュー」も、軟質でクリアな素材であり、先に見つかっているC2型と同様の形態のものが見つかった。

良く見ると、吸盤が前方へずれており、脚の付け根の前方が後方よりも短くなっているのがわかる。

左からC2型、「タコチュー」に入っていたC2型

段々とサンプル数が増え、詳細に検討してみると、この「タコチュー」というケース入りのものにも、

脚の付け根が長いものがあることがわかった。

「タコチュー」に入っていたC2型

左のものは、最初に見つけたC2型と似ているが、まん中のは短いながらも少し脚が脚の付け根の前後の長さの差が小さくなっている。

さらに、右側の紺色のものは、吸盤が中心にあるように見え、脚は長く見える。

この機会に手持ちのC型を全て再検討すると、ほとんどが上掲の写真の右側のもののように脚が長いが、

一部に右側のような吸盤が前方にオフセットし、付け根の短いタイプもあることがわかった。

左から脚の短いC型が3個、C2型

C型のほとんどはこれに比べて、脚の付け根が長いことが再確認できた。

C型とC2型の脚の長いものを比較した結果、非常に似ており、

どちらの型にも脚の長短のあるタイプがあることがわかった。

左から、C型、「タコチュー」に入っていたC2型

..タコチュープラケースに入っていたC2型は、C型にはないクリアな色調であり、保存による劣化か、ベタついた手触りである。

本体の丸さや直径の大きさは、最初にC2型を分類した際に指摘したように、C型に比べてC2型の方が丸みが強く、直径が若干大きい。

そこで、材質の違いから、C2型をC・H型系列のなかの別亜種であるとする分類それ自体は今まで通りとするが、

識別点として、脚の長さは決定的な意味を持たないとすることを明記しておきたい。

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今回、幸運なことにプラスチックケースに入った状態で入手された。

特に意義深いのはこのケースに貼られたシールである。

直径は3センチの小さなものだが、「タコチュー」という商品名と「CHU!」という擬音が4つも書かれている。

この「CHU!」は、パチモンタコチュウF・J2型の商品名である「チュチュたこちゃんチュ」の元になった可能性が考えられる。

F・J2型のパッケージ

小台紙の「チュチュたこ」を発見したときはかなりの違和感を感じ、大台紙の「チュチュたこちゃんチュ」では、

この名前が何を意味するのか全く判らなかったが、後発メーカーが参考にしたときこの擬音も含めてタイトルと誤解して、このような名前になったと思われる。

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鉢巻をした大きなタコに小ダコが11個戯れているところが描かれている。

この11個という数が入数に合わせたものかどうかはわからないが、興味深い符合と言える。

C・H型系は、C・H型、C2・H2型、C・H3型のすべてが、厚紙製の小台紙とともに見つかっている。

C・H型系の小台紙

また、C・H型系は大台紙に、小台紙と袋詰めされてホチキス留めされて売られていたことがわかっている。

C・H3型では見つかっていないが、C・H型では原物が確認されているし、

C2・H2型では、「別冊太陽 子供の遊び集-明治・大正・昭和-」に写真がある。

C・H型系の大台紙の上部

これらの台紙イラストには多くの特長が見られる。

これらの台紙には商品名がなく、今回の発見でC・H型系がタコチューという商品名だったことがわかった。

大きなタコの目がロンパリであるのが目を引くが、タコチュープラケースのシ−ルのタコも目がロンパリになっていて共通している。

タコチュープラケースの頭部にキスをしている小ダコがいるが、これらの台紙にも描かれている。

右側が目を瞑ってまつげが描かれていることが共通している。

タコチューシール
小台紙
大台紙

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今回見つかったこのシールから、他のパチモンのパッケージとの共通点が多く見つかってきた。

シールに描かれた大ダコの鉢巻に注目すると、先に紹介したたこちゅうプラケースの台紙にも同じ水玉模様の鉢巻が描かれている。

この台紙が入っていた「たこちゅう」はB・J型のパチタコが入っていた。

B・J型は顔の種類がエンボスの普通目と泣き眠り目の2種類しかなく、

純正と同様に彫り込みで泣き眠り目を含む4種の顔を持つC・H型系よりも純正から遠いと考えられる。

パチモンH型は純正よりも大きいが、大型のサイズのパチモンには、

このH型とほぼ等しい大きさのタイプが多く見つかっている。

左からH型、J型、I型、J2型、J4型

このように純正の大きさと違うパチモンのサイズがデファクトスタンダードとして似てくるという現象は、

ピコタンの2パーツ大型パチモンでも見られた。

左からポーズブロック、ロボットパズル、マンガ人形ブロック

これらのパチモンはメーカーが違うことが判ってきているが、コレクション性を高めるために

相互に影響しあい、大きさにある一定の基準ができてきていたことがわかる。

しかし、H型をはじめとした大型の基準に合致しないものも見つかった。

左からH型、純正後期型、L型、K型

スペースインベーダーというブリキのUFO玩具等をセットしたブリスターパックに入っていたK・L型である。

これは先頃、「たこちゅうセット」という名称で、帽子型プラケースに入ったものが見つかった。

パチモンの形状の点からは、H・C型と非常に距離があるように思われていたが、

意外にもこの「たこちゅうセット」のシールに描かれていた眠り目と両目を瞑ったタコのキスしている意匠は、

H・C型の大台紙、小台紙、新たに発見されたケースのシールにも見られた。

さらにこの意匠は、他のB・J型(たこちゅうプラケース)、F・J2型(チュチュたこちゃんチュ)にもあることがわかった。

H・C型大台紙
H・C型小台紙
C2型タコチューシール
K・L・G型
B・J型
F・J2型
M型

並べてみると形状が遠いH・C型系とK・L・G型の右側のタコにリボンがあるという共通点がある。

さらに、全ての右側のタコは両目を瞑っている。H・C型系にはウインクはあるが、両目を瞑った顔は、どのパチモンにもない。

キスをしている右側のタコは眠り目系の顔になっている。H・C型大台紙のものは両目が描かれているが、

他の物は側面から見た絵になっていて片方の目だけになっている。

C2型のケースは大きさが4mm程度のため、瞳が省略されている。

F・J2型は眉毛が描かれているが、この台紙の絵はかなりラフで独特なものなので、

もとになった眠り目を独自に解釈したものの可能性がある。

M型(たこチュー)に至ってはキスしていないが、2個の小ダコの絡みということで共通点と見られないこともない。

これだけ同じ意匠があるということは、最初にパチモンを作った際に何か見本になるデザインがあった可能性がある。

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で・・・、

思い出したのが、純正の箱イラストで、案の定、キスしているたこちゅうを発見することが出来た。

純正最後期、スッポリタイプ用中箱

これらの箱は、スッポリ型が追加されたタイミングで作られた箱である。

ほとんどのパチモンがこの箱のデザインの影響を受けているということは、ほとんどのパチモンが、

純正の前後期の爆発的な流行時に間に合っていないということになる。

最後期のスッポリ型は、人気が一段落した際のてこ入れとして投入されたタイプというイメージがある。

これは、たこちゅうの生みの親である浅山守一が、「ノベルティーズ製作ヒント集 おまけの玩具(おもちゃ)」に書いている。

この記事ではたこちゅうがヒットし、それに合わせてパチモンが出回り、

あまりパッとしなかったパート2(スッポリ型と、それに合わせて作られた最後期型)が出たと書かれている。

前・後期はスッポリダコが描かれていない、赤い文字だけの箱が使われていたので、少なくとも箱には

キスしているたこは描かれていなかったはずである。

純正前・後期用の箱

純正の外袋は、スッポリ型が描かれたものの画像がネット上に見られるが、前・後期の時期のパッケージは見つかっていない。

もしかすると、この前・後期のパッケージに、キスしているたこちゅうのモチーフがあったのかもしれない。

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純正最後期の箱からキスしているたこちゅうを拡大してみた。

純正前・後期用の箱

右側は眠り目に見える。最後期には、純正の顔から眠り目が無くなっているのに、箱にはまだ描かれていたということになる。

このことから、前・後期の眠り目がある頃のデザインを、最後期でリニューアルした際に流用した可能性が考えられる。

そうすると、パチモンのパッケージのキスしているモチーフがあったとしても、最後期を待たずにパチモンが作られたと考えられる。

また、左側のたこちゅうは目を瞑っている。目を瞑ったデザインはウインクに見られるが、

ウインクの瞑った目は左側の目のため、この最後期の箱のイラストとは反対になる。

パチモンのパッケージを作るにあたってこのイラストを参考にしたとすれば、

ウインクしている物の他に、反対の目も瞑っている(両目を閉じている)ものがあると考えたのではないかと思われる。

パチモンのパッケージのキスのモチーフは、右側が眠り目で左側がウインクになっている。

わざと左右を入れ替えて、ちょっと工夫してみたのではないかと考えられる。

反転した際、純正の絵の間違いを修正するためには両目を瞑ったデザインにせざるを得なかったのではないかと想像出来る。

ここで、もう一度、それぞれのパッケージのキスのモチーフを見直してみると、

H・C型の大台紙のイラストのみは右側のたこちゅうは眠り目になっている。

H・C型大台紙

他のタイプは、最後期まで残っている泣き目のデザインの方に似ているように見える。

この一点から見ても、H・C型系のデザインが、他のパチモンのパッケージデザインに比べて、純正に近いと考えられる。

v

このキスをしている小ダコの意匠は、パッケージが得られたすべてのパチモンに見られることがわかった。

そこで、特徴的な意匠をいくつかピックアップして、どのパッケージに含まれるかをまとめてみた。

C・H型系 F・J2型系 M型系 B・J型系 G・K・L型系
H1・2、
C1・2
H1・2・3
、C1・2
C2 F・J2型 M型 B・J型 G・K・L型
大台紙 小台紙 ケースシール 大台紙 小台紙 大台紙 小台紙・タグ ケース台紙 ケースシール
名称なし タコチュー チュチュたこちゃんチュ チュチュたこ たこチュー 名称なし たこちゅう たこちゅう
セット
1、大型タコ ×
2、鉢巻 × × × × × ×
3、扇子 × × × × ×
4、キスタコ ○:泣き目 ○:泣き目 ○:泣き+瞑り ○:眉毛+瞑り × × ○:泣き+瞑り ○:泣き目ベレー
5、リボン ○:瞑り目 ○:瞑り目 × × × × × × ○:瞑り目
6、魚 ○:たいやき × × ○:ラフな絵 × × △:石、貝等 × ×
7、行列 ○:U字7個 × × ○:直線9個 ○:直線6個 × × × ×
8、海草 × × × ×
9、本体吸着 ○:怒り目 ○:怒り目 ○:怒り、普通 ○:眉毛あり ○:眠り目 × ○:怒り目 ○:怒り目 ×
10、3連結 × × × × × × ×

<項目の説明>

1、大型タコ

大きなタコを絵柄の中に描いているもの
2、鉢巻

メインのタコに鉢巻をしている
3、扇子

メインのタコが扇子を持っている
4、キスタコ

キスをしているタコチュウが描かれている
5、リボン

タコにリボンをつけている
6、魚

背景に魚が出てくる
7、行列

大ダコの廻りに行列したタコチュウがいる
8、海草

背景に海藻が描かれている
9、本体吸着

大ダコにタコチュウが吸い付いている
10、3連結

大ダコの上に3個連続でくっついたタコチュウがある

C・H型系 大台紙 C・H型系 小台紙 C・H型系 ケースシール

F・J2型系 大台紙 F・J2型系 小台紙

M型系 大台紙 M型系 タグ M型系 小台紙

B・J型系 ケース台紙 G・K・L型系 ケースシール

このように見てみると、最近になってバラバラに入手されたパチモンのパッケージのデザインには共通する要素があることがわかる。

これらの要素をもっとも色濃く、また巧く処理しているのが、C・H型系であると言える。

F・J2型系の大台紙は、あきらかにC・H型系の模倣であると思われる。

さらに造形がラフで、本体がタマゴ型のパチタコM型のパッケージは、やはり共通のデザイン要素の存在が指摘出来るが、

作画の傾向が写実指向に向ったため「海産物」に寄った絵柄になっている。

B・J型系は顔の種類がC・H型系より少なく、オリジナルから遠いと思われるが、台紙はC・H型系の影響を受けていることが見て取れる。

ケース台紙にしてこの共通性を持っているということは、発見されていないがB・J型系に大台紙があれば、

C・H型系とのデザインの共通性はより分かりやすく見られると思われる。

先に指摘したように、大型パチモンのサイズ自体が違っているという、他のパチモンと離れた存在と思われるG・K・L型系にすら、

キスしている意匠が使われていたことがわかった。

特に両目を瞑った顔は、純正にないことから、どこかのメーカーがパチモンのパッケージデザインに使用したアイデアであると考えられる。

先述の通り、このキスのモチーフは全てのパチモンに使われているということからも、パチモンの各系列間が

影響しあっていたことの証拠となると思われる。

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たこちゅうの純正品の発売期間は1年程。

その短期間に多くの駄玩具業者が、先を争うようにして多くのパチモンを作ったことが、

パッケージに見られるデザイン要素の重複ということからうかがい知ることが出来た。

当時の子供達はこれらのパチモンはパチモンとして認識しつつも熱心に集めたことだろう。

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それは、わかる。

でも、30年以上の時が流れて、時代はネットだなんだといって居る現在。

パッケージごと集めて分類して、その先に何があるのか・・・。

何かあるのか?((((((((((^^;)

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