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じゃあ、同じものだったってことで

非A型スッポリタイプの再検討

「たこちゅう」は、ロッテから1976年から1977年まで販売されたチョコレート菓子である。

菓子の味もさることながら、球に2個の吸盤がついだたけのシンプルだが親しみ易いデザインのオマケがついていたことから

当時は大ヒットして、その頃に小・中学生だった世代では今でも覚えている人が多い。

しかし、発売期間は1年間と短く、前後の世代にはほとんど全く知られていない。

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販売されていた頃は何しろ人気があって、菓子屋では売り切れてなかなか入手できなかった。

その人気に便乗し、駄菓子屋では多くのパチモンが販売された。

パチモンタコチュウの種類については、

タコチュウ分類一覧表」、

タコチュウ派生一覧表」を参照されたい。

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「たこちゅう」の発売期間は短かったが、時期によっていくつかの種類があったことがわかっている。

顔のタイプは3種類あり、そのうち2種類は水に浮く素材と沈む素材のそれぞれ2種類のバリエーションが見られる。

以下に、それぞれのタイプに付いてまとめてみたい。

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<純正前期型>

純正前期型

細いクリアな線で彫り込まれた顔を持つ。

水に浮く素材でできている。

顔は普通目、ウインク、怒り目、眠り目、泣き目の5種類がある。

色は水色、黄色、赤、オレンジの4色が見つかっている。

当時の記憶から、この水に浮くタイプの方がより古いタイプであると考える。

脚吸盤の付け根から吸盤へ向けて、タコの脚を表すと思われる、線状の突起がある。

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<純正後期型>

純正後期型

純正前期と同じ細めのクリアな線で彫り込まれた顔を持つタイプである。

素材は水に沈むものでできている。

顔は前期型と同じで、普通目、ウインク、怒り目、眠り目、泣き目と5種類がある。

色は水色、黄色、赤、オレンジ、緑、黒の6色が見つかっている。

形態的な特徴もほぼ同じで材質のみの違いと言える。

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<純正太目前期型>

純正太目前期型

顔の種類は同じだが、太いハッキリした線のデザインの純正。

水に浮く素材でできている。

顔は普通目、ウインク、怒り目、眠り目、泣き目の5種類がある。

色は水色、黄色、赤、オレンジの4色が見つかっている。

脚吸盤の付け根から吸盤へ向けて、タコの脚を表すと思われる、線状の突起がある。

純正に比して、吸盤が肉厚のものが多い。

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<純正太目後期型>

純正太目後期型

太目前期型と同様な形態だが、素材が違う。

水に沈む素材でできている。

顔は普通目、ウインク、怒り目、眠り目、泣き目の5種類がある。

色は3種類が確認されており、緑と黒が主で、オレンジのものも見つかっている。

純正後期同様に、水色、黄色、赤も存在した可能性が高い。

脚吸盤の付け根から吸盤へ向けて、タコの脚を表すと思われる、線状の突起がある。

純正に比して、吸盤が肉厚のものが多い。

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<純正太目型破損>

純正太目型破損

太目の顔に非常に似ているが、線が荒削りである。

水に沈む素材でできている。

顔は普通目、ウインク、怒り目、眠り目の4種類が確認されている。

泣き目は見つかっていないが、存在する可能性が高い。

色は2種類が確認されており、黄色が4個、緑が1個見つかっている。

純正や純正太目型に見られた脚吸盤の線状の突起はない。

本体直径が他の純正よりも若干小さく、吸盤も小さく薄く貧弱である。

出現数が極端に少ないため詳細は不明だが、スッポリタイプの非A型と一緒にみつかることから、

スッポリタイプが追加されたタイミングで新たに作られた太目型のバリエーションであると思われる。

スッポリ型が追加された時に作られた純正最後期型では、眠り目がなくなり、

普通目、ウインク、怒り目、泣き目の4種類になっていることから、

このタイプでは泣き目が省略され、顔の種類が4種類になった可能性もあるが、

出現数が極端に少ないため確定的な判断はできない。

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この型破損タイプも、某クションや某ショップでの発見が相次ぎ、

純正の前後期や太目の前後期同様に、5種類が発見された。

箱入りでの発見もあり、このタイプも純正のバリエーションの一つであることが確認された。

純正太目型破損

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<純正最後期型>

純正最後期型

たこちゅうの流行が下火になりそうになったためか、第二弾として新型のオマケを追加投入し、人気のテコ入れをしたことが、

ノベルティーズ製作ヒント集 おまけの玩具(おもちゃ)」という本に書かれている。

この時に追加された新形状のオマケをスッポリタイプと名付けた。

スッポリタイプの追加にあわせて、普通型のたこちゅうもリニューアルされた。

その新型を純正最後期型と呼ぶことにした。

色は青と赤の2色。顔は眠り目が省略されて、普通目、ウインク、怒り目、泣き目の4種類になった。

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純正たこちゅうは、紙製の箱に入ってパッケージに包まれていた。

純正前・後期、太目の前・後期とも、赤箱A型と名付けたタイプの箱に入っていた。

スッポリタイプが追加された時に作られた最後期型は、赤箱B型と命名したものに入っていた。

赤箱A型

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赤箱B型

両方とも表面はロッテのロゴが描かれ、

裏面には「くっつきたこちゅう どんどんあつめよう!」と赤色で印刷されている。

A・B型の違いはロッテの「テ」の字の一画目と二画目の間隔が、A型のほうが狭い事である。

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以上が、ロッテ純正のたこちゅうタイプのバリエーションである。

球体に、ほぼ同サイズの口と脚の2個の吸盤を持つもので、

同時期に駄菓子屋で売られていたパチモンもこの様なデザインであった。

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爆発的なヒットとなった「たこちゅう」であったが、流行がやや下火になったためか、

第二弾として、新しいデザインが追加された。

それまでのたこちゅうはほぼ全てが同サイズだったが、

新しく追加されたものは、大小2つの型が見られた。

脚の吸盤は大きくカップ型になっており、小型の頭部と、大型では頭部突起を包み込むようになっている。

口の吸盤は、たこちゅう型とほぼ同じであるが、付け根が細長くなっている。

この新型の純正たこちゅうを「スッポリタイプ」と命名した。

特異な形状のスッポリタイプ

大きなものは頭部に半球状の膨らみがあり、これは小さなほうの頭の大きさと同じに作られている。

このことから、カップ状の脚吸盤で、大小両方の頭部とくっつけることができる。

大きな方をスッポリ大型、小さな方をスッポリ小型と呼ぶ事にした。

顔の種類は、スッポリ大型が6種類、スッポリ小型が12種類見つかった。

左から:ウインク、怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結び

左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目

左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B、リボン、涙目

※にっこり→涙目に変更する(後述)

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このスッポリタイプにも、大別すると2つの系列があることがわかってきた。

サイト開設以前には、このスッポリタイプは、青いスッポリタイプ大型2個、オレンジのスッポリタイプ小型1個の

計3個しか見つかっておらず、その特異な形状からパチモンであると考えていた。

しかし、サイト公開とともに、当時を知る人から、掲示板等でスッポリ型がロッテ純正のバリエーションである事を知らされた。

某クションでデッドストック状態のものを入手出来るようになると、

最後期型と一緒に、まとめて大小のスッポリ型が手に入るようになった。

そのようにして入手したスッポリ大型が、今まで持っていたものと顔のデザインは同じだが、

別の型から作られたものである事を確認した。

以前からあったスッポリ大型と、デッドストックで入手したもの

青い方はサイト開設前、高校生の頃に譲り受けたもので、赤は某クション等でサイト開設後に入手した。

同じデザインだが、青い方は目が大きくおおらかな線で描かれている。

赤い方は顔がこじんまりしており顔のパーツがやや小さいことがわかる。

材質的には両方とも水に沈むが、青い方が赤いものより柔らかい素材である。

正面および側面

口吸盤は青い方は滑らかな曲線だが、赤い方は中央に円形の凹部がある。

口吸盤の付け根は青い方が下から出ており、直径も細くなっている。

脚吸盤は青い方が膨らみがあって、脚のモールドが長くはっきりしている。

側面からみると、青い方は左右の脚の間隔が狭くなっている。

下方より見る

脚吸盤を下から見ると、中央に肉抜き穴があけられている。

しかし、詳細に見ると、赤い方の穴の最奥部は平面になっているが、

青い方はピンで押したように中央がさらに一段深く窪んでいる。

これらの形状の違いから、別の型であると考える事ができる。

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当初、1個だけあったオレンジ色のスッポリ小型は、デッドストックの箱入りの状態で、同じタイプがどんどん見つかった。

スッポリ小型もサンプル数が増えていく中で、材質的により柔らかく、上述のスッポリ大型の青に近い素材のものも見つかった。

正面および側面

赤いものは、スッポリ大型の青に似た素材で柔らかく、顔は太いしっかりした線で描かれている。

口吸盤は赤い方は滑らかな半球状だが、オレンジ色の方は中央に凹部がある。

脚吸盤は赤い方は膨らみがあり、この点もスッポリ大型の青いものに似ている。

脚のモールドは、オレンジ色の方は正面の中央に脚があるが、赤い方はスッポリ大型と同様に、正面にはない。

側面からみるとオレンジ色の方は真横のパーティングラインに脚が重なっているが、赤いものは一致していない。

下方より見る

脚吸盤を下方から見ると、オレンジ色の方は滑らかになっているが、

赤い方は肉抜き穴があり、その中央には押し込んだような凹部が見られる。

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口吸盤の凹部の有無と、脚吸盤内側の肉抜き穴の形状の違いが生じた原因を考えるに、

生産の際の金型の構成が原因になっているのではないかと考えられる。

まず、一般的なたこちゅうの成型について、形状的な特徴を分析すると、

頭頂部に注入口があり、側面にパーティングラインが走っている。

客吸盤にはパーティングラインがなく、底面は滑らかな凹部になっている。

口吸盤の中央に凹部があり、かなり凹んだものも見つかっている。

このような特徴から推測するに、たこちゅうは、

以下のような3つの型でできていると思われる。

頭部から入れられた素材は下部の吸盤を形成する蓋で止められると考えられる。

その証拠に、脚吸盤にバリの有るものが見つかっている。

口吸盤を押さえる小さな型には、中央部に棒状の可動部があり、

冷却後、型から外すために押し出すようになっていると思われる。

口吸盤の凹部に注目すると、凹部の深さが違うものを見つける事ができる。

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同様な形態上の特徴に注目してスッポリ型を検討するするとスッポリ型も同じような成型金型の構成になっていたと思われる。

また、デッドストックのスッポリ型大小の口吸盤の凹部と、オレンジ色のスッポリ小型の滑らかな脚吸盤の形状も説明出来る。

赤いスッポリ大型(スッポリ大A型)の成型金型の構成(予想)

だが、先に指摘したように、スッポリ型でも別の系列(青いスッポリ大型)は

口吸盤のほうが滑らかで、大小とも脚吸盤の内部に棒状のパーツで押したような跡が見られる。

この形状は、A型とちがい、滑らかな口吸盤の型で材料を抑え、脚吸盤の奥に可動式の型を使って押し出したと考えられる。

青いスッポリ大型(スッポリ大B型)の成型金型の構成(予想)

口吸盤と脚吸盤の形状から、2種類のスッポリ型は、似たような形状では有るが、

その成型金型は、違った設計思想で作られた事が推測出来る。

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これらの特徴をまとめると、スッポリ大型の青と後から見つかったスッポリ小型の赤と、

当初からあったスッポリ小型のオレンジと、デッドストックで見つかるスッポリ大型の赤が同じグループであると考えた。

口吸盤が滑らかなグループ(B型)と、口吸盤に凹部があるグループ(A型)

この2つのグループのうち、口吸盤に凹部の有る方が、箱入りのデッドストック状態で多数見つかった。

そこで、口吸盤に凹部のあるものをスッポリA型とし、

柔らかい材質で作られ、口吸盤が滑らかで脚吸盤に膨らみの有る方をスッポリB型と呼ぶ事にした。

後述するが、スッポリA型ではないものは、いくつかの違いがあると見られるものがあり、

それを別の種類として分類する事としていた。

これらの、スッポリA型以外のものを、まとめてスッポリ非A型と称する事にした。

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先にも述べたように、スッポリA型と命名した方は、最後期型と一緒に見つかる事が多い。

また、某クションで入手される際も、箱入りでまとまって見つかる事が多かった。

この際、1箱あたり、最後期型とスッポリ小型は色違いで2個、スッポリ大型は1個が入っていた。

一度に入手されたスッポリA型(大・小)と最後期型

箱と中身の相関性はあまり確定的ではなく、赤箱B型に最後期型、青箱A型にスッポリA小型、緑箱A型にスッポリA大型が入っていることが多い。

しかし、必ずしも中身と箱は一致しないことも多い。

これは当時から違っていたのか、その後某クションの出品にあたって箱から出したために混乱したのかは不明である。

赤箱B型 .

青箱A型

緑箱A型

当時を知る人の記憶によると、「たこちゅう」が販売中止になる前、在庫一掃のためか、箱入りの組み合わせが乱れていたそうで、

実際に、スッポリ大型と最後期型が混在したものも見つかっている。

このような事から、箱の色と中身に混乱も見られるものと思われる。

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某クション等を丹念にみていると、上述の青箱・緑箱A型と違う箱が見つかった。

(左が違う青箱。右が青箱A型)

新しく見つかった青箱は、青箱A型とは以下の点で異なっている。

1、チュウしてる右側の目にラインがない。
2、チュウしてる右側の、足の線が4本ある。(今迄のは3本)
3、チュウしてる左側の足が4本だが、今迄のは一番右側の足の傾斜角度が急だが、今回のは4本とも放射状に出ている。
4、チュウしてる左側のウインク目のまつげが前のは4本だったが今回のは5本ある。
5、下段かぶってる上のスッポリの目の並んだ角度が違う。
6、かぶられたスッポリの足の最下部に横線がない。
7、右のスッポリの目の瞳が今迄のより大きく、白抜きになっている。
8、線が全体に太い。
9、ロゴとチュウタコの位置が近く、ロゴがちょっと上がっている。

中に入っていたのは、スッポリ小B型が2個であった。

同じデザインの緑箱も見つかった。

これにはスッポリ大B型が1個入っていた。

青箱も緑箱も同じ絵柄で、裏のキャッチコピーも同じものであることが確認された。

この箱をB型と称する事とした。

青箱B型

緑箱B型

後に、このB型の箱も、頻度は低いが、見つかるようになったが、

青箱にはスッポリ小型が2個、緑箱にはスッポリ大型が1個入っていることがわかった。

このところ、箱入りのスッポリ非A型といっしょに、型破損タイプが一緒に見つかる事が続いている。

青箱B型に入ったスッポリ小非A型2個、緑箱B型に入ったスッポリ大非A型1個、

それと、純正後期型と型破損タイプが、スッポリ型が追加される前からある赤箱A型の箱に入っていた。

他にも、青箱B型に入ったスッポリ小非A型2個、型破損タイプ2個が赤箱A型の箱に入っているのも見つかった。

それよりも前、見つかった時もスッポリ小非A型と一緒に入手された。

この時は箱入りではないこと、純正前期型、太目前期型、純正後期型も一緒に見つかっているので、

ある程度の期間に渡って集め、箱から出して遊んだものである可能性が高い。

出品者からは、全て「たこちゅう」のオマケの純正品で、

駄菓子屋が近所になかったため、パチモンを入手する可能性のない環境であったという証言をもらうことができた。

また、最初に型破損タイプが見つかった時は、やはり黄色のスッポリ大非A型と一緒に見つかっている。

一緒に見つかった型破損タイプと非A(C)型

このようにみてくると、型破損タイプは必ずスッポリ非A型と一緒に見つかり、

純正の箱入りも見つかった事から、型破損タイプは純正のバリエーションである事を確認できた。

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スッポリ大・小A型と純正最後期型は、スッポリ小A型に多少の引けが見られるが、

成型も素材の色も非常に安定している。

素材は硬い印象で、純正最後期型に似ている。

色は大が赤と黄色、小が黄色、緑、オレンジで、水色が一つだけ見つかっている。

スッポリA型のカラーバリエーション

スッポリ非A型は、出現数の少ない。材質は純正前期のようなねばりの有る比較的柔らかい素材である。

しかし、純正前期と違って水に沈む素材である。

色は大が青と黄色、小が黄色、赤、青である。大の黄色は1個しか見つかっていない。

(この黄色は、スッポリ大B型に比較して、小さい事と口吸盤の直径が小さいことから別種とし、スッポリ大C型とした。)

スッポリA型のカラーバリエーション

スッポリ非A型の大型は、吸盤の大きさや顔のデザイン等にばらつきが見られる。

例えば、当初から持っていたスッポリ大B型とした青いものと同じ顔の種類のものが見つかったが、

顔の型と素材の色が微妙に違っている。また、口吸盤の大きさも大小が見られた。

おとりあえず、この型違いを別種としてスッポリ大D型と称する事とした。

スッポリ大B型と大D型

純正後期型と純正太目後期型が同じ赤A型の箱に入ったものと一緒に、

緑B型の箱に入ったスッポリ大が見つかったが、これは背はスッポリ大B型に近いが口吸盤が小さいものであった。

この時点では、このスッポリ大型を別種として、E型ととりあえず命名した。

顔は怒り目であった。

赤箱入り純正とスッポリ大E型

さらに緑B型の箱入りで、怒り目のスッポリ大型が見つかったが、

これは大E型と命名したものに比べて口吸盤が大きかった。

このD型とE型のどちらにも似ているスッポリ大非A型を、一応D型の怒り目タイプであるとするが、

最終的にどのように分類するかは保留する事とした。

スッポリ大非A型のバリエーション

スッポリ小型にもB型と分類してよいか躊躇されるサンプルが見つかっている。

先に紹介した、純正各種とスッポリ小B型と一緒に見つかった、グリーングレーのスッポリ小非A型である。

並べてみると大きさや形状的な特徴は小B型に似ている。

吸盤は中央に凹部がなく、脚のモールドは正面にない。脚吸盤には肉抜き穴がある。

左からスッポリ小C型、スッポリ小B型、スッポリ小A型

発見当初は、顔のモールドが特にはっきりしている事、脚吸盤の肉抜き穴の直径が小さい事から別種とし、

スッポリ小C型と命名した。

左から2つ目がスッポリ小C型。他はスッポリ小B型

この8の字を横にしたような目は、スッポリ小A型のつながり目やシワチュウと似ているように思われた。

左から小A型つながり目、スッポリ小C型、小A型シワチュウ

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このように、スッポリ型の分類は不明確な点が多く、特に非A型に関しては、発見されたサンプルの数だけ

新しい型を設定しているような次第である。

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毎度のことだが・・・。

ここまでが前置き。

今までに判明したスッポリ型に関するまとめである。

で、ここからが、本題

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某クションで、スッポリ型を含む箱入り未使用品を入手した。

箱入りの純正が6箱。

青箱B型に入ったスッポリ小B型の青と赤の2個入りが4セット。

顔は7種類有り、泣き目、怒り目A、中目、にっこり、シワチュウ、つながり目、にっこり、下目であった。

青箱B型に入ったスッポリ小B型

脚吸盤の肉抜き穴はどれもほぼ同じ大きさであった。

しかし、先述の型からはく離するための可動パーツの差し込み型の違いによるのか、

穴の直径に多少の違いが見られた。

青箱B型に入ったスッポリ小B型

緑箱B型に入ったスッポリ大非A型が1個。

赤箱A型に入った純正後期の眠り目が2個セットで1箱であった。

左から純正後期の2個入りとスッポリ大非A型

....

今回、スッポリ小非A型に、箱入りのつながり目とシワチュウが確認できたことによって、

スッポリ小C型と命名したグリーングレーのスッポリ小型は、スッポリ小B型の一種である事が確認された。

左から小A型、小B型のシワチュウ、小B型のつながり目、小C型としたもの、小A型つながり目

スッポリ小C型と命名した際に識別点として指摘した、脚吸盤の肉抜き穴が小さいということに関しては、

改めて全てのスッポリ小非A型を調べたところ、同じように小さいものが見つかった。

左から小B型のシワチュウ、小C型としたもの、小B型2個

これは、青箱B型に入ったスッポリ小B型2個で、リボンと上目であった。

青箱B型と小B型リボン、上目

上目は以前に見つかったものは、脚の肉抜き穴が大きいタイプであった。

小B型上目大穴タイプ、上目小穴タイプ

比較しても、顔の表情に関しては明確な差異は指摘する事ができなかった。

小B型上目大穴タイプ、上目小穴タイプ

この事から、スッポリ非A型には、脚吸盤の肉抜き穴に大小の2パターンがあることが判明した。

これにより、今の所、スッポリ小型はA型とB型の2種類と分類を変更する事とした。

スッポリ小C型は、分類的には廃止とする。

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今回の収集により、スッポリ小非A型は、怒り目Bを除く11種類が確認された。

左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目

左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B(欠)、リボン、涙目

※にっこり→涙目に変更する(後述)

.スッポリ小B型に新しい種類が見つかり、12種類が確認された。

左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目

左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B、リボン、涙目

スッポリ小のA型には12種類が確認されている。

スッポリ小B型でも、同じ12種類が見つかった。

スッポリ小型の情報は、

「純正たこちゅうの分類と紙箱について」を参照されたい。

現在、スッポリ小A型は12種類が確認されている。

左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目

左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B、リボン、にっこり

出現数が非A型に比べて圧倒的に多いために、A型が先にあり、非A型が出来たと思っていたが、

今回、にっこりタイプとしていた顔の非A型が発見されて、あながちそう即断できないのではないかと思われる、

興味深い事実を発見した。

下の写真からもわかるように、A型のもの(右側)は右目の下にあるモールドは、横になっており、

片方の口角をあげているように見える。このために、にっこりタイプと命名した。

左から:スッポリ小非A型、スッポリ小A型

それに比べて今回見つかった非A型の方は、水滴型で、瞑った目から涙がこぼれているように見える。

スッポリ小非A型の涙滴型のモールドの方が、三本線の結んだ目と親和性が高い。

このことから、このデザインを「にっこり」から涙目に変更することとする

ただ、スッポリA型が入っている青箱・緑箱A型のほうが、

スッポリ非A型が入っている青箱・緑箱B型よりも、表面のイラストが細かくB型の箱のもとになったと思われるので、

この事のみで、どちらが先かを確定する事はできない。

多分生産工場が違う(あるいは外注?)ことによって、このような基本的には同じデザインでも

差異がでてくるものと考えられる。

....

今回、スッポリ大の非A型も一緒に入手されているが、

これは、以前、スッポリ大C型と分類したものと同じ縦結びタイプの顔デザインであった。

左から:スッポリ大C型、今回見つかったもの

全長はスッポリ大C型の方が若干小さいようにも見えるが、ほとんど変わらない。

今回見つかったものの方が、口吸盤の直径が大きい。

左から:スッポリ大C型、今回見つかったもの

側面から見ると口吸盤の直径の違いが良くわかる。

スッポリ大C型としたものは、口吸盤の深さも少なく、材料が巧く充填されなかったためか、上方が小さくなった。

本体部分は、今回見つかったものの方がC型よりも丸みを帯びて見える。

顔のデザインは縦結びであり、頭部突起の下部に鉢巻の線があり、前部に縦結びの結び目が見られる。

左から:スッポリ大C型、今回見つかったもの、スッポリ大A型

スッポリ大A型は鉢巻の結び目部分がエンボスで表されているが、スッポリ大C型と今回見つかったものは、線で描かれている。

目は二重の丸い線で、大A型は向って左の目kら左上方に線がモールドされている。

スッポリ大C型は結び目部分のモールドが楕円になっており、今回見つかったものは四角に見える。

スッポリ大C型は、結び目の下端が目の外側の線と離れているが、今回見つかったものは接している。

スッポリ大C型は、目の外側の線が太く、口吸盤の付け根でも分離しているが、今回見つかったものは合わさっているように見える。

向って左側の目の内側の線はスッポリ大C型は、外側の線と別れているが、

今回見つかったものは、口吸盤の付け根の上方で内外2本の線が接している。

以上の特徴から、今回見つかったものは、C型ではないと言える。

口吸盤の大きさから、とりあえずD型であるとしておきたい。

....

改めて、スッポリ大の非A型を比較してみたい。

現在、非A型は7個が確認されている。

左から:スッポリ大B型2個、スッポリ大D型2個、今回見つかったもの、スッポリ大E型、スッポリ大C型

左から:スッポリ大B型2個、スッポリ大D型2個、今回見つかったもの、スッポリ大E型、スッポリ大C型

左から:スッポリ大B型2個、スッポリ大D型2個、今回見つかったもの、スッポリ大E型、スッポリ大C型

B型は30数年前、千葉県に住むW君からもらったの中にあったもので、若干色が褪せている。

非A型の中でもひときわ全長が長く、口吸盤がひときわ大きい。

C型は唯一黄色であり、口吸盤が小さく、本体前面(顔の部分)が比較的扁平である。

ただ、かなり汚れが見られ、C型の形態的な特徴なのか、ダメージを受けたこのサンプルのみの特徴なのかが見極めにくい。

D型は、B型ともC型違うタイプと言うことで命名した。吸盤がB型とC型の中間の大きさである。

どれも緑箱B型に入ってデッドストックの状態で入手した。

現在、D型とされるサンプルは3個が確認されている。

顔も3種類で、りぼん(B型にもある)、縦結び(C型にもある)、怒り目(E型にもある)と、

どれも他のタイプとダブっている。

このため、このD型がもっとも一般的なスッポリ非A型である可能性がでてきた。

左から:D型・B型りぼん、D型・C型縦結び、D型・E型怒り目

E型は緑箱B型に入っていた。見つかったE型は顔は怒り目で、D型の怒り目ち良く似ている。

口吸盤の直径がC型程ではないが、やはり小さいことから別種とした。

C型よりも本体前面が膨らんでいることも別種とした根拠としてあげられる。

ただ、C型としたサンプルは保存状態が良くないために変型した可能性が否定できず、

C型とE型をわける必要があるかどうかが確認できていない。

左から:D型縦結び、D型怒り目・E型怒り目、C型縦結び

....

スッポリ大A型はウインク、怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結びの6種類あるが、

スッポリ大非A型は4種類しか確認されておらず、そのうちの3種類では型違いと思われる変異種が見つかった。

現在は全長と口吸盤の大きさで分類するのがよいと考えるが、如何せんサンプル数が少なく、確証を持つには至っていない。

とりあえず、今回見つかった縦結びはD型とし、スッポリ大B型〜E型の分類は一応継続するが、

これ以上の細分化はせずに、スッポリ大非A型として一括りの大きな分類の中で検討し、

今後のサンプル数の増加を待って研究を継続していく事としたい。

....

なお、今回見つかった純正後期は、吸盤の形状が違っていた。

同じ純正の中でも吸盤の型違いが同じ箱から見つかった事から、

吸盤の形状の違いは分類上の大きな要件ではないことがわかった。

同じ赤箱A型に入っていた純正後期型

....

某クションで、また純正の非A型の箱入りが入手された。

今回入手された箱入り

赤箱A型、緑箱B型が各2個で、中身は純正後期の青・黄色が各3個、スッポリ大の非A型が2個であった。

普通、スッポリ大型は緑箱に1個だけ入っていることが多いので、

赤箱に、スッポリ大型と純正後期が1個ずつ入っているのは珍しい。

これは赤箱には純正後期が2個、緑箱にはスッポリ大型が1個入っていて、

赤箱が1個失われたため、スッポリ大型の箱に1個ずついれた可能性がある。

ただ、生産終了に近くなると箱と中身の対応が崩れたという証言もあるので、

スッポリ大型と純正後期のミックスは、生産終了前の混乱を示すものかもしれない。

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今回見つかったスッポリ非A型は、「眼鏡」が2個であった。

一つは極端に吸盤が小さく、今まで見つかったスッポリ大非A型のうちで最小の大C型よりも小さい。

左から:今回入手の大非A型、スッポリ大C型

側面形もスッポリ大C型に似ている。

左から:今回入手の大非A型、スッポリ大C型

しかし、側面から見ると、吸盤の直径が小さく、口の付け根が吸盤のほぼ中央にあり、スッポリ大E型に似ている印象を受ける。

今回見つかった眼鏡タイプは顔が酷似しているのに吸盤の直径が違うように見える。

このことは、吸盤の差異や顔の型違いは、型式の分類に寄与する程決定的な条件ではなく、

非A型という大きな括りの中で出てくる個体差である可能性を示唆する。

スッポリ大非A型は出現数が少ない上に、上記のような小さな差異が多くあり、分類は確定できない。

吸盤の違いや、顔の型違いなどあることを含めて、スッポリ大A型に対するものと、ざっくりとわけるのが正解であると思われる。

暫定的ではあるが、この2個の眼鏡タイプはE型と分類しておきたい。

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今回の眼鏡の発見によって、非A型にも5種類の顔が確認された。

左から:怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結び

スッポリ大A型には6種類の顔が確認されているので、大非A型にもウインクが存在することが予想される。

左から:ウインク、怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結び

スッポリ大非A型のウインクを今後も捜索し、コンプリートを目指したい。

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.スッポリ大非A型に新しい種類が見つかり、6種類が確認された。

スッポリ大非A型(左から:ウインク、怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結び)

スッポリ大のA型には6種類が確認されている。

スッポ大非A型でも、同じ6種類が見つかった。

純正たこちゅうの種類については、

「純正たこちゅうコンプリート」を参照されたい。

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いやぁ・・・。

今回はたった6箱の箱入りたこちゅうから、多くの事が見えてきた。

スッポリ小C型が廃され、スッポリ大D型が標準的な非A型である可能性が高まり、

純正後期の吸盤形状が違うものも同時期に流通していた事が確かめられ・・・。

このページを通読して理解すれば、純正たこちゅうの概要を把握出来るということですよ。

まぁ、理解出来れば、ですけどね。

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40年前のオマケですよ。

今さらわかったからって、どうなるもんじゃないんですけどねぇ。

わかんなくても、別にいいんですけどね。

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