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ミッシングリンク?

スッポリ新型と新種の箱

「35,000なんて地味なキリ番、踏んじゃいました」

「では、いいものを特例で・・・」

というわけでいただいてしまいました。新種の箱とスッポリ。

ぜんまいさん、いつもホントに、ホントに申し訳ないっす。m(__)m

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で、送っていただいたのが下の写真にある、スッポリ小・箱付きである。

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「たこちゅう」の箱は現在まで、赤・青・緑の3種が知られている。

赤いものは.比較的古く、ふつうの「たこちゅう」もこの箱であったそうでスッポリタコになっても使われていたらしい。

青の箱は絵を見ても分かるようにスッポリが追加されて作られたものと思われる。裏面も「仲間が増えた」と書かれている。

緑はこれの色違いで、スッポリ大と純正後期が一緒に入っていたことから最後期まで使われ続けたと思われる。

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で、今回送っていただいた青箱であるが、よく見ると今迄多数入手したものと違っている事がわかった。

下記に相違点を列挙してみる。

(左が今回の青箱。右が今迄の青箱)

1、チュウしてる右側の目にラインがない。
2、チュウしてる右側の、足の線が4本ある。(今迄のは3本)
3、チュウしてる左側の足が4本だが、今迄のは一番右側の足の傾斜角度が急だが、今回のは4本とも放射状に出ている。
4、チュウしてる左側のウインク目のまつげが前のは4本だったが今回のは5本ある。
5、下段かぶってる上のスッポリの目の並んだ角度が違う。
6、かぶられたスッポリの足の最下部に横線がない。
7、右のスッポリの目の瞳が今迄のより大きく、白抜きになっている。
8、線が全体に太い。
9、ロゴとチュウタコの位置が近く、ロゴがちょっと上がっている。

緑箱は今迄あった青箱の色違いということで別に不思議はないが、今回の青の別バージョンというのは非常に不思議である。

もし、同時に他の場所で印刷しなければいけないとしても、もとのイラストから作った印刷用の版を

他の工場に送れば、版を作り直す費用もかからず簡単にできる。

しかし、このように全く違うものの場合、イラストを越し直す費用、それをもとに版を作る費用等、

色違いの様に同じ版を使うときとは比べ物にならない程の費用がかかる。

また、基本デザインは同じだが、10個所もの細かな相違点があるということは、どちらかを手本に書起したことをうかがわせる。

印刷時に同じ絵柄を沢山複製して、一枚の紙に一度に印刷する「面つけ」ということが行われるが、

両方の絵柄を一枚の紙に描いて印刷したと仮定すると2種類が同じ数だけ作られることになる。

しかし、某クション等でかなり広範囲に入手しても、この新しい箱は今迄出てこず、現在もこの一個しかない。

ということは、これらの2種類の絵柄は、全く独立して製造されたものであると考えざるを得ない。

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さて、その箱の中に入っていた中身であるが、これがまた不思議なものであった。

左:いままでのスッポリ小、右:今回見つかったスッポリ小

色は黄色と赤で、表情は今迄もあった縦ジワチュウとウインクだったが、目のモールドが太くなっていた。

材質は水に沈むが、今迄のスッポリ小は緑・黄色・オレンジばかりで、最近、前・中期純正と一緒に某クションで

たった一個入手しただけの赤でこの点、非常に珍しい。もう一個の黄色の方は、純正中期の水に沈む黄色に近く、

スッポリ小の黄色のクリアな感じではなかった。

形状は今回のスッポリ小は今迄のに比べて、下記の違いが見つかった。

1、頭が今迄のに比べて前後に若干長い。
2、目のモールドが太い。
3、口の吸盤の直径が少し大きく、吸盤中央部に凹部がない。
4、口が少し長い。
5、今迄のは口の下に足のモールドが来ていたが、今度のは45度ずれて、前から見て口が吸盤の間にある。
6、上記の足の位置の違いから、前後の合わせ目が、今迄のスッポリが側面の足の上にあるのに対し、足と足の間に合わせ目が走っている。
7、足の吸盤の下部が若干絞られたシルエットになっている。
8、足吸盤に肉抜きの穴がある。

右から、今迄の小、今回の小、大B型、大A型

特に肉抜きの穴は親スッポリには見られるが、今迄の小スッポリにはない、非常に特徴的な点である。

穴の大きさは大B型に近く、やはりこの系統との関連性をうかがわせるものがある。

これだけ見ても今迄のスッポリとは違うことが分かる。

このスッポリを今後、「後期・小B型」と称することとする。

※詳細は「タコチュウ分類一覧表」「純製新型の分類」を参照のこと。

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このページでいつも貴重な証言をしてくれているかとう氏によると、

「スッポリには前期と後期がある。前期は純正前期と同じ水に浮く素材で、顔はシワチュウが多く、

他にも種類がいくつかあった。色は赤と黄色が主であった。」ということであった。

今回のは、水に沈む素材ではあるが、色も赤と黄色であり、もう一個の赤が某クションで入手されたときも

一緒にあったのが比較的前期の純正であったことなどから、今迄のよりも古いのではないかと思われた。

純正の時も、水に浮く前期タイプ→水に沈む前期タイプ→水に沈む後期タイプという流れがあったので、

スッポリにもこの「前期型で水に沈むタイプ」が存在した事を示唆するサンプルであると想像された。

しかし、かとう氏の記憶によると、スッポリの初期型は目の線が細く、小A型の素材違いであったことは間違いないそうで

この目の太いものはもっと後期に新しく出てきたものであるとの意見をいただいた。

前述の箱の版の違いと、基本的なデザインは踏襲しながらも形状に著しい特徴を見ることが出来る今回の小スッポリの発見で

純正タコチュウも複数の工場で生産されていた可能性が非常に高くなったと言うことが出来る。

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今回、この小スッポリを新種と分類したことにともない、先日、赤の後期・小B型と一緒に入手した、

少し全長の小さい黄色のスッポリ親だこを、暫定的に「後期・大C型」と分類することにした。

スッポリ小の生産工場が複数ある可能性から、親ダコにしても、2個所以上の工場で作られていた可能性が出てきた結果、

比較的類似点の多い後期・大B型と後期・大C型は、念のため別種と考えておくことにする。

スッポリ親ダコにも、今回発見された後期・小B型と同様の太目もあった可能性が指摘されるが、

このあたりの分類にはまだまだ不確実な要素が多く、今後の研究を待つことにする。

パチモン大型の青いものが、スッポリ小B型と同じ、太い線で書かれた箱に入って見つかった。

今回発見された箱は緑色であった。

(この発見レポートは「スッポリ大型の新種とたこちゅうの箱に関する考察」を参照されたい)

形状的にはスッポリ大B型とC型の特徴を併せ持っていることがわかった。

このため、このスッポリ大型を新しくD型と分類することにした。

大C型といい、大D型、さらには顔のデザインが違っている小C型と、

最後期型と一緒に入っていた大A型・小A型以外のスッポリは、

少数ずつさらに多くの系列が存在していた可能性をうかがわせる。

このA型以外のスッポリ型に関しては、今後の新たなサンプルの発見を待ち、慎重に分析する必要がある。

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たこちゅうの箱に関しては6種類あり、箱と中身には関連性がある可能性が高いことが確認された。

スッポリD型の特徴や、箱の種類と入っているたこちゅうの種類は、

「スッポリ大型の新種とたこちゅうの箱に関する考察」を参照されたい。

スッポリ大非A型は、現在、7個が確認されている。

新しく見つかった4個は全て緑箱B型に入って見つかっており、スッポリ大非A型は緑箱に入っていた可能性が高い。

左から:スッポリ大B型2個、スッポリ大D型3個、スッポリ大E型、スッポリ大C型

D型と称することにしたタイプは口吸盤の大きさが中ぐらいで、他のタイプと顔デザインがダブる事から、

もっとも一般的なタイプではないかと思われる。

しかし、サンプル数が少ない上に顔のデザインにも型違いが見られる事から、

それぞれ別種なのか、亜種レベルでの違いなのかは、今後の研究を俟ちたいと思う。

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.スッポリ小C型について、

スッポリ小B型のつながり目とシワチュウが見つかり、

特徴とされた肉抜き穴の直径に関しても、上述の穴の小さいスッポリ小B型が発見された事から、

スッポリ小B型に含めることにした。

左から小A型、小B型のシワチュウ、小B型のつながり目、小C型としたもの、小A型つながり目

スッポリ小型の情報は、

「非A型スッポリタイプの再検討」を参照されたい。

.スッポリ小B型に新しい種類が見つかり、12種類が確認された。

左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目

左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B、リボン、にっこり

スッポリ小のA型には12種類が確認されている。

スッポリ小B型でも、同じ12種類が見つかった。

スッポリ小型の情報は、

「純正たこちゅうの分類と紙箱について」を参照されたい。

.スッポリ大非A型に新しい種類が見つかり、6種類が確認された。

スッポリ大非A型(左から:ウインク、怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結び)

スッポリ大のA型には6種類が確認されている。

スッポ大非A型でも、同じ6種類が見つかった。

純正たこちゅうの種類については、

「純正たこちゅうコンプリート」を参照されたい。

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なお、このページの画像および考察は、ぜんまい太郎氏にサンプルを提供していただき、

かとう氏の記憶をもとにtadatakoが個人的に考察したものであるので、文責はtatdatakoが負うものである。

一切の内容の無断転載、流用を禁止する。

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