附)純製新型の分類

(開設当初の記事のため、内容が古くなっている。文末のリンクから最新記事を参照されたい)

新型「たこちゅう」(小をスッポリコダコ、大を親ダコと称されていた。)は、その形状の特異さからパチモンの一種と考えていたが、このページの掲示板の情報によると、純製の新しいタイプのものであるということがわかった。箱入りの状態の新型「たこちゅう」を多数入手したので分析を試みることにする。

タコチュウの箱(右:A型、左:B型、右下:C型、左下:D型、)

箱には4種類が確認されている。赤い印刷のものをA型、青い印刷のものをB型、緑色をC型と称することにする。更に青色の印刷で別版が確認されたので、これをD型とする。A型の方が古い様で前期から通して見られる。青い方は新しく増えたスッポリコダコの図入りで「なかまがふえた」ことを告知している。A型、B型ともに中身は、後期型×2・新型(小)×2・新型(大)1個が入っていた。C型には親ダコと後期普通ダコが一個ずつ入っており、後述の在庫処分期の組み合わせであることから、緑色の箱は比較的後になってから追加されたものではないかと思われる。

※純正の箱については、3色に各2種類のバリエーションが確認された。

詳細は「タコチュウとは」を参照されたい。

D型は一箱しか見つかっていないが、中からスッポリ小B型が見つかったことから、発売時期か生産工場の違いによるものと思われる。B型の箱とD型の箱には下記の違いが発見された。

1、チュウしてるの目にラインがない。
2、チュウしてる右側の、足の線が4本ある。(今迄のは3本)
3、チュウしてる左側の足が4本だが、今迄のは一番右側の足の傾斜角度が急だが、今回のは4本とも放射状に出ている。
4、チュウしてる左側のウインク目のまつげが前のは4本だったが今回のは5本ある。
5、下段かぶってる上のスッポリの目の並んだ角度が違う。
6、かぶられたスッポリの足の最下部に横線がない。
7、右のスッポリの目の瞳が今迄のより大きく、白抜きになっている。
8、線が全体に太い。
9、ロゴとチュウタコの位置が近く、ロゴがちょっと上がっている。

たこちゅうの箱に関しては6種類あり、箱と中身には関連性がある可能性が高いことが確認された。

「スッポリ大型の新種とたこちゅうの箱に関する考察」を参照されたい。

一緒に入手した純正はタコチュウ派生一覧表で言うところの純正最後期型であった。色は赤と水色が一個ずつであった。この中に眠り目は入っていなかった。今迄の純正最後期型のサンプルにも眠り目は入っていないため、純正最後期型が、スッポリコダコと共存していた最晩期のタイプで、なんらかの理由で眠り目が無くなった可能性が指摘できる。一番サンプル数の多いパチモンC型に、眠り目がないのは、この時期のタコチュウをもとにパチモンを作ったからであるとも考えられる。

新型は、小が緑、黄色、オレンジ、水色の4種がある。大は赤と黄色の2種であった。小の色の組み合わせは、オレンジと黄色、オレンジと緑の2種類であった。ほかにも緑と黄色の組み合わせがあったことがほかのサンプルから確認された(ぜんまい太郎さん提供)。その後、新型小の赤が見つかり小は5種のカラーバリエーションが確認された。さらに最近の考察では、この赤は別のタイプ(小B型)であることがわかり、これには赤と少しくすんだ黄色、青があることが確認されたため、A型4色、B型3色があることがわかった。新型の大については以前より水色を持っているが、これは別の型(B型)であるので、A型2色B型1色が確認されている。

新型(スッポリダコ)カラーバリエーション
上段左から大A型黄・赤、大B型青
下段左からコダコA型4色、コダコB型黄・赤・青

新型の顔のバリエーションは予想以上に多く、小が12種類、大が9種類見つかった。しかし、それ以前のタコチュウとちがって顔の線は非常にラフで、同じ顔でもかなり違いが見られる。また、スッポリコダコは、それまでのタコチュウに比べて形状が複雑なため、より高度な成型技術が使われていると思われるが、顔の造形に関しては、それまでのタコチュウの方が均質性が高い。型が複雑なためか、サンプルによっては引けも見られ、成型の困難さが伺われる。

(左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目)
(左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B、リボン、涙目)

今回、D型の箱に入っていた小スッポリを詳細に検討した結果、スッポリ小にも2種類あることが判明した。今迄のスッポリを小A型、今回新しく見つかったものを小B型とする。下の写真の赤いのが小スッポリB型である。頭の直径はあまり変わらないが、足の吸盤の下部が少し絞られた形になっており、小A型の吸盤の下に足のモールドがあるのに比べて、小B型はモールドの間に吸盤がある。これに関連して、側面のパーテーションラインが、小A型では足の上にあるが、小B型では足の間にある。口は小B型の方が長く、吸盤の中央部に円形の凹部がなく吸着力に優れている。現在確認されているのはウインクと縦ジワチュウの2種類であるが、他の表情のものもあることが考えられる。小A型に比べて目などが大きく、太い線でモールドされている。材質は水に沈むが、小Aに見られない赤があることが大きな特徴で、他に黄色がD型の箱に一緒に入って発見された。これは小A型の黄色に比べ若干白っぽく、純正C型に用いられた材質と同じように見える。某クションで小B型の赤1個が、純正A型やC型といった比較的初期のタイプと一緒に落札されたことから、多く見つかっている小A型より、時期的に前からあった可能性が高い。しかし、これらの相違が時期的なものか、それとも生産工場の違いかは企業側の資料が得られない現在では結論を出せない。その後、かとう氏から情報をいただいたが、今回の小B型は比較的後期に出てきた記憶があるとのことであった。前期のスッポリ小は小A型と同じような細目だったということで、純正にもいくつかの型が並行して存在したことをうかがわせるものであることがわかった。

スッポリ小B型(右側の赤いもの)

他にもスッポリ小B型にはA型にない特徴が発見された。それは下部の肉抜き孔でこれは親ダコには見られるがスッポリ小型には見られなかった特徴で、孔の大きさからも大B型に近い特徴がある。

右から、今迄の小、今回の小、大B型、大A型

なお、大については、現在9種が確認されている。このなかで、リボン、にっこり、片メガネの3種にそれぞれ2バリエーションがあり、A型に見られる6種類の顔でB・C型用の2バリづつの12種類が存在したことが考えられる。このうち、Aタイプの6種は赤と黄色があり、最近箱入りで入手したものである。それに比して、Bタイプのリボンとにっこりは以前入手したもので、青スッポリはこの2個しか現存しない。縦結びBは少し背が低く吸盤の直径も小さいが、これは保存状態が悪く、高温などにより変質した可能性が考えられる。これらのことからスッポリ親ダコには、少なくとも2種のバリエーションがあり、縦結びBのサイズの違いが元からのものであるとするとリボンB、にっこりBのタイプと縦結びBの2亜種があったことが考えられる。縦結びAは鉢巻きが太い一本線だが、縦結びBは鉢巻きが細い輪郭線で描かれている。怒り目Aの鉢巻きも太い一本線であるので、怒り目にも鉢巻きが細い輪郭線でできたBタイプの存在が予測できる。同様なバリエーションがウインクにもあったことが予想される。また、にっこりAは頭の突起が帽子に見立てられ、つばが付いている。この成型はかなり高度な技術が必要と思われ、Aタイプの方が後から出たのではないかと思われる。また、下記のかとう氏の回想に出てくる初期型が赤と黄色が多かったということからも、当初のスッポリはこのBタイプを使いゴム素材であったのを、プラ素材に変えた時点でのサンプルではないかという推論も行える。

(左から:ウインク、怒り目、リボンA、にっこりA、眼鏡、縦結びA、リボンB、にっこりB、縦結びB)

また、AタイプとBタイプを詳細に比較すると、Aタイプは吸盤が本体の中央部から出ているが、Bタイプはスッポリコダコと同様に本体の下方から出ている。また本体部分がA型は比較的縦長だが、Bタイプは丸みがある。同様に上部の突起がBタイプの方が大きい。かとう氏の記憶によるとゴム製素材のスッポリ前期型は比較的上部突起が大きかった印象があるとのことなので、Bタイプのプロポーションは比較的前期スッポリの形状に近いものかもしれない。

縦結びB型は某クションで小スッポリ小B型と、純正の比較的初期のものと一緒に入手した。保存状態が余りよくなかったので、大A型と違うということで大B型に分類したが、大B型よりも全長が小さく口がより下方についていることからここでは新しく大C型として別種とすることにした。目の大きさや吸盤中央の凹部がないことは大B型に類似しており、大B型が熱等により変形した可能性も否定できない。

(左から:縦結びA、縦結びB、リボンA、リボンB、にっこりA、にっこりB、)

「たこちゅう」蒐集家であった、かとう氏の記憶によると、今回入手したスッポリコダコ(スッポリ小型)は後期の型で、素材は水に沈むプラスチックを用いている。タコチュウの普通型の後で、このスッポリタイプが出現したが、出現当時の材質は、前期の普通タコチュウの時と同様に水に浮くゴム素材を用いて作られていたということであった。(このタイプをスッポリ前期型と称することにする)このゴム素材のスッポリコダコは、上の分類で言うところのシワチュウ(おでこが横シワで目が◎)が殆どであったそうである。顔のバリエーションが現れたのは、後期になってからと記憶しているとのことであった。またオヤダコの頭も少し小さめで形状が違っていたということである。初期は赤と黄色が主で青は珍しかったということである。

その後、プラ製のスッポリ後期型が普及し、様々な顔が作られたものと思われる。また、カラーも緑やオレンジが加わった。しばらくすると、スッポリ後期型ばかり出ていたのに、また急に普通タコ2個入りが混じるようになった(これは、今回のサンプルに普通ダコが入った箱が見いだされること、当時スッポリコダコに見慣れていたところで普通タコが入った箱が混ざるようになったのをを懐かしく思ったというかとう氏の経験談からも正しいと思われる)。

スッポリはコダコ2個が一箱が普通だったが、希に親ダコとコダコが各一個の箱があった。さらにその後では、普通タコとスッポリコダコが同じ箱には行っていたり、親スッポリと普通タコが同じ箱にはいっていたりと、大分生産ラインに混乱が生じたことが伺われタコチュウが店頭から消えていったということであった。

つまり、普通型タコチュウからスッポリ系への移行には、次のような段階が考えられる。
普通タコ後期→前期スッポリ→後期スッポリ→後期スッポリ+普通混在→最晩期のごちゃごちゃ

箱についてはやはり赤い印刷のA型が普通タコの初期からあり、青いB型が出てきたタイミングについては記憶が無いとのことであるが、3種類のイラストが有ることから、スッポリコダコが出てきたときから使用されだしたことが考えられる。赤いA型は始めからずっと継続的に使われていたようで、青いB型の方がスッポリダコの出現に合わせて特別に作られたタイプであることが考えられる。

ぜんまい太郎氏から、緑色の印刷の箱を提供された。中には後期スッポリ親ダコと後期普通ダコが一個ずつ入っていた。これは最晩期のごちゃごちゃ期の組み合わせなので、緑の箱は出現のタイミングは不明だが最後まで使われていたことがうかがえる。

ぜんまい太郎氏から青別版(D型)に入った小B型を提供された。これにより、純正にも複数のバリエーションが見つかって、生産工場がいくつかあったことの証左になったことは意義深い。

(以上、かとう氏の記憶をもとにtadatakoが記したもので、文責はtadatakoにある)

※スッポリには小C型と分類すべき新しい種が発見された。また、形態的な特徴の再検討から大C型は大B型とは違う系統である可能性が高まり、全く別の亜種と考えられる事が、同時に発見された太目型破損の分析によりわかってきた。

詳細は「純正たこちゅうの分類に関する新視点」を参照されたい。

左からスッポリ大C型・小C型

パチモン大型の青いものが、スッポリ小B型と同じ、太い線で書かれた箱に入って見つかった。

今回発見された箱は緑色であった。

形状的にはスッポリ大B型とC型の特徴を併せ持っていることがわかった。

このため、このスッポリ大型を新しくD型と分類することにした。

大C型といい、大D型、さらには顔のデザインが違っている小C型と、

最後期型と一緒に入っていた大A型・小A型以外のスッポリは、

少数ずつさらに多くの系列が存在していた可能性をうかがわせる。

このA型以外のスッポリ型に関しては、今後の新たなサンプルの発見を待ち、慎重に分析する必要がある。

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たこちゅうの箱に関しては6種類あり、箱と中身には関連性がある可能性が高いことが確認された。

スッポリD型の特徴や、箱の種類と入っているたこちゅうの種類は、

「スッポリ大型の新種とたこちゅうの箱に関する考察」を参照されたい。

D型の発見以来、2個の非A型系のスッポリ大が発見された。

どちらもB型の緑の箱に入っていたので、スッポリ大非A型は緑箱に入っていた可能性が高い。

左からスッポリ大B型(2個)、C型、D型、E型、D型と思われる発掘品

最新の入手品はD型とE型の両方の特長を持っていた。

そのため、B型以外の4個(あるいはB型も含めて)の非A型が、

それぞれ別種なのか、亜種レベルでの違いなのかは、今後の研究を俟ちたいと思う。

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.スッポリ小B型も新しい種類が見つかり、6種類が確認された。

スッポリ小B型

スッポリ小のA型には12種類が確認されている。

このB型も、同じ顔の12種類が存在したか、これも継続して調査して行きたい。

最新のスッポリタイプの情報は、

「純正型破損タイプと非A型スッポリタイプ Part2」を参照されたい。

.スッポリ小B型に新しい種類が見つかり、12種類が確認された。

左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目

左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B、リボン、にっこり

スッポリ小のA型には12種類が確認されている。

スッポリ小B型でも、同じ12種類が見つかった。

また、以前は「にっこり」タイプと命名したが、スッポリ小B型で同じタイプを確認したところ、

目の下の涙滴型が涙である事が確認できたので、「涙目」タイプと、呼称を変更する事とした。

左から:スッポリ小非A型、スッポリ小A型

スッポリ小型の情報は、

「純正たこちゅうの分類と紙箱について」を参照されたい。

.スッポリ大非A型に新しい種類が見つかり、6種類が確認された。

スッポリ大非A型(左から:ウインク、怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結び)

スッポリ大のA型には6種類が確認されている。

スッポ大非A型でも、同じ6種類が見つかった。

純正たこちゅうの種類については、

「純正たこちゅうコンプリート」を参照されたい。

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