1-1、タコチュウとは

三十年以上前に発売された、ロッテの同名のチョコ菓子「たこちゅう」のおまけ。純正のもののほか、駄菓子屋でパチモンも売られていた。「ロッテお客様相談室」に問い合わせたところ、発売開始は1976年で、1977年までの1年位の間に販売されたそうである。(御担当者様には御回答いただきましたことを感謝いたします)パチモンの出現からも一時は相当な流行を見せたものと思われる。(タコチュウ分類一覧表参照)

上掲の写真に見られるように、純正品の他に数系統のパチモンが現存している。写真中列左側の4つが純正品の例である。一番左が初期に発売されたものである。顔は5種類あり、普通、泣き顔、ウインク、怒り顔、寝ぼけ目がある。もっとも分かりやすい前期と後期の違いは材質で、水に浮かぶかどうかで分類できる。(下写真参照。下段が純正品。上がパチモン)後の調査で、上の写真の中段右端の2個もスッポリタコと言われる新シリーズであったことが判明した。

その他、多くのパチモンがあり、数群に分類できる。駄菓子屋で数個から10数個が袋入りで50円〜で売られていたこともあり、また、がちゃがちゃ(がしゃぽん)でカプセルに1個入って20円だったという証言もある。このパチモンにはサイズの大きいものがある。パチモンは顔の表情や足や口の長さのバランスなどで分類すると、10系統があることがわかっている。

タコチュウの分類とパチモンタコチュウの派生については、附)タコチュウ分類一覧表、附)タコチュウ派生一覧表を参照されたい。

たこちゅうの生みの親は・・・

「たこちゅう」はロッテの製品であったが、そのデザインがだれによって作られたかはわからなかった。

しかし、ノベルティーズ製作ヒント集 おまけの玩具(おもちゃ)」という本に、浅山守一というノベルティデザイナーが考案したと書かれているのを発見した。

その本の奥付には以下の様に書かれていた。

浅山守一

1929年福岡県生まれ。
.東京美術学校中退。
.その後、アドマンとして活躍。独自のノベルティーズ理論を編み出し、注目される。
.浅山ノベルティ研究所主幹。
.尚、風景画家としても、伊豆を中心に活躍中である。

考案した「おまけ」には、アメリカン・クラッカー(リズムボール)、
.ジャンピオン(跳ねる虫)、タコチュー(吸着盤)、
.カニタン(連鎖動構造)等多数。

本文中には「たこの特長である吸付きに重点をおき、たこの頭と、吸着盤のみに省略されたユニークなオマケ」と書かれており、デザイン的にギリギリまで省略するというコンセプトがヒットに結びついたことがわかる。

純製版内箱

「たこちゅう」はパッケージの中に紙製の台紙の上にチョコ2片と箱入りのオマケが入っていた。この箱が今回紹介するもので、この中に2個のタコチュウが入れられていた。そのため入られれ方によっては吸盤が歪んでしまったものもあった。後期以降のものと思われるサンプルを入手したが、どちらにも後期2個か新型(小)2個、あるいは新型(大)1個が入っているのを確認した。また、在庫処分期にはこの組合せが崩れたようで、新型(大)1個と最後期型1個が入っているサンプルも見つかっている。新型の分類については、「純製新型の分類」を参照されたい。

(提供:ぜんまい太郎さん「昭和の少年冒険日記」

たこちゅうの箱のサンプルが増えたので改めて分析したところ、

箱の種類と中身に関連性があることがわかった。以下にまとめてみる。

赤箱A型

.

赤箱B型

.

青箱A型

緑箱A型

. .

青箱B型

緑箱B型

デッドストック状態で発見されたものから、フィルムでシュリンクされていたことがわかった。

箱の種類

入っていると思われるたこちゅうの型
赤箱A型 純正前期型・後期型、太目前期型(?)・後期型、型破損タイプ
赤箱B型・青箱A型・緑箱A型 純正最後期型、スッポリ大A型、スッポリ小A型
青箱B型・緑箱B型 スッポリA型系列以外のスッポリ大・小型

中身のチョコに付いて

「たこちゅう」に入っていたチョコレートについてはあまり印象が残っていないようだが、タコチュウを集めていたかとう氏の記憶によるとあまりおいしいものではなかったらしい。

(掲示板からの引用)

「皆さん、細長いウエハースチョコを想像されてるようですが、そんなイイものではありません。
形状からイメージすれば、「出来損ないのスニッカーズ」と・言ったところでしょうか。細長い袋なので、縦にチョコが2つ入ってました。チョコの中身は、泡が凝固したみたいなプツプツが詰まってました。なんだったんだろーなあ。あれは。「ビックリマン」や「はりはり仮面」、また「チョコベー」などはお菓子も美味しかったですが、たこちゅうはダメでしたね。おそらく、たこちゅうのお菓子の歴史を紐解けば、そのルーツはロッテ「金棒くん」にあると推察しています。
これは、昭和47年頃に人気のあった棒状のチョコ菓子です。」(かとう氏2003/10/14書込み)

「チョコはつぶつぶ(パフ)が入っていてボクは好みでした。」(ナリ氏2004/3/2の証言)

テレビCMに付いて

「たこちゅう」は発売当初テレビCMが行われたことがあったらしい。

『ちゅう、ちゅう、たこちゅう、チョコかいな!』という数え歌を元にしたと思われるフレーズが使われ、子供(オジサンかも?)が指で数を数えるしぐさをしている映像だったということであった。(彩色 怪獣消しゴムのナリ氏の証言)

彩色 怪獣消しゴム掲示板からの引用)

「『ちゅう、ちゅう、たこちゅう、チョコかいな!』はテレビCMですけど う〜ん、ボクも映像は薄らしか覚えてないですねえ。子供は指あそびしながらこのフレーズを言ってた気がします。」(ナリ-/Nari -氏2004/3/27書込み)

「>テレビCM『ちゅう、ちゅう、たこちゅう、チョコ、買いな』もともと、『ちゅう、ちゅう、たこ、かい、な』って数え歌で、これを基にCMを作製したものと思いマス。だからボクが...>子供は指あそび(指で数を数えるしぐさではないかしらん..)しながらこのフレーズを言ってた...って記憶があったのはそのためだと思いマスねえ。
このCMがきっかけで親に『ちゅう、ちゅう、たこ、かい、な』って数え方を教えてもらったものですから.....」(ナリ-/Nari -氏2004/3/28書込み)

附)タコチュウ分類一覧表

附)タコチュウ派生一覧表

附)純製新型の分類

附)純正タコチュウの分類に関する新考察

附)純正タコチュウの分類に関する新考察(増補)

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