附)目で見るカニタン・カメタン図鑑(カニタン編)

カニタンは1977年に発売されたチョコウエハースのオマケであった。2つのパーツによって構成されている。この2つを組み合わせて、ハサミと同じようにしてものを挟むことが出来る。

カニタンのパーツ構成

カニタンの目の部分の下には突起が出ており、それが下側のパーツの溝をたどって(上の写真の右側のパーツ参照)、下の写真のように開いたときに目が立ち上がるようになっている。

↓目が立った状態

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ロッテの1977年のカタログには新発売当時のカニタンの記事が見つかった。

「Meiji SWEETS GUIDE No.25」より引用

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カニタン顔一覧

A型

B型

C型

D型

E型

F型

G型

H型

I型

J

J型

K型

L型

カニタンに関しては、まだこれ以外のバージョンや顔が存在している可能性がある。

今の所、かなりの数の純正と、後述する明治製菓の刻印が消されたパチモンを確認したが、

この12種類以外に見つかっていないため、当初作られた純正カニタンは12種類だったと考えられる。

カニタンのパッケージは、ピコタンと似ていた記憶があり、台紙の上に菓子とオマケが乗っているのを、ビニール袋で包装していたと思われる。

オマケは厚紙製のケースに入っており、同じ紙の帯を巻いていた。

紙製のケース

紙のケースには、「どんどんあつめてつなげてあそぼう」と「あそびかたをいろいろかんがえてみよう」の文字と、カニタンのロゴが記されている。

紙製のケースの表裏

集めることを推奨するが、具体的な遊び方は自分で考えてね、という、一面非常に不親切に見えるが、遊び方を規定しないことで、より自由な遊び方を工夫させるという指導的な姿勢が伺える。

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カニタンには、「C 明治製菓」の刻印のないパチモンが発見されている。

右が純正、左が刻印なしパチモン

これは駄玩具用などに転用されたものと考えられる。

販売形態等の資料は発見されていないが、純正の型を流用した稀なケースとして特記に値すると考えられる。

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パッケージをデザインしたデザイナー、ひこねのりお氏のブログによると、

カニタンは1985年(昭和60年)にもクリアタイプがスナック菓子のオマケとして発売されたということであった。

「ひこねのりおの六十年発掘(仮)」↓

ひこねのりおの六十年発掘(仮)スナック菓子『カニタン』

「クリスタルカニタン」という名称がパッケージに書かれていたことがわかっている。

明治製菓の刻印は、このクリアタイプにも入っていたと思われるため、このパチモンは、1985年以降に発売された可能性が高い。

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令和の世になって、このクリスタルカニタンを入手することができた。

上記のひこねのりお氏のブログにより、「明治のスナック カニタン」のオマケである。

パッケージ裏面の写真にある「60.1.14製造」の文字から、1985年に製造されたものであることがわかる。

今回入手したのは口がV字になった笑顔で、上掲の12種類にない新しい型であった。

裏面には文字の刻印がなく、パチモンにあったポリエチの文字も見られない。

目の上面は目玉のエンボスがなく、目の下面は凹みがあり、

気泡が入っているのか、クリア素材ならではの工夫で目が明瞭に見られる。

左から純正、クリスタルカニタン、パチモン

カニタンは1977年に純正品が作られた後、型が流出してパチモンが作られたが、

1985年にスナック菓子のオマケに起用される際には、改めて型を新造した可能性が出てきた。

クリスタルカニタンの顔の種類や色数については不明だが、他に黄色と青が某クションで発見されている。

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某クションで24個のパチモンカニタンを入手する機会に恵まれた。

カラーは、緑、紺、黄色、赤、白の5色があり、顔は上記のH型以外の11種類を確認した。

これはたまたま入って居なかっただけだと思われ、パチモン独特の顔もなく純正と同じ12種類があったことが考えられた。

後に、某クションで緑・紺・黄色・白の4色のパチモンをまとめて入手した中にH型も見つかり、

上面に関しては純正と同じ12種類がすべて確認された。

純正にない白があること、赤が若干薄い色であることのほかは、どれも純正に近い色であるが、並べてみると全般的に薄い(ほんの少し透明がかっている)ように見える。

パチモンカニタンのカラーバリエーション

さらに、この刻印のないパチモンの販売形態がわかる資料が発見された。

タグ付き袋入りで、5個入っており、「カニタンブロック」という、そのまんまのネーミングだった事がわかった。

カラーバリエーションは、純正にない白とピンクを含む6色で、透明度が高い。

このような色調はパチモンに良く見られる素材だが、先述のスナック菓子に入っていた「クリスタルカニタン」の色調に影響されている可能性もある。

カニタンブロックのカラーバリエーション

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型の流用ではなく、独自に型を起した「目玉のうごくカニさん」というパチモンも見つかった。

形はおむすび型の胴体にカーブの少ない足がついている。顔は一種類しかない。色は4色が見つかっている。

目玉のうごくカニさんのカラーバリエーション

目玉の上がるギミックはあるが、型の成形はラフな感じである。

一回10円でカニさんとクジの入った袋を、タグ付きの束から引き抜く。

クジは当たるともう一つもらえると書いてあるが、定数きっかりしかなく、ホントに当たりがあったかは疑わしい。

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さらに、このパチモンのゴム素材バージョンが発見された。

目玉のうごくカニさんのゴムバージョン

同じ型で作られているが、素材はゴムで、20円カプセルに入るようになっている。

同じ型を使い、素材を流行のゴムに換えることで新たな販売形態に対応した工夫が見られる。

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附)目で見るカニタン・カメタン図鑑

附)目で見るカニタン・カメタン図鑑(カメタン編)

4-4-2、カニタン、カメタンの使用

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