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あら、ずいぶん背が伸びたのね

パチピコスティック

♪それはまだ私が神様を信じなかったころ♪

二月のとある日曜日に書き込みありまして・・・

「一種だけこちらに無い物があり参考になればと思い、画像をにUPしてみました。」

と言って申し訳なくも実物を御提供いただいたのが、今回の主役である。

(ピコタンのパチモンに関しては「ピコタン大図鑑」を参照されたい)

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普通のピコタンに比べて大分大きい。ピコタンが3センチ。今回のパチモンは4センチある。

顔はなく、腕の形状はしっかり作られており、腕を組ませたときの遊びはほとんどなく、加工精度は高い。

左から今回のパチモン、純正前期

このタイプは以前、オークションで見掛けたこともあったが、

大量の明治合体チョコボール等のオマケと出品されたため、入手するには至らなかった。

その時は特異な形状と少数だったことから、販売形態が全くわからなく、謎のパチモンとして心に引っ掛かっていたものである。

今回、この新種パチモンを御提供下さったのは、御自身は雑玩と呼ばれる変形ロボットTOYを収集しているぶっと氏である。

氏の記憶によると、このパチモンはチョコレート菓子のスティックとして使われたもので、

上半身にチョコレートがついていたそうである。

当時、キャラクターが印刷されたりエンボスされたペロペロキャンディ型のチョコレート菓子が多くあり、

そのスティックが繋げられるものもあったと記憶している。

ネット検索したところによると、今でも不二家では「ペコポコチョコレート」「アンパンマンペロペロチョコ」として

販売されているようである。

ぶっと氏にメールで教えていただいたところによると、このチョコレート菓子は、

小学校近くの文具等も扱っている駄菓子屋的なパン屋で売られていたという。

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形状的な特徴としては、スティックとしての必要性からの細長い胴体と、腰部に拳やつま先を嵌められる凹部があることである。

この凹部は、中央の縦穴を中心に脇等の穴に、つま先を嵌めるのに非常に良くバランスがとれている。

左から今回のパチモン、純正前期

このパチモンは全長が4センチ、拳の直径が約3mmである。(参考:純正全長3センチ、拳の直径2.5mm)

左からポコタン、ピンキーブロック、ポーズブロックマン、今回のパチモン

上掲の写真からもわかるように、ピンキーブロックポーズブロックマンも全長は約4センチと等しい。

今回のパチモンは全長・拳の直径ともポーズブロックマンと等しい。

ジャボタンとポーズブロックの例でも紹介したが、メーカーが違うと思われるこれらのパチモンであるが、拳の直径は等しいものが幾組もある。

拳の直径
1.5mm パチモン顔ありC2型(身長1.9センチ)

2.5mm
純正ピコタン、パチモンピコタン各種
3mm ポーズブロックマン、今回のパチモン
4mm ポコタン、ピンキーブロック
5mm ジャボタン、ポーズブロック、ピエロ大型

ポコタンはポーズブロックと形態的特徴が酷似しているため、ポーズブロックのメーカーであるマルコー産業製である可能性が高い。

ピンキーブロックは文献資料から藤田屋商店の商品であることがわかっている。

このように違うメーカーで、腕の形状から合体させることができないにもかかわらず、拳や足の直径が同じになっている。

ポコタンと同じ2パーツ人形ブロックであるポーズブロックマンと、ピンキーブロックの全長がほぼ等しい。

ポーズブロックマンと今回のパチモンは、全長も拳の直径も等しく、胴長で腰の張ったシルエットも非常に似ている。

しかし、腕の形が違っているので、合体させることはできない。

パチモンのどちらが先かを迂闊に明言することは避けるが、ポーズブロックマンは加工精度から見ても、

マルコー産業製の2パーツパチモンの亜流のように見える。

それなのになぜこのような胴長のシルエットになったか不明であったが、今回のパチモンを見ると、

腕の形も穴や凹部の位置決めには、純正ピコタン系の洗練が見られる。

そうすると、ポコタンと今回のスティックパチモンから、ポーズブロックマンが生まれた可能性が高いことを指摘できると思われる。

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ピコタン型と、さらにその前からあったピエロ型、2パーツに進化(?)したポコタン型と

様々な系列があり、メーカーも違うと思われるなかで、微妙な類似点を丁寧に拾っていくと、

その底流を成す「人間型ブロック」デザインの基本的な優秀性が見えてくるといえる。

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今回のパチモンは正式名称がわからないことから、顔無しパチモンJ型と命名することにする。

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今回のパチモンは、ぶっと氏より御提供いただいた。

氏は御自分でも変形メカ物の駄玩具を集めておられるが、

「マイナージャンルだからこそ、皆で協力して資料を残さないといけない」(ぞむぼると掲示板より引用)ということで、

他にも様々な資料や情報をお送りいただいた。

早速全てを関連ページには反映させていただいた。

・パチモン顔ありC2型(小サイズピコタン)はガチャガチャで売られていて、カプセルに数個入っていた。

・パチモン顔ありF型とG型が、「おみやげ」とかかれたラベルが貼られたビニールのバックに入れられて、お土産屋さんで売られていた。

・パチモン顔ありF型とG型にそれぞれ新色を御提供いただいた。

・パチモン顔無しE型(ブロックマン)と同型と思われる、パチモン顔ありI型の黄色をいただき顔ありI型も顔無しE型と同じ色数だった事が確認された。

・大型パチモン「ジャボタン」はガチャガチャのアタリで、アタリの紙と店で交換してもらった。ハズレは顔無しピコタンだった。

・カメタンのピンクの甲羅を御提供いただいた。これで、甲羅、中身とも6色が確認された。

・本体が四角いタコチュウのパチモンN型は、タコチュウより後にガチャガチャに入っていて、ロボチュウと呼ばれていた。

・当時はカニタンのパチモンがあったように、メーカー製食玩のパチが売られていたそうで森永ぼうチョコのおまけジャンピオンがあったそうである。

どの情報もそれだけで1ページ作れそうなネタを教えていただけた。

当時はガチャガチャをよくやられたということと、御自身でも駄玩具を収集していることからくる観察の確かさに感服した。

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ぶっと様>早速リンクを張らせていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。

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後にこのスティックパチモンを11個まとめて入手した。

右下は純正後期

あらたにピンクが見つかったことにより、5色が確認された。

今回入手されたものを詳細に調べたところ、歯形と思われる傷が多数見られ、

先のチョコレート菓子のスティックであったという証言が確かめられた。

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