.

どうした?その顔は!

非A型スッポリタイプの分類と純正潰れタコ

菓子にオマケをつけることで付加価値を高めることは古くから行われており、

戦前からのグリコのオマケから、昨今の食玩ブームまで、その90年にも及ぶ歴史は長い。

ビックリマンや野球カードの様に社会現象と言われた流行も長くは続かず、

これまでに無数のオマケ企画が生まれては消えていった。

..

40年も前 に、ただ集めるだけでなく、集めただけでなく繋げて遊べるオマケと言うカテゴリーが生まれた。

その嚆矢となるのは、1974年発売の明治製菓の「ピコタンで」あった。

多くの製菓メーカーはその動きに追随し、ロッテも、1976年に「たこちゅう」がヒットした。

球体に吸盤が2個付いただけのシンプルなデザインだったが、当時の子供には大人気で、

多くのパチモンが作られたことがわかっている。

しかし、流行は長く続かず、新デザインのものを追加投入したが、

1977年には販売が終了したようである。

....

「たこちゅう」に関する記載は、ロッテの社史にもないようであるが、

たまたま、たこちゅうのデザイナーの著書が発見された。

ノベルティーズ製作ヒント集 おまけの玩具(おもちゃ)」(浅山守一著、昭和58(1983)年、: 自由現代社)という本に

たこちゅうに関する記載があった。

「”タコチュー”という名称でL社にて商品化されて大ヒットしたもので、

たこの特長である吸付きに重点をおき、たこの頭部と、吸着盤のみに省略されたユニークなオマケである。

”タコチュー”のヒットにともなって偽物も出まわり、けっこう売れたようである。

同社ではその後、パート2(写真)もだされたが、初代があまりにも強烈だったため、

あまりパッとしなかったようである。」

と、極めて簡潔に特長と歴史を表している。

ここ!ここがこれからの学習で必要な知識ですから、

一言一句、暗唱できるように覚えましょう。

奥付の編著者略歴には以下のようにある。

浅山守一

1929年福岡県生まれ。
東京美術学校中退。
その後、アドマンとして活躍。独自のノベルティーズ理論を編み出し、注目される。
浅山ノベルティ研究所主幹。
尚、風景画家としても、伊豆を中心に活躍中である。

考案した「おまけ」には、アメリカン・クラッカー(リズムボール)、
ジャンピオン(跳ねる虫)、タコチュー(吸着盤)、
カニタン(連鎖動構造)等多数。

ジャンピオンは森永、カニタンは明治製菓、タコチューはロッテの商品なので、

製菓メーカーにノベルティのデザインを提案していたことが伺われる。

パート2とは、後述するスッポリ型のことであるが、「あまりパッとしなかったようである」という突き放した表現から、

スッポリ型のデザインには係っていなかったのではないかと考えられる。

..

この記事にも書かれている通り、ロッテの「たこちゅう」は大ヒットし、

多くのパチモンも作られた。

当時の記憶や、インターネットが使用できるようになったことで、たこちゅうを覚えていた人の書き込み、

同好の士の皆様の御協力も賜り、某クションや懐かしモノショップから入手される全国のデッドストックから

タコチュウの分類についても詳細が判明してきている。

パチモンタコチュウの種類については、

タコチュウ分類一覧表」、

タコチュウ派生一覧表」を参照されたい。

..

ロッテの純正「たこちゅう」にも、多くの種類があることがわかってきた。

..

当時、本物(ロッテの純製品)として4つのバリエーションがあることがわかっていた。

素材は水に浮くものと、水に沈むものの2種類があり、

顔のデザインは、普通のタイプと、線が太いタイプの2種類である。

水に浮く素材のものの方が前からあった記憶があり、すぐに水に沈む素材のものが出てきたようである。

水に浮く方を「前期型」、水に沈む方を「後期型」と命名した。

普通タイプと、線の太いタイプはほぼ同時に確認された記憶がある。

線の太いタイプは、「純正太目」と命名した。

水に浮くものと沈むもの、それぞれに普通タイプと太目タイプがあるので、計4種類が識別されていた。

純正前期型純正後期型純正太目前期型純正太目後期型である。

純正前期型

純正後期型

純正太目前期型

純正太目後期型

顔のデザインは、普通タイプも太目タイプも、それぞれ5種類が見つかっている。

それぞれを普通目、ウインク、怒り目、眠り目、泣き目と命名した。

各タイプのカラーバリエーションは以下の通りである。

※純正太目後期型は黒と緑が多く、オレンジは発見数が少ない。

純正前期型:

青、赤、黄色、オレンジ

純正後期型:

青、赤、黄色、オレンジ、黒、緑

純正太目前期型:

青、赤、黄色、オレンジ

純正太目後期型:

黒、緑、オレンジ

上掲の表から、純正太目後期型に青と黄色、赤が見つかっていないが、当時を知る方(かとう氏)からの聞き取りで、

スッポリ型の追加される前に、普通のデザインよりも太目タイプの水に沈む素材のものが多く出現した時期があったとの事で、

太目タイプにも普通タイプ同様に6色があった可能性がある。

ここまでが、「L社にて商品化されて大ヒットした」「初代」のタコチューであると思われる。

..

純正後期型の箱入りも見つかった。

一箱にたこちゅうが2個入っていた。

ロッテのロゴと、「くっつき たこちゅう どんどん あつめよう!」の文字があった。

赤箱A型

..

某クションで、箱入りのデッドストックが多数見つかるようになった。

同時に多数が入手されたスッポリ小A型大A型純正最後期型

その中には、「ノベルティーズ製作ヒント集 おまけの玩具(おもちゃ)」で、

同社ではその後、パート2(写真)もだされたが、初代があまりにも強烈だったため、

あまりパッとしなかったようである。」と、書かれた、釣鐘型の脚吸盤を持ったタイプが多く混在していた。

釣鐘型の脚吸盤を頭部や頭部の突起に被せるため、スッポリ型と命名した。

スッポリ型には、大小の2種類が見つかった。

これらをスッポリ大A型、小A型と命名した。

顔の種類は、大が6種、小が12種類確認された。

スッポリ大A型(左から:ウインク、怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結び)

スッポリ小A型(左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目)

スッポリ小A型(左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B、リボン、涙目)

※涙目は、 以前は「にっこり」としたが、B型を確認したところ、涙を流していることが判明し改名した。

..

これらと一緒に見つかる普通タイプを詳細に検討したところ、顔の彫の浅いタイプであることがわかった。

後列が純正後期型、前列が彫の浅いタイプ

このタイプはそれまでのコレクションにもあったが、差異を認識できていなかった。

スッポリ型が追加された時に、増えた種類であると思われるため、このタイプを純正最後期型と命名した。

純正最後期型

..

赤箱B型
. .

青箱A型

緑箱A型

箱のプリントを見たところ、赤い箱に普通タイプの純正最後期型が2個、青い箱に、スッポリ小A型が2個、

緑の箱にスッポリ大A型が1個入っている場合が多いことがわかってきた。

出品にあたっての写真撮影のため開封されて、ちゃんと戻されないこともあるが、このような傾向があることが考えられた。

赤い箱は純正後期が入っていた赤箱と、ロゴの字体が違うことがわかった。

新しく見つかった最後期型の入った箱は、「テ」の字の一画目と二画目の間隔が開いているので、

こちらを赤箱B型と称することにした。

..

スッポリダコは、この時期に大量に確認されたタイプを大小ともA型と命名したが、

小数であるが、別バージョンがあることがわかってきた。

このA型でないスッポリタイプをスッポリB型と称する事にした。

左から、スッポリ大B型2個、大A型2個、小B型、小A型

スッポリB型の形態的な特長としては、口吸盤の中央部の突起が指摘される。

スッポリA型には、成形型から剥離させるために押し出す棒の圧迫痕があるが、

B型には、この圧迫痕が見られず滑らかで、吸着力が強い。

これは、A型とB型では、成形型の構成が違い、B型は脚吸盤の中央部に棒を押し付けて剥離することを意味すると思われる。

写真からわかるようにスッポリB型系の脚吸盤内の凹部は大きく深い。

スッポリA大型にも凹部があるが小さく、これは中央部の硬化を促進するための肉抜き穴であると思われる。

左からスッポリ小A型、大A型、小B型、大B型

..

スッポリ大B型の顔デザインは、スッポリ大A型に似ており、最終的には6種類が見つかっている。

しかし、吸盤の大きさで、B・C・D・E型とさらに分類した。

スッポリ大A型以外のスッポリ大型各種

吸盤の中央に凹部のないB型は、特に口吸盤が大きい。

次に発見されたC型と命名したタイプは口吸盤がB型よりも小さかった。

それから、B型とC型の中間的な大きさの口吸盤を持っていたことから、これをD型と命名した。

このD型よりも若干吸盤が小さいタイプが見つかり、これをE型と分類した。

しかし、この分類は未だ確定的とは言いがたく、

D型とE型の口吸盤の大きさの違いはわずかで、中間的な大きさでどちらに分類するか決めがたい例もある。

C型は若干背が低いが、保存状態が悪いこともあり、変質による収縮である可能性も否定できず、吸盤サイズはE型に近い。

ただ、B型は口吸盤が明らかに大きく、厚みも滑らかに薄くなっており、加工精度が高いようである。

このため、これらを一括して、スッポリ非A型と総称しておくことにする。

..

スッポリ非A大型の顔デザインは、A型と似ていて、6種類が確認された。

スッポリ小B型は、これもA型と同様に12種類があることがわかった。

スッポリ大非A型(左から:ウインク、怒り目、リボン、にっこり、眼鏡、縦結び)

スッポリ小B型(左から:泣き目、ウインク、つながり目、上目、下目、中目)

スッポリ小B型(左から:シワチュウ、縦ジワチュウ、怒り目A、怒り目B、リボン、涙目)

※涙目は、 以前は「にっこり」としたが、B型を確認したところ、涙を流していることが判明し改名した。

..

..この数年で、なぜか、スッポリ非A型系の箱入りでの確認例が増えてきた。

カートンで非A型系が発掘されたのかも知れないが、真相は不明である。

同時に多数が入手されたスッポリ大B型小B型純正後期型

これらのサンプルから、非A型のスッポリダコは純正後期型と、後述の型破損タイプと一緒に見つかることが多いことがわかった。

非A型系の箱はそれまでに発見されていたA型系の箱と違っていることが確認された。

赤箱A型
. .

青箱B型

緑箱B型

箱は赤、青、緑の3種類で、テキストの文面は同じだが、A型のロゴはテの字の間隔が狭いこと、

青、緑箱は多くの点でイラストが違っていることがわかった。

顕著なのは左上のキスしてるたこちゅうの右側に瞳を横切る線がないことで分類できる。

スッポリA型系と最後期型のたこちゅうで、箱と中身の種類が対応している可能性を指摘したが、

この非A型系でも同様の傾向が見られることが確認された。

赤い箱には純正後期型の普通タイプか太目タイプ、あるいは型破損タイプが2個、

青い箱に、スッポリ小B型が2個、緑の箱にスッポリ大非A型が1個入っている事が多い。

箱と中身の関係性をまとめると以下の表のようになる。

ただ、保管中の入れ違いや、販売にあたっての写真撮影で入れ違いが起る可能性があり、

また、当時を知る人からは、人気が下降してからは、在庫処分的に適当に入れられていた例もあることが報告されている。

特にA型系ではその傾向が強いことがわかった。

箱の種類

入っていると思われるたこちゅうの型
赤箱A型 純正前期型・後期型、太目前期型(?)・後期型、型破損タイプが2個
赤箱B型 純正最後期型が2個が多いが、スッポリ小A型が2個か、スッポリ大A型が1個もある
青箱A型 スッポリ小A型が2個が多いが、純正最後期型が2個か、スッポリ大A型が1個もある
緑箱A型 スッポリ大A型が1個が多いが、純正最後期型が2個か、スッポリ小A型が2個もある
青箱B型 スッポリA型系列以外のスッポリ小型が2個
緑箱B型 スッポリA型系列以外のスッポリ大型が1個

....

当初、水に浮く素材で作られた(前期型)普通タイプと太目タイプの2系統で作られたたこちゅうは、

素材を水に沈むものにしたタイプ(後期型)が作られたものと思われる。

前期型と後期型が並行して製造された時期もあるようであるが、水に沈む素材を使った後期型に一本化されたようである。

しかし、人気の衰えに対応して、新型のパート2であるスッポリ型が追加された。

オークションで一時期、スッポリA型系が多数見つかったことから、

純正後期・太目後期型の生産を中止し、スッポリA型系と最後期型に切り替えられたと漠然と考えていた。

しかし、スッポリ非A型と純正後期型や太目後期型の発見数が増えてきたことで、

純正後期や太目後期型も最後まで生産が続けられていた可能性が高まった。

....

スッポリA型と、非A型がどちらが先にデザインされたかは不明だが、

同じ顔の種類や、箱のイラストを比較すると、スッポリA型の方が先に作られた可能性が指摘できる。

例えば、スッポリ大型のにっこりタイプは、A型は帽子のつばがあるが、B型は省略されている。

左からスッポリ大B型、大A型

青・緑箱のイラストも、スッポリA型系の入っていた箱(箱A型)の方がイラストに要素が多く、

A型の箱絵を元にして、B型のイラストを書き起こしたように考えられる。

青箱B型

青箱A型

ノベルティーズ製作ヒント集 おまけの玩具(おもちゃ)」(浅山守一著、昭和58(1983)年、: 自由現代社)の記述を度々引用するが、

同社ではその後、パート2(写真)もだされたが、初代があまりにも強烈だったため、あまりパッとしなかったようである。

という、成功作の初代を作ったデザイナーの気概も感じられる一文に、パート2のデザインは別の人が行ったと思われる。

スッポリダコという全く新しいデザインを追加し、種類を増やすことで「どれがでてくるか」を楽しめるようにして、

ついでに、デザイン的に似ている眠り目を廃止し、泣き目をのみにしてバリエーションを整理したと思われる。

素材は固く滑らかで硬質な感じのものを使って、別の製造工場で量産したものと考える。

別の人のデザインのスッポリ型が追加されて、それまでの純正後期型、太目後期型を製造していた製造工場でも、

スッポリ型のデザインか、製品サンプルを元に、独自のスッポリ型を制作したものと思われる。

その際、成形型の構成を独自化し、口吸盤の凹部を無くして吸着力を向上させる改良を行ったものと思われる。

箱のデザインも支給されたものを元に独自に書き起こしたため、微妙な差異が多数生まれてしまったと考えられる。

....

外部(?)デザイナーのアイデアを入れた新型を追加し、それまでの生産工娘でも型を新造して生産を拡大したものと考えるが、

その流れをまとめると以下のようになる。

純正たこちゅうの変遷

....

純正後期型や太目後期型を作っていた工場は、スッポリ非A型を追加すると共に、

なぜか、あまり出来のよくない新しいタイプのたこちゅうを投入したようである。

左から純正後期型、型破損タイプ、スッポリ小B型、大B型

純正太目のデザインに似るが、顔の作りは雑で、吸盤も小さくいびつで、足の突起が省略されている。

これを型破損タイプと命名した。

純正後期と一緒に一個ずつ、あるいは型破損タイプ2個が、赤箱A型に入って見つかっている。

まとまって箱入りだったり、バラで見つかることもあるが、ほとんどの場合スッポリ非A型系と一緒に見つかる。

そのため、型破損タイプは、スッポリ非A型が追加された以降に新造されたものと思われる。

....

この型破損タイプも、純正太目と同じ5種類の顔が見つかっている。

色は黄色と緑が多く、オレンジも見つかった。

スッポリ非A型と同様に、この数年で発見数が大きく増えたことからも、同じ製造工場の製品と考えられる。

純正太目型破損

....

・・・と、まぁ、以上が純正たこちゅうに関する、最も詳細なまとめである。

多分、純正の顔バリエーションについては、全て揃ったと思われる。

....

で、以上が、復習で。

こっからが本文なんであるが(毎度長くてすみませんけど)・・・。

....

純正たこちゅうの団体さんを入手した。

赤箱A型に入った純正後期型の黄色とオレンジが各10個と、緑箱B型に入った黄色いスッポリ大非A型が5個である。

赤箱A型と純正後期型、緑箱B型とスッポリ大非A型の組み合わせで、

箱と中身の関係性の仮説を裏付けるサンプルであると言える。

純正後期型のオレンジは、濃淡の幅があるが、今回見つかったものはどれも似たような色調で、

同じロットで作られたものであると思われる。

....

純正後期型の黄色とオレンジの組み合わせは、10数年前にも確認されており、

ロットによって出やすい組み合わせがあったようで、色の組み合わせには偏りがあった可能性がある。

....

今回見つかった純正後期型は、特徴的な形状をしていた。

本体の球体部分が普通のものよりも平たくなっていたのである。

左が潰れた形状のもの。

10個中6個に同様な形状を確認できた。

顔は泣き目が5個、眠り目が1個であった。

このような特長のあるたこちゅうは、今までにも最後期型に2個、後期型に1個が見つかっている。

左から最後期普通目、泣き目、後期ウインク

後期型、最後期型でも見られていること。前部の潰れ具合には程度の差があることから、素材の充填時のなんらかの不具合が考えられる。

口吸盤の中央にある凹部の深さも、普通の球体のものとさして違いがないため、剥離時の変形も考えにくい。

なぜこのような変形が起ることがあるのか、プラスチック製造に関する知識のある人に取材してみたいと思う。

....

緑箱B型に入っていたのは、スッポリ大非A型の黄色であった。

スッポリ大非A型は青色が多く、型破損タイプと一緒に見つかった保存状態の悪いものと、

つい先日、箱入で見つかった黄色が2個しかなかった。

それが、今回はまとめて5個入手された。

左から眼鏡D型・E型、ウインクD型2個、リボンE型

スッポリ大非A型系は、口吸盤の大きさをタイプ分けの指標としているが、吸盤が大きく2個しか見つかっていないB型、

吸盤が小さい上に背が低いC型、B型より小さくC型より大きなD型、口吸盤が極端に小さいE型と、4種類に分類している。

口吸盤が大きく、比較的軟質な素材を用いているB型は別として、C・D・E型についてはそんの分類は揺れている。

今回見つかった5個の中にあるE型は口吸盤の大きさがD型より若干小さいが、

素材の充填時の成形サイズのブレの範囲と考えられないこともない。

....

今の所、スッポリ大非A型はサンプル数が少ないが、眼鏡タイプに注目したところ、

D型・C型が2個ずつあるが、どちらも小さい差異が見つかった。

頭部突起の前面に左右それぞれに数本の筋があるが、その長さや向き、数が微妙に違っていることがわかった。

左側:スッポリ大D型2個 右側:スッポリ大E型2個

今回のサンプルにも眼鏡がD型・C型がそれぞれ1個ずつ、2個が入っていた。

その模様を見たところ、D型では上掲の左上のタイプと、C型は右下のタイプと似ていることがわかった。

左側:スッポリ大D型 右側:スッポリ大C型

今回の眼鏡タイプは、口吸盤の大きさの差異があまり大きくなく、E型としたものは、D型の3つ目のタイプである可能性も考えられる。

....

D型と思われる大きさの吸盤を持つ、ウインクタイプが増えたので、手持ちのサンプル(D型)と比較してみた。

左目(写真の手前側の目)が瞑られていることが、3本の曲線で表されているが、

手持ちの青いものと、中央のものは、2本目と3本目の曲線の間隔が開いている。

右側のものは間隔がほぼ均等になっている。

青いD型と黄色のD型の目の特長が似ているが、よく比較してみると眉毛の位置が、青い方が上方に離れている。

比較するとどれも違うと言えるし、D型の3本目が下がっているタイプと、

D型の3本が均等であるタイプの型2種類の違いが見つかったとも考えられる。

ここではどの顔パターンにもいくつかの型違いがあるということを指摘するにとどめて、

型違いの種類数とか、非A型の大型タイプを製造するための型がいくつあったのかとか、

突っ込んだ分類に関する仮説を立てられる時期ではないと考える。

....

先日、最後に残った純正コレクションの最後のパーツとして入手したスッポリ大非A型のウインクであるが、

よく見ると、今回入手された純正後期型オレンジから発見された、潰れ顔と似ていることがわかった。

何らかの製造上の要因で口吸盤の付け根が押さえられて顔が歪んで吸盤が上に向いているが、

これは、吸盤が小さく吸盤が少し上にずれているように見えるC型と似ていることに思い至った。

左の青がD型、右の黄色がC型

C型は口吸盤の下部の方が長いように見えるが、これも成形時の歪みの様にも見える。

先述の様にD型からE型の口吸盤はかなりバリエーションが大きく、

明らかに小さいものから、D型よりもちょっと小さく見えるだけのものもあり、、

E型を別種とするか、口吸盤の成形時のブレが現われた亜種とするかは、サンプル数の少ない現状では確定できない。

....

眼鏡とウインクの他に、今回はリボンタイプも見つかっている。

リボンタイプは吸盤がひときわ大きく柔らかい素材を使ったB型と、以前からあったD型、今回入手したE型を比較した。

左からリボンE型、リボンD型、リボンB型

並べて目立つのは、B型の背が高いことである。

また、口吸盤はB、D、E型の順に直径が大きく、外縁は滑らかに薄くなっており、加工精度の高さが伺える。

リボンの線描はどれも違っており、D型は右側(向って左側)のリボンが上がっている様に見える。

黄色のE型は、今回入手された他のスッポリ大非A型と比べて口吸盤が小さかったのでE型と分類したが、

今まで見つかっているE型に比べると若干大きく、D型とE型の中間くらいの大きさである。

....

このように見ると、同じ顔でも複数のバリエーションがあり、

また、口吸盤の大きさも分類に微妙なサイズのものが多くあることがわかった。

同じデッドストックで、同じ系統と考えられている純正後期型に顔の潰れたものが見つかったことから、

スッポリ大C型や、前回はE型と分類したウインクタイプが、成形時の顔の歪みから特異な形状を持ってしまった可能性が出てきた。

....

6種類の顔が揃っただけで、まだスッポリ大非A型を詳細に分類するまでには至っていないのが残念であるが、

この分類研究を進めるにはもっと多くのサンプルが必要であることが痛感された。

....

1976年?

って、ことは・・・。

2020年だから、40・・・何年かだから、そんな昔の食玩のことなんか、知らないんですよね。普通は。

まぁ、いいじゃありませんか。ライフワークってやつですよ。

純正たこちゅうもやっと全体像がわかって、これから細かいところを一層気にしていこうと思います。

何時まで続くんですかねぇ?

最近、目がしょぼついて・・・。

まぁ、どうでもいいんですけどね。

....

今回の団体さんの入手にあたって、例によってT女史の手を煩わせた。

感謝に堪えない。

...

一切の内容の無断転載、流用を禁止する。

戻る