.

形の違いは型違い

明治合体チョコボールの前・中期の再検討

合体することでコレクション性を追求した初めてのオマケであると言われる、

明治製菓の『ピコタン』が発売されたのは、 1974年であった。

ピコタンの流行によって、合体することでいくつでも欲しくなる、コレクション性の高いオマケの分野が確立された。

ピコタンは、動物シリーズや運動会シリーズと、第二弾、第三弾を続けて出したが、

それと並行して、宇宙によったデザインの『明治合体チョコボール』が発売された。

それは、『きのこの山』の発売と同年、1975年のことであった。

.

2005年に、『きのこの山』は発売30周年を迎えた。

その際に、明治製菓の公式サイトには、30周年を祝う特別ページが作られた。

その中の「資料室」というコーナーに、きのこの山と同時期に発売された新商品として、

『明治合体チョコボール』の新発売時の宣伝画像が掲載された。

※明治製菓様より画像使用許諾。無断転載を禁ず。

これによると、発売当時には、様々な基地のイラストが描かれた箱が20種類、

オマケが24種類あったことが判明した。

.

オマケの雑誌もなければ、今の様にネットがあるわけでもなかった当時、

全部で何種類あるのかは、集めてみないとわからない大きな謎であった。

『明治合体チョコボール』の販売価格は60円で、一箱にオマケは1個入っていたため、

数を集めることは、当時の子供にはなかなか困難事であった。

また、商品自体の人気も高かった様で、菓子屋に行っても品切れのことも多かったという記憶がある。

.

そんな子供の強い味方がパチモンであった。

近所の駄菓子屋には、パチモンA型と名づけた「合体基地」という商品名のものと、

パチモンA型を模して作られたと思われる、商品名不明のB型と命名した2種類のパチモンが売られていた。

パチモンA型は、厚紙の大きな台紙に、タグ付きビニール袋入りのパチモンが、

4袋には純正と同じサイズのA型が14〜15個入りで、8袋にはオリジナルの大型が1個とA型が3個入って、

計12袋が大型のホチキスで留められていた。

子供は中身を見ながら、タグごと引きちぎり、自分のコレクションに加えていたのである。

B型のパッケージは残っていないが、同じようなタグ付き袋入りで大台紙に大型ホチキス留めされて売られていた。

どちら一袋50円だった記憶がある。

.

後の研究から、A型はマルコー産業と言う駄玩具メーカーの商品であることがわかった。

A型がブリスターパックに入れられた別バージョンのパッケージが台紙に留められたものを見つけた。

その台紙は、別商品用のものを流用したようであったが、「マルコー産業」の文字とロゴマークが印刷されていた。

合体基地のブリスター入りにも、同様なロゴが記載されており、

パチモンA型がマルコー産業製であることが確信された。

.

このA型のパチモンと、そのラインナップも含めてコピーしたと思われるB型は、純正のデザインに非常によく似ている。

純製 パチモンA型 パチモンB型
風防が半球形で大きい 翼前縁に機銃を持つ 風防が細長く垂直尾翼が簡素化されている
全高が高い 円窓の後に突起がある 船体が薄くなり円窓と突起が低い

このために、パチモンA型・B型は(オリジナルの大型のA型以外は)、純正のデザインを正確に模倣したものであると考えた。

.

合体チョコボールのパチモンは、上記のA・B型以外にも、少数であるが、別の種類のパチモンが存在していることもわかっていた。

ネットでオークション等により当時のデッドストック品が手に入る様になると、それらのパチモンの情報も増えてきた。

左が「ミニ合体ブロック」、右は「宇宙のなぞ?合体ブロック」

.

ケース入りの「宇宙のなぞ?合体ブロック」や、大台紙にブリスター入りの「ミニ合体ブロック」もその一つで、

この系統をC型と命名した。

ケースにあったSTマークと、ゴム素材のミニUFO 遭遇消しゴムの大台紙から

「3重丸にイ」のロゴのメーカーから1975年に発売されたことがわかった。

このシリーズには、パチモンA型系では採用されなかった純正のデザインを模しているものが見つかった。

六輪装甲車1型(前・中期)

四輪装甲車1型(パチモンC型)

高速偵察機1型(前・中期)

高速偵察機3型(パチモンC型)

軽戦闘機1型(前・中期)

軽戦闘機3型(パチモンC型)

アレンジの度合いは強くなっているが、純正のデザインに強い影響を受けているのがわかる。

.

このC型の他にも、純正のデザインの影響を強く受けたパチモンがある。

商品名は「合体基地ブロック」で、マルコー産業の「合体基地」という商品名によく似ている。

これをD型と命名した。

タグはマルコー産業製の色違いで、フォントは違うが、イラストは酷似している。

左がA型が入った「合体基地」、右がD型の「合体基地ブロック」

.

イラストは軽戦闘機と空挺兵だが、A型に軽戦闘機はなく、D型に空挺兵はない。

イラストを起こす時に、資料としてたまたま手許にあった純製品を参考に作図したと思われる。

このイラストは両者で酷似しており、その類似性から手書きでトレースしたのではなく、

同じ版下から製版したか、どちらかをコピーして作った清刷りから起こしたものと思われる。

まん中のイラストが、D型の方がやや傾いていることからも、こちらを別メーカーの模倣と考えたいが、

もしかすると、マルコー産業で別バージョンとして製造したのかもしれない。

.

パチモンC型とD型にはデザイン的な類似が濃く見られる。

例えば飛行兵タイプでは、A・B型系、C・D型系でのデザインの変遷がよくわかる。

A型は純正のコピーで、マントの緩やかなうねりを良く再現している。B型はA型を簡略化し、

胴体の模様等を省略し、マントも単調なラインに変更されている。

C型はマントのうねりを強調し、無数の小突起を追加している。D型は胴体のラインや小突起を省略しているが、

垂れ目なところや、腕の先端を半球形に直したところ等が共通している。

飛行兵1型(純製前・中期)
飛行兵2型(純製前・中期)

飛行兵3型(パチモンA型)

飛行兵4型(パチモンB型)

飛行兵5型(パチモンC型)

飛行兵6型(パチモンD型)

純正からC・D型系へのデザインの変遷は航空機でよくわかる。

例えば三角翼の戦闘機では、純正の半球形のコックピットと三角形の全翼型のデザインから、

C型では、低めの胴体を追加し風貌も涙滴型に変更されている。E型では風防を機首先端に移動させ、

胴体も細長く変更されている。

C型では、特に風防の形状が涙滴型に変更され、胴体の重心近くに移動させた落ち着いたデザインになり、

それをD型が受け継いでいるのがわかり、C・D型系のデザインの類似性が指摘できる。

純正

C型

D型

各型の特徴

高速偵察機
C型機首先端付近にあった操縦席を機体中央部に後退させ、機首にも偵察員席と思われる膨らみがあるが、D型は操縦席を拡大し、機首の突起は小さくなっている。

艦上戦闘機
C型は風防が小さく省略されたが、D型は機首先端に移動させて前方視界を良くした形状になった。

制空戦闘機
純正よりも風防位置が前進し涙滴型に変更されている。純正は機首に2本線がある。C型には直線で2本、D型は1本のモールドがある。

重爆撃機
純正は水平尾翼の下面にも垂直尾翼が貫通しているが、パチモンにはない。C型には下面にも膨らみと鋲状突起があるが、D型はフラットになっている。

余談だが、パチモンE型と命名した、C・D型系に近いデザインの系統を持つものも見つかっている。

汎用の「オリジナルトーイ」や「アクセサリー」といった大台紙に、「ドッキングステーション」と書かれたタグが留められている。

大台紙のロゴは「王冠とM」で、メーカー名は不明である。

「デラックストイ」の台紙は、汎用か、別の商品のための台紙の流用と思われるが、

上部右側に印刷されたSTマークは1975年に登録されたことがわかる。

このため「ドッキングズて−ション」明治合体チョコボールが発売された1975年頃に発売されたと考えられる。

このタイプのパチモンをE型と命名した。

かなりアレンジが進み、元になった純正のデザインとはかなり違っているが、D型と類似するものも多く、

C・D型系の亜流と思われる。

C型に見られた人面型宇宙船の翼が、D型では省略されたが、同様なデザインがE型にも見られる。

先に紹介した三角形の全翼型戦闘機は、C型からE型に移行するにあたり、風防は前進し、胴体は細く改編されている。

純正人面型宇宙船 C型人面型宇宙船 D型人面型宇宙船 E型人面型宇宙船
A・B型に追加された船体の突起はなく、艦首の突起以外は純正に似ている 翼と翼端ポッドが省略された D型同様、翼が省略されており、非常によく似ている

純正艦上戦闘機

パチモンC型艦上戦闘機
パチモンD型艦上戦闘機 パチモンE型艦上戦闘機

風防が小さくなり機体に3本突起がある 翼のラインが後方にさがり風防がほぞ長くなる 翼の前縁が更に下り小さな鋲の突起がある。風防がさらに大きくなる。

.

このように見ていくと、パチモンには、純正のデザインを模倣した2つの系列があったことがわかった。

これらのパチモンは、人気絶頂の発売当初の純正を元にデザインされている。

つまり、パチモンのデザインの元になった純正を特定すれば、発売当初のラインナップを推測できることになる。

●;どちらか一方にある、☆:A型系・C型系の両方のパチモンにある、○:B型にはなくA型にしかない

純正種類名



砲弾型
. .

十字目型
.

星目型
. .

兵士型
.

飛行兵型

宇宙服型

ロボコン型
. .

掃射兵型

純正種類名



空挺型
.

バンザイ型
.

制空戦闘機

艦上戦闘機

重戦闘機

軽戦闘機
.

爆撃機

高速偵察機
.

純正種類名



偵察機
. .

重爆撃機
.

重戦車

六輪装甲車
.

八輪装甲車
.

円盤型宇宙船

人面型宇宙船

星型宇宙船
.

このようにして見ると、ロボット3種、偵察機の計4種類以外は、パチモンにデザインが流用されていることがわかる。

.

後述する様に明治合体チョコボールの前期・中期には、それぞれ2種類の型違いが見つかっている。

上記の4種類にも、それぞれ2種の型違いがあり、素材やデザイン的な特長、当時の記憶から、

広告画像にあった前・中期のラインナップは以下の24種であると思われる。

..

これら24種類のデザインには、2種類の型違いがあることがわかっていた。

例えばこの兵士型と命名したロボットでは胴体の横のラインがあるものとないものがある。

兵士1型(純製前・中期)
額に星マークがある
兵士2型(純製前・中期)
1型より顔の彫りが深く胴体に3本の突起がある

ほぼ同じデザインでも、目の彫込みが深さが違うものがあり、彫込みの深いものの方が、派手やかな感じがある。

十字目1型(純製前・中期)
目が十字になっていて出っ歯
十字目2型(純製前・中期)
1型よりも目や口が深い
ロボコン1型(純製前・中期)
背中にボンベ状の突起がある
ロボコン2型(純製前・中期)
1型に比べて顔のモールドが深い

..

例えば、砲弾型と呼んでいるタイプを比較してみる。

左から1型、2型

左側が1型と命名した彫の浅い型である。右側の2型に比べて目が小さく、彫も浅い。

そのためか、1型のほうが、顔の印象がおとなしく見える。

裏面を見ると、1型の方は胴体のラインが裏まで続いている。

これは、1型の特長になっている。

左から1型、2型。◎はマルCマークの位置を示す。

小さなオマケの誤飲事件があった影響なのか、ピコタンの第二弾の動物ピコタン以降のオマケには、明治製菓の刻印が入る様になった。

合体チョコボールにも入れられており、刻印の場所は同じタイプでも異なっている。

1型の刻印は線が細い傾向がある。

1型のバンザイ型には、マルCマークも明治製菓の刻印もない。

..

次に飛行兵型を見てみると、こちらも1型は目が小さくなっている。

線も1型のほうが細くなっている。

左から1型、2型。

裏面は1型には前面から続く胴体のラインが裏面にも続いているのがわかる。

刻印は1型はマルCマークが左上部に、明治の文字が凹部の上にある。

2型はマルCマークの他に、明治製菓とフルネームが記載されている。

乗物系には「明治製菓」とフルで書かれることが多く、

前・中期のロボットでフルの記載があるのは、この飛行兵の2型のみである。

左から1型、2型。◎はマルCマークの位置を示す。

..

宇宙服タイプと命名したタイプも、顔がおとなしい印象で、前面のラインが2本ある。

左から1型、2型。

裏面を比較すると、1型にあった後頭部の突起が省略されているのが顕著な違いである。

刻印は、明治の文字が、1型は横組、2型は縦組という差異が見られる。

マルCマークは1型は左上部にあり、2型では中央の上部に移動している。

左から1型、2型。◎はマルCマークの位置を示す。

..

空挺型と命名したタイプを見てみる。

落下傘バンドが裏面にまで刻印されているのは、他の1型と共通する特長である。

ロボットは乗物に比べて平滑な部分が少ないため、記載は省略されがちであるが、

1型と命名した方が一層顕著で、マルCマークのみのものもある。

空挺型は1型はマルCマークが後頭部の左側下部にあるのみになっている。

マルCマークのみなのは、1型の十字目型、星目型、ロボコン型、掃射兵型、空挺型で確認された。

左から1型、2型。◎はマルCマークの位置を示す。

..

明治合体チョコボールのオマケは、サンプル数が多くないため、確定的なことは言えないが、1型系の方が数が少ない傾向にある。

そのため、現状の段階では1型のバリエーションの有無に付いて言及するほどの資料がないと言わざるを得ない。

少なくとも、ロボットの1型、2型では顔の表情や裏面の刻印の位置等で、一つの型に2種類の型違いがあることが確認できた。

..

前・中期型の乗物に関しても、今まで2種類のバリエーションがあることがわかっていた。

まず、目立ったのは人面型宇宙船と名づけたタイプで、翼端のポッドの向きが違っている。

左から1型、2型。

1型と命名した方が、出現数は少なく、線のモールドも細い。

下面の刻印は、マルCマークの位置が、1型は左上、2型は明治製菓の字の左側にある。

左から1型、2型。

..

円盤型宇宙船と命名したタイプも外観に大きな相違が見られた。

上下にある突起の向きが違っているものの存在が確認された。

左から1型、2型。

下面の凹部は、上方の突起と同じ向きであった。

左から1型、2型。

先に紹介した明治合体チョコボールの新発売告知画像にこの円盤型宇宙船が写り込んでいた。

これによると、1型とした、突起が球状ジョイントの凹部の方に向いているものが写っているのがわかる。

この円盤状のタイプに関しては、1型と命名した方が発売当初から入っていたと考えることができる。

..

これら2種ほど、外観上に大きな差は見られないが、他のどの型も2種類あることがわかった。

そこで、モールドの線のシャープさや出現数によって、おおまかに1型・2型と分類してきた。

前述のようにロボットでは、1型としたタイプの出現数が少ないことは指摘したが、

それ以外に関しても概して2型の方が数が多い。

1型とした方が、発売当初からあったであろうと思われるが、2型が投入されたタイミングはわからない。

近年になりオークション等で、入手した際に確認するが、1型と2型は混在している場合がほとんどである。

そのため、1型と2型が、順番に投入されたものか、最初から混在していたのかは不明である。

そこで、この2種類を暫定的に「前・中期型」と称することにした。

..

だが、一つの型に、第3のバリエーションが見つかったのである。

円盤型宇宙船は、上下を合体させるジョイント部分は、上面と下面で同じ向きで、

1型では球状ジョイントの凹部の向きに、2型では球状ジョイントの凸部の方向に、板状ジョイントが向いている。

しかし、オークションで入手した中に、この板状ジョイントの凸部と凹部の向きが違う円盤型が見つかった。

このタイプを16型と命名した(発見が遅かったため、番号が大きくなった)。

16型の上面と下面

この新しい型を発見した時、上面用の型とか下面用の型を間違って組み合わせてしまったのかと思われた。

しかし、第3のタイプは他の円盤型よりも厚みがあることに気が付いた。

左から1型、16型、2型。

写真から、1型は上下とも厚みがあることがわかる。それに比べて2型は上下とも厚みがないのが見て取れる。

16型は、上半分は2型よりも厚みがあるため、接合部が厚くなり、全高も高い。

2型では、棒状ジョイントの凹部に窓が接近しているが、16型では窓の間隔が狭いため、スペースが開いている。

16型の窓の配置はむしろ1型に近いが、1型ではさらに窓の間隔が狭く、ジョイントの向きをかえただけではないことが見て取れる。

左から1型、16型、2型の上面。

上部は新しい型であることがわかった。

では、下面は1型の流用であるかと考え、1型と16型の下面を比較したところ、

明治製菓の刻印に文字間隔の違いが見つかり、下面も別の型であることがわかった。

左から1型、16型の下面。明治と製菓の間隔が違う別の型である。

上記の観察から、この16型が、新造された型で作られたものであることが判明したのである。

この発見を受けて、手持ちの円盤型を再度見直したところ、1型、2型に、それぞれ刻印の違う、型違いが発見された。

1型には3種類、2型には2種類のバリエーションが確認された。

とりあえず、それぞれのバリエーションを仮11型〜仮13型、仮21型・仮22型と仮に称する。

仮11型。左から上面、下面

仮12型。左から上面、下面

仮13型。左から上面、下面

..

上面右下の3つの丸窓を見ると12型は間隔が狭くなっており、仮11型と仮13型は間隔はほぼ等しいが、仮11型の中央の窓が多少下がっている。

下面は11型は明治製菓の刻印の文字間隔が狭い。仮12型と仮13型は文字間隔は似ているが、マルCマークの書体が違う様に見える。

仮12型のCは外周の円と同じような丸さがあるが、仮13型の方は、Cが半角になているようで、Cの左側と外周の円の間に間隙がある。

左から仮12型、仮13型

..

次に2型のバリエーションを検討する。

2型は1型に比べて上面の窓の線が太い。窓の間隔が広いため、球状ジョイントの凹部に窓が被っている。

上面は仮21型も仮22型もほぼ等しいように見える。

仮21型。左から上面、下面

仮22型。左から上面、下面

下面の球状ジョイントの付け根が、1型と違って底面の形状にそって縁よりも内側まで突出している。

刻印は、どちらも明治製菓の「治」の字が下がっているが、仮21型の方が顕著で、ジョイントの基部にかかっている。

明治と製菓の間隔は仮22型の方が広く開いている。

左から仮21型、仮22型

明治合体チョコボール軍装備識別図説の宇宙船編には、仮11型を円盤型宇宙船1型として、仮21型を円盤型宇宙船2型として記載している。

今回、形状や刻印等の違いにより分類した、1型のバリエーションである仮12型を円盤型宇宙船17型、仮13型を円盤型宇宙船18型、

2型のバリエーションである22型を円盤型宇宙船19型と命名する事にした。

.

円盤型宇宙船に計6種類のバージョンが確認されたため、他のタイプに付いても全数を再検討してみた。

そうすると、前・中期はそれぞれのタイプで2種類あると言う、それまでの常識を塗り替える事実が、続々と見つかったのである!

...

翼端ポッドの向きが違う人面型宇宙船にも、刻印違いが見つかった。

翼端ポッドの細くなった方が艦首側に向いているのが1型で、逆のものを2型とした。

1型の下面のマルCマークは左上にあるのが特徴的である。

人面型宇宙船1型

2型は1型に比べて艦首部分の波切りが短く、前のめりのシルエットを持つ。

刻印はマルCマークと明治製菓の文字が1列に並んでいる。

人面型宇宙船2型

2型にも2種類あるのが確認された。ポッドの向きは2型だが、艦首の波切りが2型に比べて長い。

刻印は2型同様に1列に並んでいるが、2型に比べて文字間隔が詰まっている。

前部球状ジョイントの付け根の下面側が、2型よりもスムーズに船体に埋め込まれている。

このタイプを仮に22型と命名した。

人面型宇宙船仮22型

全体的なシルエットから見ても、2型と仮22型は型違いであると認定できる。

このタイプを人面型宇宙船9型と、命名する事とした。

.

戦闘機も型違いが見つかった。

三角翼の戦闘機は、1型は風防が大きく、2型は小さいことで識別したが、風防の小さいタイプに2種類あることがわかった。

風防と先端の球状突起の付け根の間の形状に違いがあり、下面の翼端の厚みと、マルCマークの位置が明らかに違っている。

艦上(三角翼)戦闘機1型

艦上(三角翼)戦闘機2型

艦上(三角翼)戦闘機仮22型

この仮22型を艦上戦闘機8型と命名した。

.

制空戦闘機でも第3のタイプが存在した。

1型は機首の球状突起の付け根が長く、風防の後縁が2段になっている。

下面のマルCマークは明治の中間上部にある。

2型は風防周りのラインがシャープな印象を与える。

下面のマルCマークは、1型に比べてやや上方にあり、明治の治の方に寄っている。

第3のタイプは、翼端のポッドの羽が短くなっている。

下面のマルCマークは胴体中央にあり、1・2型よりも小さい。

制空戦闘機1型

制空戦闘機2型

制空戦闘機仮22型

この仮22型を制空戦闘機7型と命名した。

.

全翼型については、4種類の型違いがあることがわかった。

1型は重厚感に富むフォルムで、翼前縁の空気取り入れ口が大きい。下面のマルCマークは明と治の間、治寄りの上方にある。

2型は若干小さく、前縁の空気取り入れ口がやや小さく奥まっている。下面のマルCマークは明と治の中間、直上にある。

仮12型は翼の前後に走る3本の線の間隔が、1型よりも狭い。下面のマルCマークは治の直上にある。

仮22型は、他に比べて明らかにサイズが小さい。素材感が円盤型宇宙船16型に似た、やや鈍い表面をしている。

前縁の空気取り入れ口の内部は直線的なデザインになっており、下面のマルCマークは明と治の中間、直上にあり2型に似る。

全翼型重戦闘機1型

全翼型重戦闘機2型

全翼型重戦闘機仮12型

全翼型重戦闘機仮22型

この仮12型を重戦闘機7型、仮22型を重戦闘機8型と命名した。

.

重爆撃機にもバリエーションがあることが確認された。

1型は前部の窓が大きく、間隔が狭い。下面のマルCマークは明治の刻印の上部中間にある。

2型はかどの間隔が広くなっている。下面のマルCマークは明の方に寄っている。

仮21型としたタイプは、全長がほんの少し小さい。窓の間隔は2型に等しい。上面左側後方の窓がA型より大きい。

下面の刻印は1型に近い。板ジョイントの下にある小突起のサイドにある凹部が他のタイプと違って向って左側にある。

仮22型としたものは、窓の間隔が広く2型に近い。垂直尾翼は厚みが薄く、下面の翼形状が尖っている。

下面のマルCマークは刻印の上部、機体の中心線上にある。

重爆撃機1型

重爆撃機2型

重爆撃機仮21型

重爆撃機仮22型

この仮21型を重爆撃機5型、仮22型を重爆撃機6型と命名した。

重戦車にもバリエーションが見つかった。

1型とした方は、砲塔上部に外縁を囲む線がある。下面のマルCは明治製菓の刻印の左側にある。文字は前方を上にした方向に書かれている。

2型は砲塔上部はフラットで、下面のロゴは1型とは逆向きで、マルCマークは明の字の上方にある。

仮11型としたタイプは1型に似ているが、下面の刻印が若干前寄りに移動している。

仮12型は、刻印の文字間隔が狭い。

これらの各タイプは、電磁砲の方針に付いた4枚の円盤の間隔が微妙に違っている。

重戦車1型

重戦車2型

重戦車仮11型

重戦車仮12型

この仮11型を重戦車7型、仮12型を重戦車8型と命名した。

.

八輪装甲車にも4種類のバリエーションが見つかった。

1型は車体前面に装甲板がない。車体中央上部のコックピットと板状突起が一体化している。下面刻印は明治と製菓が2行になり、間隔は狭い。

仮11型は前部の装甲板を追加したタイプである。下面刻印はマルCマークと明治、製菓の3行の間隔がほぼ等しい。

2型は前部装甲板が強化されて、車高が下げられ球状ジョイントの付け根が裸出している。コックピットの上部が成形され板状突起の基部が強化されている。

刻印は、マルCマークが明の上に移動し、3行のうち、明治と製菓の間隔が広くなっている。

仮21型は、2型に似るが、下面の刻印の行間がほぼ等しくなっている。

八輪装甲車1型

八輪装甲車仮11型

八輪装甲車2型

八輪装甲車仮21型

この仮11型を八輪装甲車5型、仮21型を八輪装甲車6型と命名した。

.

六輪装甲車にもバリエーションが見つかった。

1型はコックピットが前後に長い楕円形になり、車体後部のラインは、最後部まで伸びている。

車体後部の後半は、上面中央に凹部がある。ロゴは氏下面後部に記されている。マルCは明治の上、若干明の字寄りの中央にある。

2型はコックピットが半円形で、球状突起の基部の長さが長い。車体後部の上面のラインは短い。車輪は細くなっている。

下面ロゴは車体の前後に対して横書きになっている。

仮21型は上面は2型に似てコックピットは半球型で車体後部のラインは短い。ラインの下の車体側面は平面になっている。

球状ジョイントの基部の長さは1型に似る。下面の刻印は1型に似る。マルCマークは明治の上方中央にある。

六輪装甲車1型

六輪装甲車2型

六輪装甲車仮21型

この仮21型を六輪装甲車3型と命名した。

※この研究により、「附)明治合体チョコボール軍装備識別図説(車輌編)」の1型と2型を入れ替えた。

.

このように、2種類以上のバリエーションのある型があることを紹介してきた。

新発売時に24種類あるとされた前・中期の型のうち、2種類しかないものは、

ロボットの全種、10種類と、乗物系が5種類であった。

乗物系の5種類は、手持ちのサンプル数は多くないが、2種類以上ある型よりも少ないという傾向はない。

そのため発見数が増えれば、3種類以上のバリエーションがある可能性は残る。

.

今回、全数検査で型違いが3種以上見つかったのは以下の9種類である。

円盤型の6種類が最大で、4種類のバリエーションがあるものも複数確認されている。

.

これらのオマケは、いわゆるプラスチック製である。

型は上下で分割されており、球状ジョイントの部分から素材を注入している。

プラモデルの様に、太いランナーがあり、枝別れして24種類のオマケが一度に成形されるものと思われる。

明治製菓のピコタンでも、前期・後期と称することとした型違いが見られた。

左からピコタン後期型、前期型

ピコタンは40種類で、一回の成形で40個しかできないことになる。

プラスチック素材の注入→成形→冷却→剥離の一連の工程にどれくらいの時間がかかるか未知数だが、

発売当初から人気が出ての増産の際に必要数を用意するには少なすぎると思われる。

型を2個に増やすことで、増産効果が充分であるかどうかはわからないが、必要な策ではあると思われる。

今まではそのような理解から、それぞれ24個が一度にできる2種類の型があったものと考えた。

.

明治合体チョコボールの新発売時の広告画像で型までわかるのは、円盤型宇宙船のみである。

画像が小さいため他のタイプは形状の特長から判別する事ができない。

円盤型宇宙船の板状ジョイントが球状ジョイントの凹部の向きにあるタイプが、唯一発売時にあったと確言できるのである。

※明治製菓様より画像使用許諾。無断転載を禁ず。

今回、手持ちの全数を比較したところ、円盤型宇宙船の、このタイプだけでも3種類が確認された。

左から1型、17型、18型

上面の窓の配置の他、下面の刻印が違っている。

金属の成形型を作る際、少なくとも3種類の原形があったことになる。

これらの3種類が一つの成形型で同時に作られたのかはわからないが、24種類のうち、一部の種類は、

一つの成形型から複数が作られた可能性がある。

円盤型宇宙船は、板状突起の向きが違うタイプでも、2種類の型違いが見つかっている。

左から2型、19型

どちらの型にも型違いがあると言うことは、24種類という種類数は変わらないが、

宇宙モノというコンセプトに沿ったものとか、人飢餓で沿うと思われるものとか、あるいは、成形がしやすいデザインであるとか、

何らかの理由で複数あった方がよいと思われる種類を、成形型のサイズ一杯に、いくつかレイアウトしたものと考えられる。

..

しかし、3種類以上のバリエーションが見られるもののうち、1型と2型の両方の特長を持っているものが見つかっている。

先に紹介した八輪型装甲車では車体前部に囲みがない1型と、囲みが作られたが板状突起の基部が平らに成形されていない5型、

囲みの部分が低く修正され板状突起の基部成形された2型が確認された。

5型は板状突起の部分は1型、車体前面の囲みは2型と、それぞれ似ている。

デザインが、1型→5型→2型と遷移したとも考えることができる。

そのために、5型は1型と2型の特長を併せて持っており、1型か、2型か、どちらの型で作られたかが予想しにくい。

また、2型と上面はほぼ同じデザインだが、下面の刻印は違っている6型も見つかり、

囲いのある3種が同じ2型系で作製され、1型系の成形型には1型1種類しかなかったのか、

あるいは、1型には囲いの有無に違いがある2種類の八輪装甲車があったのか、成形型の構成は不明と言わざるを得ない。

左から1型、5型、2型

..

下面の刻印の位置や書体も、注目すべきポイントであると思われる。

素材の注入時の影響なのか、文字が読みにくくなっているものがあるので確定はしにくいが、書体に3種くらいのバリエーションがある様に見える。

また、マルCマークには大文字の「C」と、小文字の「C」の2種類がある様に見える。

これらの点については、サンプル数が少なく、素材注入の際の変形等もあるため、現状では仮説の域を出ない。

サンプルが1個しかないものも多く、同じ刻印の配置でも素材注入時の圧力の過多で線の太さに大きな違いが見て取れる。

今後、一層サンプルの拡充に努め、多くを比較していくことで新たな発見ができるものと期待している。

..

なお、今回新しく判明した知見を元に、

明治合体チョコボール軍装備識別図説

の各型の紹介に追加している。

併せて参照せられたい。

..

一切の内容の無断転載、盗用を禁止する。

戻る