実習指導 タコチュウ戦の実際「ラエ基地攻略戦」 |
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●5-1 総括 | ||||
赤タコ軍の補給拠点であり、鉱物輸送の重要なシーレーン防衛基地である、ラエ基地は、青タコ軍の砲撃で完全に破壊された。同時に赤タコ軍は41隻の艦艇と約90機の航空機・機動歩兵を喪失した。これは非常に大きな痛手であり、特に特A級・A級砲搭載艦艇の深刻な不足を招いたことは青タコ軍主力戦艦隊への対処を困難にした。小型艦艇の大量喪失と護送船団の編成拠点の喪失を受け、赤タコ軍の鉱物輸送は大きな掣肘を受けることになった。このことの影響として、船団規模の縮小、船団内の護衛艦艇数の減少等、物資輸送に多大な混乱を招いた。 一方、青タコ軍は喪失艦艇数は4隻と多くなかったが、損傷艦艇が11隻に昇り、幸い赤タコ軍艦艇が全滅したため、曳航によってそのほとんどが帰投することができたが、曳航と護衛のために占領地の確保を諦めざるを得なかった。また、攻守の要であるBC級重巡洋艦を一挙に4隻(1隻沈没、3隻大破・前部B級砲塔脱落)も失った。昨今、赤タコ軍にB級砲搭載の戦艦が増えていることから非常に憂慮すべき被害を被ったと言える。また、航空隊は要塞砲の破壊という殊勲をあげたとはいえ全滅。機動歩兵隊も75%を喪失したことは、今後の航空兵力の戦術的な使用方法に大きな課題を残した。 要塞と艦艇を撃破し、赤タコ軍の鉱物輸送網に深刻な混乱を与えたことで、先の要塞戦同様、青タコ軍の勝利といえる。しかし、要塞砲の数を過小に見積もり、航空部隊が全滅と引き換えに海戦初期の段階で要塞砲を破壊(3門中の2門を破壊)できなければ、艦艇の損害は2倍、3倍に増加した可能性を否定できず、かなり幸運な勝利であったとみることもできる。 実際に1門の要塞砲によって、突入してきた青タコ軍艦隊の特AC級戦艦1隻を行動不能に陥れ、BC級重巡洋艦2隻を大破させられている。赤タコ軍艦隊と要塞部隊の連携が悪く、要塞前面に機動歩兵隊が比較的手薄でなかったら、青タコ軍のカニタン型攻撃機が実際に参加した機数の半分しかなかったら、要塞砲を撃破してから主力艦隊が突入する形にできずに、要塞砲と敵艦隊を同時に相手にしなくてはならなかった青タコ軍艦隊は非常に苦戦した可能性が高い。 今回の艦隊同士の戦いに限って振り返ってみると、小口径砲、特にD級砲の威力不足が目立った。特A級、A級砲の数が多い青タコ軍は、その命中率の高さも相まって、遠距離から的確に赤タコ軍艦艇に被害を重ねさせていった。赤タコ軍の小型艦艇は果敢に突撃したが、有効な反撃を加えられる距離に近づけぬうちに損害を累積させ、予定された活躍が出来なかった。また、A通路沖の主力艦同士の激突の際は、D級砲塔の有効射程距離に接近した途端に両軍とも小型艦艇に被害が集中し、赤タコ軍には極めて短い時間に沈没艦艇が続出。急激な損耗に体勢を整える間もなく、前方の艦艇から次々に失われて、短時間で回復不能の損害を受けた。今回は両軍ともに大口径砲搭載艦艇と小口径砲塔搭載艦艇が緊密に隊形を組んで互いに激突したが、口径別に艦隊を分派して柔軟な運用をする必要が確認された。 |
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