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遠い親戚とでも申しましょうか
ハズレ用ピコタンもどき
駄菓子屋の定番商品に、「当て物」といわれた各種のくじ引きがあった。
10円、20円といった少額を払い、お菓子をいれるプラスチックケースなどの中に入っている
三角クジを一枚取り、書かれている番号に対応する商品を貰えるというものだった。
一等賞は、銀玉鉄砲とか駄菓子屋プラモなどの、そこそこイイモノだった。
ほとんどは、プラ製のコマだとか、飛行機や怪獣などの駄玩具があたることになった。
一等、ニ等の大きな商品は、実は番号札が入っていないというウワサがあったが、
子供の資力・知力では真相は伺い知ることなど出来はしなかった。
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で、今回の発掘品は、ピコタンの遠い、とぉーい親戚の
ピコタンもどき
である。
その後の研究の結果、ピコタン型人形ブロックの発生に関しては
純正ピコタンから他の型が派生的に進化し他のではないことがわかった。
詳細は「
徹底解明!ピコタンのできるまで
」を参照されたい。
形状は、前へならえ!した人形である。
手の間に相手の頭や胴体を挟んだり、ピコタンと同様に頭を足で挟んだりすることができる。
また、頭と胴の直径が等しいため、足で胴体を挟むことができる。
首の後方には環状の部分があり、ペンダントヘッドにもできそうである。
吊った姿は飛騨土産のさるぼぼを連想させられる。
ピコタンやポコタン、またその系列の駄玩具と違って可着部分が少ないので遊び方は限られる。
頭が重いため直立時の安定性は良くなく、トントン相撲をするのも難しい。
大きさはピコタン純正とほぼ等しい。頭はピコタンの方が小さく互換性はない。
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色は8種類で青系が多いのが特長的である。
材質はピコタンなどよりも堅いプラスチックで、水に沈む。
しかし、一部でも水面上に出した状態では表面張力で沈まないことから、
タコチュウのパチモンよりは比重が軽いと思われる。
裏面には「HONGKONG」の刻印がある。・・・が、鏡文字、かと思うと
Gは正しい向きになっている。ということは、削った時に既にGを逆に彫ったとも考えられ、
かなりいい加減な(というか、字を知らない)製作者の存在が感じられる。
あ、Nの字も上と下で向き逆だし。
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この
ピコタンもどき
がクジのハズレだったことは、この箱から想像される。
クジセットは60個から80個くらいの商品が1シート(または1箱)になっているので、
この「36〜75」という番号はかなり末等にちかいことをうかがわせる。
箱の中にはビニールに入った
ピコタンもどき
が40個(実際は39個)入っていた。
クジでこの番号を引いたら、この箱の穴から
ピコタンもどき
を一個渡されたものと思われる。
普通の子供の資力では、この手のクジをそんなに何回も出来ないので、
なんとなく合体することができ、ペンダントヘッドにもなる人形がちょうどよかったのかも知れない。
・・・まあ、どうやってもハズレ感はぬぐえないが・・・。
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この箱には、「36〜75」の40個が入っていないといけないのであるが、
前述したように
ピコタンもどき
は39個しか入っていなかった。
そして、入っていたのは、以下のようなものだった。
これって、成型するときのランナー?!
HONGKONGも満足に刻印できないような製造所では、商品もランナーも区別なく、
「数合ってればいいんじゃないの?」的に箱詰めしていたのではないかと思われる。
20年、30年の月日を経て、箱ごと発掘されたからいいが、
もし、駄菓子屋でこの40個目のハズレを引き当てて、このランナーしか残っていなかったら・・・。
それが、今週の小遣いの最後のコインであったら・・・。
きっと、店のまえのガチャガチャのカプセルを捨てるブリキ缶に力いっぱい投げ捨て、
泣きながら走って帰る事になったに違いない。
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このランナーから、一度に4個が作られたことが窺われる。
良く見ると首の長さと、横から見たときの顎部の形が違うタイプがあることがわかる。
これは一個ずつしかないピンクと濃い青にはないが、他の6色では全て確認された。
このことからひとつのランナーから枝分かれして複数個づつ作ったことがわかる。
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これを見て、なんかに似てるなぁ・・・、と思ったら飛騨土産の「さるぼぼ」に似てることに思いあたった。
余談だが、2個合体させると、エローい感じと思うのは、あたしが大人になっちゃったからなのかしら・・・。(^^;)
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このピコタンもどきは、機動性の低さと携帯火器を持てないことから、
要塞等の定点監視用や、要塞砲の操作要員として使用することにする。
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ところで、某クションだったか、これのもっと大きそうなのもあった様な気がするが、
金欠だったか入札しなかった。あぁ、駄玩具は一期一会。
・・・・・・頑張るぞぉ!
・・・何を?
・・・秘密。
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