実習指導 タコチュウ戦の実際「ラエ基地攻略戦」

●3-2 残された要塞砲

 左側に見える敵艦隊は隻数も少なく、大口径砲搭載艦は一隻しか見えなかったため、左側のBC級重巡洋艦3隻、CD級軽巡洋艦4隻、DD級駆逐艦6隻に、特A級砲搭載戦艦隊の後尾から2隻を分派することにした。機動歩兵は敵艦隊に接近してから発進させ敵小型艦を混乱させることにした。

 敵大型艦の発砲は確認されるが被害は無く、青タコ軍の主砲が発射される度に、敵艦の舷側や艦首で命中の火花が散った。「敵艦隊は数こそ遜色ないが、大型艦は多くないようだ。敢えて接近すること無く、距離を保ちつつ損害を累積させ、抵抗が弱まってから突入した方がよい。」と、青タコ軍旗艦から減速の命令が出されようとした。

 だが、その刹那、左側最後尾の軽巡洋艦と駆逐艦が火を発した。軽巡は轟沈。駆逐艦も艦尾を粉砕され移動不能となった。「どうした?!」「状況を知らせ!」「後方を警戒しろ!敵の別働隊か?!」今までの余裕をもった雰囲気が一変し、艦橋内が騒然とした時、もたらされた報告に一同は色を失った。
「要塞砲です。もう一門残っているようです!」「左側の通路の奥に、要塞砲があります!」

突如撃沈された青タコ軍軽巡と艦尾を失った駆逐艦

B通路側に残った要塞砲が射撃を開始する

 各艦の注目が左側の艦隊の奥、要塞の壁面に移った時、その一角から強烈な光が放たれた。やはり列の最後尾に位置していた特AC級戦艦の艦尾に命中した。強靭な鋼材を使用した戦艦はさすがに強く、砲の脱落はなかったがほとんど移動力を失った。被害が最後尾の艦艇に集中しているということは遠弾であるが、早々に修正され艦隊のまっただ中に要塞砲を撃ち込まれる可能性があるということになる。

 「全艦、第三戦速に増速せよ!機動歩兵隊は全機発艦、青中隊と紺中隊は要塞砲を制圧せよ!」

機動歩兵隊を発艦させ要塞に殺到する青タコ軍艦隊

青タコ軍侵攻時配置図

この時点での両軍の配置