実習指導 タコチュウ戦の実際「ラエ基地攻略戦」

●1-2 敵の補給線を叩け!

 両軍とも、主星系が開発されつくし、資源を外宇宙に求め、多くの輸送船団で鉱物資源等を運んでいる。これは戦争継続のみでなく、タコチュウ星系全体の生命を維持するのに必要であり、間断なく継続せざるを得ない活動となった。

資源を満載して航行する赤タコ軍輸送船団(写真はイメージです)

 この輸送戦を制することの重要性を理解している両軍は、お互いの輸送船団への攻撃を強めた。当初は艦艇数不足から十分な護衛を付けられず輸送船団に大損害を与えた例もあったが、艦艇数の増加に伴い攻撃部隊、護衛部隊ともに強力になったために熾烈な遭遇戦が戦われるようになった。青タコ軍に対してより多くの小型艦艇を建造し得た赤タコ軍の通商破壊作戦は、一時顕著な成功を収めた。それに対して青タコ軍は、赤タコ軍の活動を封じるために戦艦を含む強力な艦隊で赤タコ軍の通商破壊戦部隊の根拠地であるツラギを強襲したのが、数年前のツラギ海戦であった。
 機動歩兵の運用で勝る青タコ軍は、機動歩兵隊の大半を失い、艦隊兵力にも多大な損害を受けたが、赤タコ軍側の艦艇も機動歩兵も殲滅し、基地機能を完膚なきまでに破壊し戦略目的を達することが出来た。

 ツラギの失陥で、積極的な通商破壊戦の継続が困難になった赤タコ軍は、鉱物資源の集積を効率化する作戦にでることになった。外宇宙からの輸送船団を一度拠点となる港に集めて、強力な護衛艦隊を付した護送船団を編成して本星へ一気に輸送することにした。拠点港に高性能の荷役装置を備えることで滞荷を減らし、迅速に船団を編成することで輸送効率を上げることを目指したのである。