通商破壊戦: |
敵国の輸送船を攻撃することによって、戦争継続や国民生活に必要な物資の供給を遮断し、敵を経済的に屈服させる戦い方。 第一次大戦でドイツが潜水艦によってイギリスの輸送船を攻撃し、降伏寸前にまで追い詰めたのが有名。第2次世界大戦でもドイツは同様な戦法を取ったが、アメリカが大量の護衛艦艇を供給したこと、また商船を改造した空母を多数、輸送船に同行させ航空機によって潜水艦の行動を圧殺したことにより、大戦後期には効果が少なくなった。 アメリカは潜水艦を使って、島々の防備に送られる守備隊を輸送船ごと沈め、また、南方の資源地帯で算出した石油や鉱物が日本に送られることを阻止し日本を降伏に追い込んだ。 通商破壊戦は、自軍の艦艇、航空機によって直接輸送船を撃沈するだけでなく、通商破壊艦の攻撃から輸送船を守るため、多くの艦艇を輸送船の護衛の為に使用しなければならなくなるので、戦力の有効利用を阻むことが出来る。限られた数の護衛艦艇で多くの輸送船を護衛するため、船団を組んで運行したが、船団の集合を待ち、速力をいちばん遅い船に合わせなければいけなくなるなど、輸送効率を著しく悪化させられた。 第2次世界大戦のドイツは、戦争開始が予定より早くなり海軍力を整える前に開戦してしまったため、数に勝るイギリス艦隊との交戦を避け、大型艦を使って通商破壊戦を行った。航続力の大きな、高速で強力な大型艦艇を通商破壊戦に投入するという考えは、特殊なものではない。(→1に戻る) |
通信解析: |
継続的な努力と幸運に恵まれても、敵国の通信を傍受して暗号を解読することは困難である。そこで、暗号を解読できなくても、相手の通信量の変化で敵国の戦略的意図を推測する方法が工夫された。通信解析もそのひとつで、解読できない暗号文は、ひとまず置いておき、通信のヘッダーから誰から誰に宛てた電報かを予想し、その数と送受信者の位置を分析することによって敵の行動を予測する一助とした。 例えば、海軍の根拠地と新しい艦隊を示すと思われる受信者の間でやり取りが増えれば、新たな作戦が準備されていると予測することが出来る。その新しい艦隊からの送信が無くなれば、艦隊は無線傍受によって位置を暴露されないように通信管制に入ったことが予想される。敵の偵察機の動きなどから敵の攻撃してきそうな方面を予測できれば、距離と敵艦艇の速度から逆算して、敵の攻撃開始時期を正確に予想することが出来る。さらに、これに陸軍部隊を表すと思われる相手との送受信が加われば、上陸の意図を推察することができる。 暗号解読が出来なかった日本はこの方法で、大戦後期にはかなり正確にアメリカの空母機動部隊の行動を把握していたといわれる。(→2に戻る) |
之字航行: | 潜水艦等から照準されるのを防ぐため、ジグザグに進路を変えながら進むこと。砲戦の間は敵の照準を避けることはできるが、自軍の射撃にも悪影響が出やすいので、相当なことが無いかぎり、一般的には行わない。(→17に戻る) |
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