<参考資料>
最近になって「ボールペン付きインベーダー消しゴム」のさらにもとになると思われる駄玩具を発見した。
「F1カー消しゴム」である。
タグつきの袋に、「ボールペン付きインベーダー消しゴム」と同様のボールペンと
バリの残るラフな造形のスーパーカー消しゴムが10個。写真カードが一枚入っている。
タグの写真は、黒いのはJPS Mk3ロータス78、赤いのはフェラーリ312T2で
どちらも70年代の車両ということであった。(情報提供:三浦さばいぶさん、艶☆2号さん)
スーパーカー消しゴムをボールペンで弾く遊びは当時大流行していたが、
消しゴムをガチャガチャや駄菓子屋で手に入れ、ボールペンは文房具屋で
「BOXY」というロゴのはいったものを買うのが一般的であった。
そこは目敏い駄玩具メーカー。遊びに必要なものをワンパッケージにして用意してしまったのだろう。
おまけにカードまで付けてあるという親切さである。
「F1カー」といいつつ、カウンタックやロータスエウロパなどのいわゆるスーパーカーで、
ゴムと言う割には素材はプラスチックらしく、物凄く良く走る。
値段は50円ではペイしない可能性が高く、大きな台紙に留めた大型ホチキスの跡もないので、
もう少し高い価格設定で、お土産屋や玩具屋等の台などで平置きされていた可能性がある。
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日本玩具協会のホームページによると、
スーパーカー大流行は、昭和52 (1977)。
インベーダーゲーム大流行は、昭和54 (1979)ということである。
このことから、「F1カー消しゴム」のほうが「ボールペン付きインベーダー消しゴム」より
早く出現したことが考えられる。
そうすると「ボールペン付きインベーダー消しゴム」は、射撃要素の提案というより、
「F1カー消しゴム」の構成を踏襲しただけのものだった可能性も出てきた。
しかし、インベーダーは立てられるだけの厚さを持たされていたということは、
何かしらの弾とかミサイルになるものを用意することを想定していたとも考えられる。
射的ゲームと言う名で、銀玉鉄砲や吸盤付きミサイルを撃つ銃と目標になる怪獣などをセットにした
玩具が多く見られたことと考え合わせても、ボールペンで射撃するという遊び方は
奇想天外なものではない。むしろ思い付きやすい遊び方と思われる。
だが、明文化されたルールもなく、そのうちにテレビゲームなどに食われてしまったものであろう。
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